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佐藤慎介が思い描く物事との理想の距離。

NO COFFEE in JOURNAL STANDARD.

佐藤慎介が思い描く物事との理想の距離。

2015年に福岡でオープンして、瞬く間に人気コーヒー店としての地位を獲得した「ノーコーヒー(NO COFFEE)」が、「ジャーナル スタンダード(JOURNAL STANDARD)」とコラボレート。“カラダ以外は縛られたくない”でおなじみの「きっこうちゃん」や、LAを拠点に活動するアーティスト「MR44」といったゲストを迎えたグッズ類をリリースしました。それを記念して1日限定のポップアップ・ショップが「ジャーナル スタンダード 表参道」に出現。オーナーである佐藤慎介さんが店頭に立ち、コーヒーを振舞いながら接客にあたりました。東京には台風が押し寄せていたにも関わらず、当日のイベントは大盛況のうちに終幕。マイペースな活動を行いながらも、着実にファンを増やし続ける「ノーコーヒー」の人気の秘密とは? 佐藤さんの頭のなかにあるものを探りました。

  • Photo_Shinji Serizawa
  • Edit_Yuichiro Tsuji
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今回もヒットの予感。求心力のあるコラボレート。

2015年にオープンして間も無く、福岡を代表するコーヒー店のひとつとして躍り出た「ノーコーヒー」。今回「ジャーナル スタンダード」の手引きにより、「ノーコーヒー」が中心となったコラボレートアイテムがリリースされました。

〈NO COFFEE × MR44〉Tシャツ 各¥5,000+TAX、〈NO COFFEE × きっこうちゃん〉Tシャツ 各¥5,000+TAX

〈NO COFFEE × MR44〉ロングスリーブTシャツ 各¥6,000+TAX

〈NO COFFEE × MR44〉キャップ 各¥4,800+TAX、キーホルダー 各¥1,000+TAX、〈NO COFFEE × きっこうちゃん〉キャップ 各¥3,500+TAX

〈NO COFFEE × MR44〉マグカップ 各¥1,800+TAX(サックスは「ジャーナル スタンダード」、ピンクは「ノーコーヒー」のみで販売)、〈NO COFFEE × きっこうちゃん〉マグカップ 各¥1,800+TAX (ホワイトは「ジャーナル スタンダード」、ブラックは「ノーコーヒー」のみで販売)

〈NO COFFEE × きっこうちゃん〉トートバッグ 各¥3,000+TAX、〈NO COFFEE × MR44〉トートバッグ 各¥3,000+TAX

今回のコラボアイテムでは、フイナムのこちらの記事でも取り上げ、「ジャーナル スタンダード」とも親密な関係を築き上げるキャラクター「きっこうちゃん」に加え、ロサンゼルスを拠点に独自の活動を行うグラフィティアーティスト「MR 44」をフィーチャー。きっこうちゃんの愛くるしさ、そして、ストリート色全開のMR 44のグラフィティを贅沢に使用したアイテムの数々は、「NO COFFEE」というシンプルで頭に残るフレーズの力と相まって、思わず手に取りたくなる魔力を秘めています。

先日、そのローンチを記念して、「ノーコーヒー」のオーナーである佐藤慎介さんが「ジャーナル スタンダード 表参道」に訪れ、1日店頭に立つというイベントも行われました。この日、東京には台風の予報があったにも関わらず、開店と同時に多くのお客さんが来店。「ノーコーヒー」のファンの方々も大勢駆けつけ、大盛況のうちに幕を閉じました。

福岡を拠点としながらも、全国区の知名度を誇る「ノーコーヒー」。その人気の秘訣を佐藤さんに伺いました。

佐藤慎介 / NO COFFEE オーナー

東京にて玩具メーカー、アパレルメーカーでの勤務を経験したのちに独立。福岡へ移住し、2015年、平尾に「NO COFFEE」をオープン。コーヒーを軸に運営を行う一方で、ショップオリジナルのグッズ類も展開。アーティストのKYNEや、俳優・村上淳さんが手がけるブランド〈SHANTii〉など、業種にとらわれることなく、多方面の人々と積極的にコラボレートも行う。

