都会の喧騒から離れた、豊かな自然の中で繰り広げられる野外フェス。
昨年は長野県北軽井沢で開催された「THE CAMP BOOK」。第2回目となる今年は日本有数のスキー場として知られている新潟県越後湯沢にある「神立高原スキー場」に会場を変更をしました。前回に比べてアクセスが格段に良くなった今回は、開場前からたくさんの来場者が並ぶ姿を見ることができました。
広大な自然の中で繰り広げられる「THE CAMP BOOK」は、アーティストステージや様々な物販やフードブースをはじめ、テントスペースも設置。多くのキャンパーたちが自慢のギアやグッズを持ち込み、それぞれのフェスを楽しんでいる姿が印象的でした。都会の喧騒から離れて、ゆったりとした時間を過ごすのもキャンプフェスならでは。
横浜のフラワーショップ「The Bulb Book」による木々を使用した装飾。
開催地・新潟で話題の絶品グルメを取り扱うフードブースの数々。
大自然に寄り添うようなクラフト感のあるステージやサインボード、作り込まれたブースからこのフェスの温かみを感じ取ることができます。商業的なフェスが増えているのと反比例するように、「THE CAMP BOOK」のような類のピースフルなフェスが減ってきているのが現状です。こういった希少なイベントを存続させていくのも、我々ユーザーの役目なのかもしれません。
チャムスのブースでは、ロープとコードロックを使用したブレスレット作りができる体験コーナーも。
人気ブランドのショップブースやアーティストグッズを販売するストアには長蛇の列が。
広大な原っぱには、一休みできるハンモックエリアが設けられ、多くの人々がくつろいでいました。
ペダルが付いていないバランスクルーザーによるタイムトライアル大会を開催。
プロスケーターのアレキサンダー・リー・ちゃんさんたちによるスケートボード講習。
Tシャツをはじめとした「THE CAMP BOOK」オリジナルグッズの販売も。
新潟県越後湯沢にある欧風レストラン「ビトロー」ブースでは、ジューシーなステーキ丼が人気でした。
アーティストのハシヅメユウヤさんが開発した似顔絵販売機「ヘンナーベンダー」も今年から参戦。
「青果ミコト屋」の絶品タイ風焼きそば「パッタイ」。
会場内にはテントサウナを設置。大自然の中で汗を流すのは格別です。
「THE CAMP BOOK」は多種多様なブースも魅力的です。“Be-In CAMPUS=共に学び・共に遊ぼう”というコンセプトのもと、「ジャーナルスタンダード(JOURNAL STANDARD)」や〈チャムス(CHUMS)〉、「fridge SETAGAYA」、「WED STORE」などの人気のブランド・ショップがラインナップ。そのほかにも、アクティビティ体験やラジコンレース、テントサウナ、クライミングといった音楽以外のコンテンツも充実しています。また、親子で探検をしながらポイントを競い合う体験型イベントや話題のイラストレーター、ハシヅメユウヤによるユニークな似顔絵が楽しめる「ヘンナーベンダー 人力顔面絵描販売機」なども加わり、ファミリーでフェスを楽しむこともできるんです。
ジャンルレスなアーティストが奏でるグッドミュージックを総括。
昨年よりもステージが1つプラスされ、3つのステージで行われた今回。総勢24組のアーティストの中から厳選した、圧巻のライブをプレイバックしていきます。
山梨発のラッパー、田我流とビートメイカーのMAHBIEによるユニット。フェスにふさわしいアップテンポな楽曲からメロウなサウンドまでを網羅。日本人としてのマインドや世間に対しての問題提起を、力強いリリックとして吐き出す姿に魅了されました。
今年で30周年を迎えたeastern youthは、エモーショナルかつ文学的要素を加えた楽曲で会場を沸かせました。ヴォーカルの吉野寿が掻き鳴らすギター、ドラムによる気迫のこもった轟音、ベースの重厚なサウンド。日本のパンクロックの真髄を垣間見ることが出来ました。
この日、来場者が一番湧いたであろうトミー・ゲレロによるバンドセット。大自然に身をまかせるようにリラックスした状態でギターを弾く姿が印象的でした。ストリートで磨かれたオリジナリティ溢れるサウンドは独特の世界観を構築していました。
フイナムでもおなじみのオルガンインストゥルメンタルバンド・YOUR SONG IS GOOD。ハイブリッドなダンスミュージックや南国を連想させるトロピカルなサウンドが夏の夜と絶妙にマッチ。様々な角度から繰り出される至高の音楽はこのバンドだからこそなし得るのではないでしょうか。
今回から「TCB DISCO」と題したナイトイベントもスタート。DJ NORIとMUROによるスペシャルユニット、CAPTAIN VINYLが至極のDJセットを披露。レコードオンリーで奏でる音楽は幅広く、コアなファンも満足できるプレイを我々にみせてくれました。
電気グルーヴのサウンド担当である石野卓球によるソロ。ディスコやハウス、ブレイクビーツ、デトロイトテクノなど多様な音を駆使し、会場のボルテージを最高潮に。
二日目の朝は坂本美雨のやさしい歌声で始まりました。アレンジにはエレクトロニカやアンビエント音楽を手掛けるharuka nakamuraを起用。荘厳なコーラスと静謐な音楽のハーモニーが会場全体を包み込みました。
妖艶な佇まいと魅惑のハスキーボイスで聴衆を魅了した夏木マリ。時には鋭く、時にはしなやかに歌い上げるロックミュージックや歌謡曲にオーディエンスはグッと引き込まれていました。
向井秀徳は優しい音色から荒々しいノイズサウンドまでをギター一本で表現。ライブならではの鬼気迫るような楽曲の数々から、最後に披露したYUIのカバー曲「CHE.R.RY」を歌い上げるまで一つのストーリーになっているように感じました。