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FEATURE|買って買って、そして買う。着道楽3人組が見た全米最大のフリマ、ブリムフィールド アンティークショーとは。

買って買って、そして買う。着道楽3人組が見た全米最大のフリマ、ブリムフィールド アンティークショーとは。

Talking About Brimfield Antique Show

買って買って、そして買う。着道楽3人組が見た全米最大のフリマ、ブリムフィールド アンティークショーとは。

アメリカのフリーマーケットと言えば、ローズボールが真っ先に浮かびます。が、新しいものを掘り当てるためなら、どこまでも貪欲な彼らが向かった先はアメリカ東海岸、マサチューセッツ州で行われている「ブリムフィールド アンティークショー(Brimfield Antique Show)」。“彼ら”とは〈サンカッケー(SUN/kakke)〉デザイナー尾崎雄飛さん、〈ウエストオーバーオールズ(WESTOVERALLS)〉デザイナー大貫達正さん、「メイデンズショップ(MAIDENS SHOP)」ディレクター平沢達哉さんの3人。業界屈指の目利きたちを唸らせるフリーマーケットとは一体どんなものなのか。現地で3者のお眼鏡に適ったものを紹介しつつの、「ブリムフィールド アンティークショー」ショッピングレポート!

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尾崎雄飛

1980年生まれ。2001年よりセレクトショップのバイヤーとして勤務後、2007年に〈フィルメランジェ(FilMelange)〉を立ち上げる。2012年1月から自身のブランド〈サンカッケー(SUN/kakke)〉をスタート。

大貫達正

1980年生まれ。古着のバイヤーを経たのちフリーのデザイナーに。現在は自身のブランド〈ウエストオーバーオールズ(WESTOVERALLS)〉のデザイナー業のほか、他ブランドのデザイナーも兼任。

平沢達哉

1986年生まれ。大手セレクトショップ勤務後、2008年「メイデンカンパニー」に入社。現在は「メイデンカンパニー」が運営する「メイデンズショップ」、「ウェルメイドバイメイデンズショップ」2店舗のディレクターとして手腕を振るっている。

「ブリムフィールド アンティークショー(以下:ブリム)」。一体どんなフリマなんでしょうか?

尾崎ロサンゼルスのローズボールは有名じゃないですか。あれはバリバリ西海岸のフリマですよね。でも「ブリム」は東海岸、ボストンのあるマサチューセッツ州で開催されているフリマなんです。

日本だと「ブリム」の名前はあまり耳にしないですよね。

尾崎そうですね。ローズボールには古着屋さんのバイヤーがたくさんいるんですけど、「ブリム」は日本の古着屋さんでも知ってる人と知らない人がいます。なんせ服が少ないんで。だから初めて「ブリム」に行こうとしたときは周りから「あまりよくないよ…」っていう話もされました。けど、ぼくは古着屋さんじゃないんでいいかなー、と軽いノリで行ったら想像を絶する広さだったんです。

どのくらいの規模なんですか?

尾崎ローズボールの倍くらいありますね。

売ってるものに違いはありますか?

尾崎ピンとこないかもしれないですけど“東海岸”っていう感じです(笑)。カントリーって言えばいいんですかね。キルトとかゴブランの感じとか、木材は白く塗る、みたいな。西海岸はメキシコの領土だったところもあるので、サボテンとかインディアンラグとか、わりとカラフルな世界観なんです。もちろん、色々な文化がクロスオーバーしてたりもするんですけど。

みなさん何回目なんですか?

尾崎ぼくは3年前から何度か通ってるんですけど、2人は2回目だよね?

平沢そうですね。ぼくは去年初めて行ったんです。そのときはお店の仕入れも兼ねていたのでニューヨークにも立ち寄ったりしたんですけど、今回はこれだけに照準を合わせて行きました。

お店には「仕入れに行く」と伝えているんですか?

平沢強引にねじ込みました(笑)。ただ結果的に仕入れもできたんですけど。

大貫ぼくも今回が2回目でした。

初めて行ったときの感想を教えていただけますか?