東京にお店を出すという具体的なイメージが湧かなかった。

佐藤さんがコーヒーを好きになったきっかけを教えてください。

佐藤学生のときにコーヒーショップでバイトをしていたんです。飲食で接客の仕事がしたかったんですけど、居酒屋はイヤだったから、コーヒーのお店に決めて(笑)。それで働いているうちにコーヒーが好きになったんです。いろんなコーヒー屋さんへ行ったりとか、自分で豆を買って試したりもしていましたね。

とはいえ、「ノーコーヒー」をオープンさせたのはそれよりもずっと後のことですよね。玩具メーカーとアパレルメーカーでの仕事を経て、2015年に。

佐藤自分のお店を持ちたいっていう気持ちは全然なくて。ただ単に嗜好品としてコーヒーを楽しんでいました。

それがどうして独立してお店をオープンすることになったんですか?

佐藤玩具メーカーでも、アパレルのほうでも、社長の補佐みたいな役割をいただいていたんです。そんな中で仕事をしていると、やはり、いろんな企業の重役の方々にお会いする機会に恵まれて。そんな方々とお話をして、成功例だったり、上手に物事を運ぶ方法などを聞いていると、独立するのもおもしろそうだなと思うようになったんですよ。

佐藤それで何をやろうか、と考えたときに、思い浮かんだのがコーヒー屋でした。とはいえ、普通のコーヒー屋をやってもおもしろくないし、ぼくよりも豊富な知識を持っている人はたくさんいたので、コーヒーとなにかもうひとつ軸があるといいなと思ってグッズにも力を入れることにしたんです。他にそういったお店はなかったし、中途半端ではなくて、しっかりと物作りをすればお客さんも納得してくれるだろうと思って。

それが2015年のことですね。

佐藤インスタグラムを中心にSNSが盛り上がっていたし、それを利用すればうまいことやれるんじゃないかなという考えもありました。アパレルメーカーにいたので、その効果を肌で感じていたんです。

福岡でやろうと思ったのはどうしてなんですか?

佐藤ぼくの妻が福岡出身で、個人のお店がたくさんあるし、妻の知り合いに相談することもできたので、話をしているうちにすごく可能性を感じたんです。正直、東京は具体的なイメージが湧きませんでしたね。単純にお金がかかりますし、個人でお店を出すには街の規模が大きすぎる。だから福岡でやろう、と。

よくあるフレーズだけど、フィットするワードはなかなかない。

いままでにないお店をつくるためにコーヒーとグッズの2軸でやっていこうと仰っていましたが、グッズ製作に関してははじめからアイデアがあったんですか?

佐藤「NO COFFEE」というお店の名前を落とし込むのはいいアイデアなんじゃないか、という漠然な思いはありました。すごく語呂がいいし、シンプルで親しみやすいかなと。コアなものを作るつもりはあまりなくて、どちらかというと、自分が見える範囲で広く親しまれたほうがいいなと思ったんです。

「NO COFFEE, NO LIFE」という言葉を思い付いて、そこから「NO COFFEE」と名付けたんですよね。

佐藤そうですね。よくあるフレーズだと思うんですが、考えてみると、それに合うワードってなかなかないんですよ。「NO WATER, NO LIFE」って当たり前すぎるし、「NO TEA, NO LIFE」っていうのもあんまりパッとしない。だから「NO COFFEE, NO LIFE」ってなんか特別な感じがして、この言葉を使ったらうまくいく予感はなんとなくしていました。

グッズのデザインなども佐藤さんご自身でやられているんですか?

佐藤ぼくはデザインはできないので、アイデアを出して、それをデザイナーに依頼する形でつくってます。すごく長い付き合いのデザイナーがいるんです。だから意思疎通がしやすいし、ぼくの想像を超えたデザインをあげてくれる。だから、こうしていま滞りなく営業ができているのも、そうした支えがあるからだと思いますね。

お互いのメリットを考えてこそコラボレートが成立。

「ノーコーヒー」は積極的にコラボレートもされていますよね。

佐藤コラボって、すごく大きな力を得られるものだと思うんです。ただ、それは両者が得をするやり方をしないと成立しないと思っていて。

片方だけがいい思いをするのではダメだと。

佐藤そうですね。お互いにとってメリットがあってこそコラボレートだと思うんです。だから、はじめはコラボレートしたい相手がいても、我慢していました。まだまだ力不足だと思ったので。

