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monessay ─ ヒップとラギッド

monessay ─ ヒップとラギッド

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。某誌でずいぶん長いこと連載していたコラムが休載し、フイナムにて装いも新たにスタートです。今回は〈レッド・ウイング(RED WING)〉のブーツ。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta
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第六回 ヒップとラギッド

の欄の担当者がパリに出張していて更新のキューを出し忘れていたという連絡がメールで届いた。そういうこちらもいまサンフランシスコにいる。時差で頭が朦朧としているし、外は想像していた以上に寒いし、どうにもやる気が出ない。

日着いてランチにタルティーン・マニュファクトリーに行った。ミッションというヒップなエリアにあるレストランだ。このエリアやや増長に広がるが、なんとか歩いて回れるので、ランチ後足を棒にしながら眠気と戦った。

中、バイライトというオーガニックスーパーがやっているアイスクリーム屋に寄る。風が冷たいなかアイスを食うのもどうかと思うが、そこは旅行者、無理もしてみる。

いでに先にあるユニオンメイドという小さなセレクトショップへ。ニードルス、ビームスプラス、TS(S)、ユケテン、キャピタルなど日本ブランド、あるいは日本人がデザインするアイテムが店の半分を占めていた。以前はエンジニアド ガーメンツも置いていたが、今回は見かけなかった。弟(TS)が兄(EG)を追い出したのだろうか。

シューズはオールデンのフルラインナップが揃う。いわゆる日本が世界に誇るデービッド・マークスの著した「アメトラ」がここにある。ちょっと盛りは過ぎたなんていう人もいるが、ここアメリカではいまだ根強いようだ。このお店だけで判断するのは早計かもしれないが。

かし自分のかっこはこの「アメトラ」路線ど真ん中だし、日本人の活躍も嬉しい。

なみに「フレンチカジュアル」がフランス人のフィルターを通したアメカジなら、「アメトラ」は日本人のフィルターを通したアメカジである。この「アメトラ」という言葉をそのように使う人はあまりいないかもしれないが、まあそのようにここに定義しておこう。

の「アメトラ」を代表するブランドのひとつが〈レッド・ウィング〉。アメリカに来たからには何かそういうアイテムを買って帰りたい。最近バイクを復活し、履くブーツに困っていたところだ。

表作はアイリッシュセッターかベックマン。変速レバーを操作するにはやはり甲の部分がプレーンな方がいいので選ぶのは後者。おろしたての靴をバイクで傷だらけにするのに抵抗はなくはないが、元来ワークブーツである。道具として使ってこそ靴も喜ぶ。

かしどこに売ってるんだろう。ヒップなこの街の、ヒップなお店ではなかなかこの靴はお目にかかれない。

日はバークレー方面へ遠征である。さらにヒップなエリア。ラギッドとは正反対。果たして。

蔡 俊行

フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長。マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

レッド・ウイング・ジャパン株式会社

電話: 03-5791-3280
www.redwingshoe.co.jp

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