大貫ヨーロッパのフリマには行ったことがあったんですけど、それに比べて圧倒的に広いですね。スケール感に驚きました。場所が広いので家具とか平気で置けちゃうんですよ。店の看板とか柱とかも。

平沢ぼくもパリの蚤の市とかブルックリンのフリマには行ったことがあったんですけど、桁違いの規模でした。そしてなんでもある。1日じゃ全然足りません。

尾崎1日で3分の1くらいしか見れないですからね。

とにかく広い、と。

平沢それと、アメリカ以外の国のものが多いことにも驚きました。特にアフリカ。日本じゃなかなか目にしないものがたくさんあります。

日本人もたくさん来てるんですか?

尾崎いや、ほぼいないです。今回も見かけたのは5人くらいだったと思います。対してローズボールは来場者のおよそ2割くらいが日本人なので、全然違いますね。「ブリム」は人はたくさんいるんですけど、日本人は来場者の0.1%くらいではないでしょうか。

会場はどんなところなんですか?

尾崎国道の両脇、元農場みたいなところにズラーっと並ぶんです。普段はただの空き地みたいで、そのときだけ、そこにテントが立つみたいです。

尾崎あと貴金属と呼べるレベルのものからチープな感じのものまで、ジュエリー類も多いですね。アフリカのビーズものとか。

平沢今回は「ブリム」で買い付けたものでイベントをやろうと思っていました。前回行ったときに、尾崎さんから「アフリカのジュエリーはいいよ」というのを聞いて、買っていったんです。そしたら一部のお客さんがすごく喜んでくれて。じゃあ今回はジュエリーだけじゃなくて、アフリカの布とかカゴを集めてイベントをしようと。

尾崎最近ぼくらのなかで、アフリカが流行ってるんです。

平沢去年くらいからですよね。時代的にもアフリカがちょうどよくなってきて。

尾崎そういえば、トゥアレグの装飾品なんかも売ってたりするんですよ。

トゥアレグ族はアフリカの北のほうでしたっけ?

尾崎そうですね。サハラ砂漠の遊牧民です。

平沢前回「ブリム」に行ったときに、トゥアレグのものがかなりお手頃価格だったので、たくさん買ってきたんですけど、今回はトゥアレグのジュエリーが全然なくて…。

そもそもアフリカブームのきっかけはなんだったんですか?

尾崎結局はトゥアレグですかね。彼らのつくるものはやっぱりいいので。で、トゥアレグがあるブースにアフリカのビーズアクセサリーとかも売ってて、それで広まっていったというか。

平沢達正さんもアフリカのジュエリーをめちゃくちゃ買ってましたよね。

大貫やっぱり新鮮でしたよね。日本ではなかなか目にすることがなかったんで。

平沢ただ、トゥアレグって言ってもシルバー以外の装飾品もたくさんあって、前回達正さんがそれをごっそり買ってたんです。それがかっこよくて今回は買うぞと意気込んで行ったんですけど…。

尾崎ちなみにアフリカのブースって8箇所くらいあるんですが、相場も特徴もそれぞれ違うんです。全部見るとなると、かなり時間がかかりますね。

平沢尾崎さんと達正さんの買い方が尋常じゃないので、それで時間がかかるっていうのもありますけどね(笑)。普通に見る分には、そんなにかからないと思います。

大貫確かにね(笑)。

尾崎あと「ブリム」はご飯がおいしいんですよ。 ”おかんのハンバーガー”みたいのがあって(笑)。日本のおにぎりくらいの感じのハンバーガーで、普通のおばちゃんがつくってるやつなんですけど。それがもう最高で。

「ブリム」に来ている客層としてはどんな感じですか?

