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FEATURE|ジャック ダニエルと古着の意外な共通項。

ジャック ダニエルと古着の意外な共通項。

Vintage Clothes & Jack Daniel’s

ジャック ダニエルと古着の意外な共通項。

多くのミュージシャン、とりわけロックスターに愛されるテネシーウイスキー〈ジャック ダニエル(Jack Daniel’s)〉。16歳で蒸溜所を開いた、創業者のジャスパー・ニュートン・ダニエル(通称ジャック・ダニエル)が生み出したウイスキーには、メイド・イン・USAの古着にも呼応する“ものづくりへのこだわり”が詰まっている。いま、あらためてその魅力を探るべく、古着のECショップを運営する本宮力さんとともにブランドの世界観を紹介するイベント『JACK DANIEL’S EXPERIENCE 2018 Japan』に赴いた。

  • Photo_Yuya Wada
  • Model_Tsutomu Motomiya
  • Edit&Text_Satoru Kanai
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アメリカ製というこだわり。

ヴィンテージ好きには “メイド・イン・USA”に並々ならぬこだわりを持つ人が多い。それは、生産国自体がプロダクトを形成する重要な要素であるからだ。

実は、これはウイスキーにも同じことが言える。「バーボン」はアメリカ産のウイスキーで、原料や製法など様々な規定をクリアした製品にのみ許された呼称だが、〈ジャック ダニエル〉は、バーボンではなく「テネシーウイスキー」というさらに限定された名称を与えられている。

アメリカ最古の登録蒸溜所であるジャック ダニエル蒸溜所で蒸溜・樽詰めされた原酒のみを使用し、いまも変わらぬ製法で生産されている“メイド・イン・USA”のウイスキー。世界中に流通するすべての〈ジャック ダニエル〉が、創業の地であるテネシー州リンチバーグでつくられている。

フリーランスとして様々なアパレルブランドに携わりながら、自身でも古着のECショップを運営する本宮さんは、「アメリカ製だからいいということではなく、素材や縫製に独特の味があるんですよね。効率や予算を考える前に、純粋にいいものをつかって、いいものを作ろうとしていた時代の服はいつまでも古びないんです」とアメリカン・ヴィンテージの魅力について語ってくれた。

「水」と「樽」と「炭」という素材にこだわり、独自の「チャコール・メローイング製法」で生み出される〈ジャック ダニエル〉もまた、純粋にいいウイスキーをつくるため、効率よりも伝統を重んじている。

リンチバーグにあるケーブ・スプリングの湧き水から生み出された原酒は、1週間かけて10フィートの炭を通り抜けることで、まろやかで独特の味わいへと磨かれる。この「チャコール・メローイング製法」と呼ばれる製造過程で使用される木炭も、ウイスキーを寝かせるホワイトオークの新樽もすべて自社製。世界でも稀な自社生産の樽は中を丹念に炙り、さらに炎で焦がす。このこだわりが、独自の味わいに欠かせないのだ。

そして熟成の時を経て、マスター・ディスティラーと呼ばれる蒸溜責任者や特別な訓練を受けたテイスターが一樽ずつ味を確かめた後、熟成のピークを迎えた〈ジャック ダニエル〉は瓶詰めされ、世界中に出荷されていく。

ヴィンテージアイテムが、縫製やデザインからそこに刻まれた歴史を紐解くたのしみを持つように、ウイスキーも寒暖差の激しいテネシーの気候風土や樽の成分といった、熟成度合いを感じ取るたのしみがある。

若くして生家を離れ、ひとりの牧師からウイスキーづくりを学び、その生涯をウイスキーに捧げたひとりの男――。ロックスターに愛される酒を作り出し、多くの伝説を残してこの世を去ったジャック・ダニエル自身の歴史を肴に、ウイスキーを味わってみてはいかがだろう。

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