- ーそもそもSHINTAROさんがDJを始めたきっかけは?
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地元が秋田県なんですけど、高校時代に友達とラップをやっていたんです。で、ある時にバックDJの機材を借りて、ちょっとDJをやってみたら自分の性に合って楽しかったので、ノリでDJを始めました。
- ーDJにも色々スタイルがありますけど、SHINTAROさんは最初、バトルDJ(注:スクラッチやトリックなどを競うスタイルのDJ)として活動されていたそうですね。
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はい。A-Trakのビデオを見てからスクラッチに興味が出て。ひたすら最初はスクラッチの練習をしていました。19歳くらいのときに、当時付き合っていた彼女を追って上京してきたんですけど、フラれちゃって。友達もいないんで、スクラッチする以外何もすることがなかったんですよね(笑)。それから1年間ずっと練習していたら、バトルに出てみない? と誘いを受けたので、バトルの大会に出るようになりました。
- ーここは、いつも製作の際に使用しているRed Bullのスタジオだそうですね。SHINTAROさんは「Red Bull Thre3Style」で世界制覇を成し遂げられましたが、そもそもどういう大会なのかを説明していただけますか?
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「Red Bull Thre3Style」は、毎年世界各地で開催されている、今世界で一番大きいDJコンペティションです。ワールドファイナルともなると、世界20カ国くらいからエントリーがあって、審査員にもジャジー・ジェフ(Jazzy Jeff)やクレイズ(Craze)、A-トラック(A-Trak)だったり、本当に世界的に有名なDJが名前を連ねています。ルールは、15分で3ジャンル以上をかけて、スキル、パフォーマンス、オーディエンスの盛り上がりを見てジャッジされます。すべてが審査対象に入るので、総合格闘技みたいな感じですね。
- ー最初に出場してから、世界制覇を成し遂げるまでにどれくらいかかったんですか?
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3年ですね。最初の2回は予選で負けてるんです。1回目は関東予選、2011年かな。2012年はジャパンファイナルで負けて、2013年にようやく日本代表として行く機会がもらえて、そこで勝っちゃったみたいな。世界を獲ってからは、世界各国のRed Bullさんからサポートしてもらっています。審査員として海外に行く機会も増えましたね。
- ー初めて海外ツアーを行ったのは、ワールドチャンピオンになってからですか?
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いや、その前にもヨーロッパツアーに行かせてもらったりしてました。そういう経験も、世界制覇には活きてきていると思います。
- ー〈G-Star RAW〉はオランダ発祥で、ヨーロッパにも数多くお店がありますが、行かれたことは?
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あんまり街中を歩いたりってことがなかったんで、残念ながら…。今度必ず見てみます! でもブランドのことはもちろん知っていましたよ。渋谷店のすぐ近くのクラブで、毎週DJをしていたこともあるし、お店で買い物させてもらったこともあります。
- ー今回穿いていただいたパンツはいかがでしたか?
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このデニム風のスウェットパンツ、”スウェットデニム”っていうんですか? これはすごく穿きやすいですね。クラブとかってスウェットパンツはダメなんですけど、これだったらいけそうですよね(笑)。チノパンもゆったりしたシルエットなんですけど、裾にかけてテーパードがかかっていて、シルエットがとてもかっこいいですね。
- ーDJをするときのファッションは普段と違いますか?
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その時々によるんですけど、バトルのときは半袖の服を着ますね。ターンしたり、肩でミキサーのフェーダーをいじったりとか、ボディトリック(注:アクロバティックな態勢でターンテーブルやミキサーを操作すること)をしたりするので。この前、広島でDJしたときに、結構ダボっとしたシャツを着ていたら、まんまとフェーダーに引っかかって失敗しちゃって、超恥ずかしかったです(笑)。”スウェットデニム”はバトルのときでも動きやすいんで良さそうですね。自分はDJ中もノリながらプレイするタイプなんで、こういう動きやすいパンツは最高ですね。なんならこのまま寝れちゃいそうだし(笑)。それくらい快適なパンツなのに、見た目は本物のデニムみたいながすごいですよね。最初触ったときは本当にびっくりしました。
- ーDJを始めて10年以上経って、今ではそれが生業になっていますが、続けられていることの一番の理由はなんだと思いますか?
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飽きないことですかね。基本的に飽き性なんですけど、DJだけは全然(笑)。音楽って常に流行も変わるし、新しい音が出てくるじゃないですか。だからDJのスタイルも変化するし、飽きないんです。常に新しいものを取り入れることもできるし、古い楽曲も、自分次第で新しい聞こえ方にさせられるっていうのが魅力ですね。
- ーなるほど。そこは〈G-Star RAW〉の姿勢とも共通するところがありますね。〈G-Star RAW〉は過去のアーカイブや古着を資料として本社に保管していて、過去を振り返りながらものづくりを行っているんです。
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“スウェットデニム”って本当に発想が新しくないですか? 自分も、元々あるものを新しいものに、じゃないですけど、何かと何かを組み合わせるっていう発想が好きなので、〈G-Star RAW〉のクリエイティビティや、単に“流行”ではなく“クラシック”を生み出そうとするスタンスに強いシンパシーを感じますね。
- ー最後に、SHINTAROさんが今後挑戦したいことを教えてください。
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自分の世代では、日本人DJで世界で活躍してる人があまりいないので、自分が頑張って日本のDJシーンをもっとグローバルにしたいですね。あとは楽曲制作。今は曲も作れるDJがフォーカスされたり、大きなステージに立てたりするので、そこはどんどんチャレンジしていきたいです。