尾崎普通の人たちが多いですね。

大貫ファッショナブルな人はあまりいなかったよね。

平沢”ザ・アメリカの家族”みたいな人とか。

大貫そうそう。世田谷の骨董市にいる客層のアメリカ版っていう感じですね。

尾崎ヨーロッパもそうですけど、アメリカ人もアンティークが好きなんですよ。普通の人でもアンティークには価値とロマンがあると思ってる。ものを大事にすることが身についてるんでしょうね。日本人はとりあえず量販店に行っちゃうじゃないですか。

他人が使ったものに対して抵抗がある人も多いですもんね。

尾崎そうですね。そういう文化の違いもあって、みんなアンティークに対して少なからず興味があると思うんです。

平沢夢中になってなにかを探すというよりは、生活に必要なものを普通に買ってるという感じを受けました。

値段の交渉はできるんですか?

大貫できます。基本的に毎回交渉しますね。

尾崎値切る楽しみはありますね。なにも言わなくても値切ってくれる人もいますし。買いすぎてグチャグチャになって、最終的にめちゃくちゃ安くなってたりすることもありますね(笑)。

大貫まとめて大量に買って「いくらで!」っていうのがいちばんいいですね。半額以下になったりもするので(笑)。

(笑)。それでは早速、尾崎さんから順に買ってきたものを見せていただけますか?

一番上に見えている布は、このサイズで50ドル。

尾崎ぼくはいつも「ブリムとは?」みたいなものを買うんですけど、まずは布関連です。19世紀につくられたキルトですね。昔の生地ってすごくかっこいいんですよ。

尾崎あとはチマヨのものだったり、メイン州とかの伝統工芸で布を裂いて編んでいるブレイドラグです。これは40~50年代のものですね。

キルトは女性に人気があるんでしょうか?

尾崎もちろん女性で好きな方は多いと思うんですけど、よく見ていくと男が惚れる部分もあるんですよね。

積み上げて眺めるのが尾崎さんスタイル。青いボックスは数万円する代物。

尾崎これはシェーカーボックスですね。たくさん集めてたんですけど、いよいよ売ってみようかなと思っています。今度イベントをやるので(ページ下部参照)みなさんぜひいらしてください。

これはすべてセットで売っていたわけではないですよね?

尾崎いろいろなところで集めたものです。こうしてタワーにするために(笑)。

シェーカーボックスってもともと何を入れてたんですか?

尾崎小麦とか米とか。食料の備蓄用に使われていたものですね。

尾崎次はネイティブアメリカンとアフリカのビーズアクセサリーです。シャツとかにサラッと着けるといいのではないでしょうか。このへんのアイテムは会場内で取り合いになってます(笑)。

平沢見つけたらすぐ買う!みたいな(笑)。

大貫あ~買われた~っていうね。

尾崎ぼくはわりと変化球を好んで買ってるんで、直球系は2人が買ってます。

アンティークのミニカーは、現在は入手困難。

尾崎〈トゥーツィートイ(Tootsie Toy)〉っていうシカゴのミニカーメーカーがつくってるミニカーなんですけど、このメーカーの40年代以前のものを集めてて。どこか抽象的な感じがたまらないんですよね。持ってきたのはほんの一部で、実はこの8倍くらいの量を持ってます(笑)。

尾崎次が熊です。熊だけ集めてるんです(笑)。馬も集めてるんですけど、今回は熊で。

右のサメの絵は115年前のもの。

尾崎印刷物もたくさん買ってきました。ポストカードも人に送る用に。自分がやっているブランドのDMとしても使ったりしてるんですけど。ポストカードはアルバムに入れた状態で売られていて、「全部ください」って感じで買いました。

尾崎こちらは最近集めはじめた遺跡カテゴリーです。見て欲しいと思う人は少ないと思いますが、単純に「遺跡いいな~」と思い始めまして。魚のは見ての通り化石です。化石って10000年以上経過して初めて化石になるわけで、ちょっと恐怖すら感じますよね(笑)。

このへんに興味をもったきっかけはあったんですか?