そういった意味では今回の「ジャーナル スタンダード」とのコラボレートも、いい相乗効果を生んでいますね。

佐藤やっぱり一緒にやるならば、両者の色が濃くでるものがいいじゃないですか。今回もそれがうまくいったんじゃないかと思います。

マグカップは、「ジャーナル スタンダード」と「ノーコーヒー」で、それぞれのお店でしか購入できない限定カラーもつくられていますね。

佐藤“限定”というのが好きなんです(笑)。制約があると、どうしても手に入れたいっていう気持ちが生まれますし。とはいえ、リスクも当然あるんです。売れ残ったら格好がつかないし、ブランドの信用も失う。なので、勢いだけではできない部分もあります。

コラボレートは基本的に佐藤さんのほうから持ちかけるんですか?

佐藤ケース・バイ・ケースですね。お声がけいただくこともあります。オープンしたての頃はアーティストのKYNEさんと一緒にやらせてもらったんです。たまたまお店の上に事務所を構えていて、そういった縁があってやらせてもらうこともありますね。

いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのアーティストですね。

佐藤当時から人気がありましたが、タイミングがよかったのかもしれません。

今日はお店に俳優の村上淳さんもいらしていました。最近は村上さんが手がける〈シャンティ〉ともコラボレートされていましたよね。

佐藤福岡にユニオンソーダというイベントスペースがあるんですけど、そのこけら落としのときに村上さんがDJとして出演されたんです。そのときに知り合って、翌日にお店に来てくれたんです。それ以来仲良くさせていただいています。人との縁があって成立するコラボレートもあるんです。

福岡にきて表情が穏やかになったと言われる。

やはり福岡で生まれるネットワークのようなものがあるんですね。

佐藤そうですね。福岡にはいろんなジャンルの方々がいて、東京のように大きな都市ではないので人と人がすぐに繋がることができます。

大きくはないからこその利点を活かしていると。

佐藤福岡の人たちはとくに地元に対する愛が強いなと、こちらにきて感じました。地場に対する愛着もあるので、お店にこられるお客さんがKYNEさんのグラフィックや、「プラセール」の内田さんのカリグラフィーがプリントされたTシャツを着ていることも多々あるんです。他の都市ではなかなか見れない光景だと思います。

それだけ実力のあるクリエイターがいらっしゃるということでもありますね。

佐藤あとはアジア圏の国々との距離が近いというメリットもあります。韓国や台湾からいらしたお客さんもすごく多いんです。東京へ行くよりも、福岡のほうがアクセスしやすくて便利みたいですね。

物価も安くて、おいしいものもたくさんあるというのも魅力的です。

佐藤「最近、福岡が盛り上がってますね」という声をたくさん聞くんです。自分がその場所にいるとなかなか見えづらい部分もあるんですが、やはりいま話したようなことが要因なのではないかと思っています。

福岡に移住されて、気づいたことであったり、変化したことはありますか?

佐藤やっぱり、圧倒的に住みやすいです。それに人も暖かい。だから人間らしい生活ができているなぁ、と(笑)。振り返ってみると、東京にいたときは常に急いでいるような感覚がありました。でも福岡は時間の流れがスロウだし、自分をゆっくり見つめなおせる。こちらに来て、表情が穏やかになったってよく言われます。それはやっぱり環境のちがいがそうさせてるんじゃないかと思いますね。

最後に、今後の「ノーコーヒー」の目標を教えてください。

佐藤来年の春に福岡にもう1店舗お店を出すので、その準備をいま進めているところです。あとは近い将来、海外に向けて動いていきたいと考えています。まずはアジアから。韓国、台湾、香港を視野に入れています。日本のカルチャーに興味がある人が多いと思うので、より深く繋がっていけたらと思っています。

JOURNAL STANDARD 表参道

JOURNAL STANDARD 表参道
住所:東京都渋谷区神宮前6-7-1
電話:03-6418-7961
営業:11:00~20:00(不定休)
Instagram:@jounalstandard.jp
journal-standard.jp/

NO COFFEE

住所:福岡県福岡市中央区平尾3-17-12
電話:092-791-4515
営業:火~金 12:00~19:00 / 土日祝 10:00~18:00
(月曜と第二・第四火曜は定休)
Instagram:@NOCOFFEE
nocoffee.net/

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