尾崎自分が知らないだけで、コレクタブルなものって世の中にいっぱいあるじゃないですか。「ブリム」に何度も通ってると、似たようなものがほかの店にもあったなということに気づくんです。そこから見比べるようになって、これは古いから高いんだとか分かっていく。そういうのを勉強しにいってる側面も実はあります。ミニカーもポストカードもそうですね。コレクションしていく価値があるんだって。もちろん直感的なかわいさで買ってるものも多いんですけど。

尾崎さんは集めたとしても、どこかにキレイに並べてるとは思えないんですが(笑)。

尾崎よくわかりましたね(笑)。袋に入ったままのやつもあります。ただ、さっきも言いましたけど、今度アトリエでシェーカーボックスとミニカーの展示をしようと思ってるので、そのときはビシっと。

その2つ、それぞれ好きな人はいるでしょうけど、2つとも好きって人はあまりいなそうですね。

尾崎ですね(笑)。ただ、塗装が剥がれてる感じとか、家にチョンって置いたら絵になると思うんですよ。「この人ミニカー集めてるんだ」じゃなくて、あくまでインテリアの一部として集めてる。だからそのくくりだったら2つはアリかなと(笑)。

なるほど(笑)。では次、平沢さんお願いします。

平沢はい。まずは、さっき言ってたアフリカの布です。自分用にもそうなんですが、お店用に20枚くらい買ってきて。日本でも売ってるところはありますけど圧倒的にうちが安いです(笑)!

上の布は草ビロードと呼ばれるアフリカ生まれの刺繍布。

平沢アフリカくくりの続きで、トゥアレグのネックレスですね。このへんをごっそり買ってやろうと意気込んでたんですけど、結局全然見つからなくて。

尾崎前回、我々が買い占めたんじゃないかっていうね(笑)。

どこでトゥアレグのものだってわかるんですか?

平沢彫り方でもわかりますけど、最終的に売ってるおじさんに聞きますね。「トゥアレグのものを全部見せて」って言って(笑)。

いちばんわかりやすいですもんね(笑)。

平沢間違いないです(笑)。

平沢そして次が布です。ソファにかけたりして使おうかなと。このへんってアメリカでもあまり安くないんですよ。

尾崎ひと昔前の、まだあまり流通してなかったときはもっと安かったですからね。たぶん、アフリカの人たちが「売れるじゃん」って気づいて、ローズボールとかに持ってくるようになったと思うんですけど。さらにインディゴだけは「ブリム」でも高いんです。ぼくを見て日本人ってわかると「インディゴあるぞ」みたいな感じになります(笑)。日本人がインディゴを欲しいってバレてるんですよね。

トゥアレグもバレてそうですよね。

平沢完全にそうだと思います。

尾崎トゥアレグは出どころがトゥアレグ族なんで、そこからアフリカの人に渡らなくなってきてるらしいです。すぐ欧米に流れていっちゃうという。これからもっと認知されていけば「ブリム」でも買えなくなるのかもしれませんね。

平沢ビーズ系は年代関係なく、単純にかわいいやつを買ってきました。

尾崎といっても、これは30年代とか40年代のものですね。随所随所にこういったのが置いてあるんです。

平沢大量にあればお店でも売りたかったんですけどね。値段も手頃でしたし。

平沢これは単純に自分が買ってうれしかったものですね。コンチョのベルトです。

大貫同じ店で俺が商品を買うからっていうんで、相乗りして安くしてもらったやつだね(笑)。

平沢その節はありがとうございました(笑)。

尾崎かっこいいよね。石もオニキスだし。

平沢レザーにコンチョがついてるものはけっこう見かけるんですけど、コンチョだけのベルトはなかなか日本では見かけないので。値段も交渉したら元値の3分の1くらいにしてくれました。

平沢で、これがカレッジフットボールのブレスレット。「ブリム」のなかで、1軒だけ野球に特化したブースがあるんですけど、野球以外のスポーツグッズも充実してて。

尾崎やっぱり「ブリム」を回ってると、なにかしらに目覚めていくんですよね。布だったり、アフリカだったり。

平沢ぼくは完全に布とアフリカに魅了されてましたね(笑)。

左がネイティブアメリカンで、右がシェーカーのカバン。

平沢こういうカバンも2つ買いました。

尾崎シェーカーのカバンは印伝みたいなつくりで、巾着っぽくなってるんですよね。

大貫かっこいいよね。

尾崎おっ、出たね、ナバホのザル。

平沢そうです。前回「ブリム」に行ったときにハマったんですけど、今回は結局1個しか買えませんでした。価値も高いんです。

尾崎ナバホのザルは高いよね。

平沢前回「ブリム」に行ったあと、ナバホのザルとカゴについて調べたんですけど、どっぷり好きになっちゃいました。

平沢最後がカレッジもののドリームペットですね。

尾崎これは違うかもしれないですけど、戦後ってこういうのを日本でつくってたんですよ。つくらされてたって言った方がいいのかな。復興のために日本に仕事を振ろうぜ、となったようです。日本人は手先が器用だからって。

平沢こういう雑貨についての知識がなかったんですけど、2人の影響を受けながら徐々に知識を増やしていってる最中です。でも、やっぱりみんな好みが微妙に違うんで、そこは自分なりのものを見つけていかなきゃなと。

みんなが同じものを欲しいってなるタイミングもあるかと思うんですけど、そのときはどうするんですか?

大貫財力ですね(笑)。

平沢財力だったんですか(笑)。ただ、ぼくは確実に最後ですね(笑)。

大貫なんだかんだ尾崎くんがいちばん優先だよね。

尾崎いやいや。結局、見つけたのが早い順ですかね。

そこは公平にって感じなんですね。では最後、大貫さんお願いします。

大貫まずインディアンジュエリーです。あげちゃったのも何点かあるんですけど。

そもそも、いつからインディアンジュエリーにはまってるんですか?

大貫10代からです。当時お世話になったバイクチームのボスが彫金をやってたんです。その流れでぼくもその工房に入り浸るようになって。それに拍車をかけたのが〈ウイング ロック(WING ROCK)〉というブランドをやってるリキさんです。古着の先輩たちがリキさんと仲が良くて、身近でリキさんの職人気質な部分を見て感銘を受けたんです。

なるほど。

非常にフォトジェニックなネイティブアメリカンの女性に接客をされる大貫さん。

大貫ここ数年、尾崎くんとよくアメリカに行くようになって、また再燃してきますね。「そうだ、俺がいちばん熱中してたのはこれだった」って。今回はインディアンジュエリーが目当てでした。あとはチマヨのラグですね。ぼくは古いのがいいとか、そういったこだわりがなくて、感覚的に物を選ぶようにしているんですが、それがたまたま価値のある物だったりします。

なるほど。

大貫フランスに「Harpo」ってインディアンジュエリー屋があるんですが、そのお店に置いてあるジュエリーは、フランス人の感覚でインディアンジュエリーを作ってるんです。けど、サイズが合ってある程度の値段であれば買いますね。

同じインディアンジュエリーでも、それぞれ趣向が違うと思うんですけど、どういうのが好みなんですか?

大貫弓とか矢とか、そういうモチーフが入ってるのが好きです。尾崎くんは卍とかが好きなんですけど、ぼくはちょっと違いますね。50年代のものとか、デザイン的にあまり装飾されてないものが好きです。

大貫(写真中央のバングル)これは尾崎くんが欲しそうにしてたんですけど、彼が机に戻した瞬間に買ってやりました(笑)。

これみたいにゴールドが混じってるものは珍しいですか?

尾崎多くはないけど、あるといえばありますよ。

大貫ゴールド混じりはシンプルなのが多いよね。

モチーフひとつひとつに意味があるんですよね。

大貫そうですね。

そこも勉強してたりするんですか?

大貫しようかなと思ってる途中です!

尾崎(笑)。

(笑)。ということは、いまは理屈抜きで好きってことですよね?

大貫そうですね。さっきも言ったように年代とかも気にしてないですし。

じゃあ何族のものが好きとかはありますか?

大貫そこはやっぱりナバホですかね。

平沢ぼくはホピとかズニに惹かれます。

尾崎平沢くんはちょっとかわいいのが好きなんですよ。

平沢ぼくはこう、ゴリゴリになっちゃうのがちょっと。そもそもあまり持ってないですし、まだ入口の方なので、そういう趣向なのかもしれないですね。あと、値段もナバホのものに比べるとかわいいので(笑)。

大貫まあそこは徐々にね。

大貫50年代のホピの壁掛けです。

(背面の値段を見て)500ドルですか!?

大貫まあ半額くらいにはなったんですけど。

平沢やっぱり色の使い方がかわいいですよね。

さっき話に出た卍モチーフはナバホ族のものなんですか?

尾崎さんが中指にはめているのが、卍モチーフのリング

尾崎そうです。ナバホのものです。本来卍はLuck、Love、Light、Lifeの4つのLを掛け合わせたものなんです。でも40年代にナチスのシンボルになっちゃって、アメリカ政府から卍モチーフの禁止令が出たわけです。だから、卍を使ってるナバホのものは40年代までのものしかないという。そりゃコレクタブルになりますよね。卍モチーフがついてるだけで、値段が跳ね上がっちゃうので。

簡単に見つかるものですか?

尾崎アメリカの店によっては、奥に隠してる店もありますね。今回はあえて指輪をはめていったんですけど、それを見たディーラーが「あるよ」みたいな感じで裏から出してきてくれたり。さすがにニューヨークでは外してましたけど。

その歴史を知らない人が見ちゃうと、いろいろ問題が起きそうですしね。

大貫ナバホ族のベルトです。さっきのバングルとかもそうなんですけど、同じターコイズでも好きな色があるんですよ。ぼくはドライクリーク、別名バッファローターコイズの淡い水色が好みなんです。

ターコイズとひと言で言っても、まったく違うわけですね。

尾崎石の種類が微妙に違うんですよね。

大貫古いやつはだいたい濃いですね。いまみたいにはっきりした色じゃなくて、くすんでる感じ。下のベルトについてるターコイズの留め具は、店によってはそれだけで30万くらいするんです。

尾崎やっぱりアメリカ以外の国だと神格化されてる部分がありますね。現地に行くと、というか「ブリム」はわりと仕入れ値に近い価格で売られてると思います。

大貫そうだね、極端に安いもんね。

大貫そして大物を。

尾崎これは今回ぼくらが買ったなかで、いちばんやばいやつですね。

解説をお願いできますか?

尾崎ナバホ族の20年代の織物です。

大貫単純に色味と状態で選びました。本当にいいと思えるラグが欲しかったんです。これはめちゃくちゃ気に入ってますね。

尾崎細かいことを言うと織り手もいいです。柄がめちゃくちゃきれいに出てるんですよ。素晴らしい一品ですね。

大貫このへんはドールくくりですね。

こういうクラフトも買ったりされるんですね。

大貫やっぱりビーズものは惹かれますね。左の人形は怖いんですけどね(笑)。

大貫そしてこれが“伝説の”弓矢です(笑)。最初、矢だけ買おうとしたんですけど「弓もセットだぞ」って言われて「マジで!?」みたいな。どうやらこれも40年代のものらしく、飛行機で気合いで持って帰ってきました。

大貫次の展示会では的を設置して、みんなに打たせようかなって(笑)。けっこうしっかり飛ぶんですよ。

大貫最後に19世紀のインディアンスーツです。サウスインディアンのものらしいと、パリで出会った先住民が言ってました。

一見して、ものから放たれるオーラが半端じゃないですね。

というわけで、みなさんが買ったものの一部を見せていただきました。こうしてひとつひとつ見ると、すごくかわいいなと思うんですが、これを多くのもののなかから見つけ出すのは、ある程度の審美眼が必要になってきそうですね。ちなみにこうして買ったものをどこかで売ったりはしないんですか?

大貫基本的にはしません。なので増えるばっかりです。なにも考えずとりあえず買ってます(笑)。

尾崎お金がなくなるかどうかも考えてないもんね(笑)。

大貫考えてない。足りなくなったら尾崎くんに借りる(笑)。

尾崎(笑)。余談ですけど、現地で買ったやつはすぐ着るっていう儀式があって。そうすることで段々服装が濃くなってくっていう(笑)。それもひとつの楽しみですね。

平沢まったく引かない足しまくりのファッションになるのが、すごく楽しいんですよ。引き算ゼロ!

大貫海外ってことでテンションも上がってるしね。

平沢ぼくなんて去年と格好が全然違うんですよ。帰ってきてからも「ブリム」が抜けなくて。

尾崎自分のファッション感まで変えてしまう「ブリム」はやっぱりすごいですね。

お店にも影響があるんじゃないですか?

平沢まぁ、お店でやってることは足し算ではないので、そこはバランスをとりつつ。でもプライベートの格好はどんどん濃くなってますね。お二人の影響もかなりあるんですけど。

尾崎達正さんから悪影響受けてるよね(笑)。

平沢会社で「今日の格好おかしいぞ」って何度もなりまして、お店に立つときは気をつけてます(笑)。あとお二人の買い物は見てて楽しいですね。なにを買うかでは迷うけど、買うか買わないかで迷うことはない。気持ちいいんです(笑)。触発されてぼくもついつい財布の紐がゆるんじゃって。

お二人の買いっぷりは恐ろしいですもんね(笑)。

尾崎まじめな話をすると、ものをつくる我々からすると、それらは資源なんです。見て記憶するよりも、実際に手元にあるほうがいい。色とか肌触りとか、得られるものはたくさんあります。

大貫でも、尾崎くんがシェーカーボックス見つけたらとにかく長いですね。ぼくは興味ないから「先行ってるわー」って。

尾崎いやいや、店員さんが接客中だったり、クレジットカードのリーダーがなかったりするわけですよ。

クレジットカードが使えないとこもあるんですか?

平沢カードだと値切り額が悪くなるとかはありますね。

大貫そうだね。現金だとガッと下がるもんね。

尾崎あと消費税をつけてくる人も多いですね。だから、もし行くなら現金がオススメです。

大貫でも、ぼくなんて持っていった現金が初日になくなりました…(笑)。

(笑)。みなさん、次に行きたい場所とかありますか?

平沢ぼくはアフリカに行きたいです。というか先住民の民芸品を見に行きたいです。あと、ローズボールは行ったことがないんで、いつか行ってみたいですね。

世界中いろいろなところに行っている尾崎さんはどこで情報を得てるんですか?

尾崎ひとつはSNSですね。マーファはSNSで繋がりました。その流れでテキサスのオースティンもおもしろそうだなと。あとはもう現場に行って、その人たちがどこで店をやってるかとか探ったりします。ぼくはフォークロアが好きなので、不思議な文化が根付いてる場所が好きなんですよ。博物館に行ったりしてこの地域は暑いからこうなってるとか、川が近くにあるからこうなってるとか、そういう発見をして実際に行くという、その繰り返しですね。

逆に定期的に行ってる場所はありますか?

尾崎マーファには毎年行ってますね。落ち着くし、田舎なのに文化がちゃんとある。いい街ですよね。

大貫いいよね。俺もまた絶対行きたいな。

大貫さんはどこかありますか?

大貫ぼくは近いうちサンタフェに行きます。

それはジュエリーの買い付けとかですか?

大貫まぁそれもありますけど、ちょっと、ここでは言えない話もあったりして…。

その話も気になりますが、本日はありがとうございました! 次回の報告も楽しみにしてます!

Brimfield Antique Show

www.brimfieldshow.com/
※年に3回の開催で、2018年は5月8日(火)〜13日(日)、7月10日(火)〜15日(日)、9月4日(火)〜9日(日)。

侘びなミニカーと寂びた木箱の展示

会期:8月3日(金)〜5(日)
場所:アトリエ・サンカッケー
住所:東京都渋谷区渋谷1-3-18 ビラモデルナA-705
時間:12:00〜20:00

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