去りゆく夏。そして8月は終戦の月。あらゆるメディアで先の戦争に関連するコンテンツが活気づく季節だ。この時期になるとやはり命のことを考えさせられる。不本意に、あるいは不条理に奪われた多くの命。
その戦争の犠牲の上に成り立つ今日の平和。ただ毎日を茫洋に過ごすのではなく、大切に生きなければならないとは思う、がなかなかそうはいかない。
どんな人生を過ごすか。
言い換えれば、250万部を超えたベストセラーのタイトルそのまんま。
こう問われるとなかなかぼんやりとしていて、コペルくんでなくても返答に困る。すこし問いが大きすぎるのかもね。
しかしこうした根源的な哲学を各自個人は持ったほうがいい。スマホを切って、バスの旅などをしながらそんなことをぼんやり思索するというのもいいかもしれない。
ライフスタイルマガジンを標榜するわが媒体としては、そうした問いに答えられるヒントのような内容にもフォーカスした特集をしたほうがいいかとは思うが、やはりより具体的な方がやりやすい。
そう。どんな暮らしをしたいか。
こっちの方が、得意なフィールドかもしれない。
環境に配慮した暮らし。キャンピングカーで移動しながらの暮らし。いい波を追いかけて世界を旅する暮らし。ツリーハウスでの暮らし。いろいろある。
誰でも憧れる暮らしというものがあるだろう。実現が難しいからこそ憧れでもある。
自分の場合も、若い頃から目標にしているスタイルがある。
一年中、はだしで過ごしたい。
靴下が不要な年中温暖な地での生活だ。
赤道近くの、衛生面でトラブルのない都市と自然が近い街ということになるのだろうか。一年中ビーサンで過ごしたい。
元が冷え性ということも関連するかもしれないが、寒いところは本当に苦手。昨日もオンデマンドでジョン・クラカワー原作の『エベレスト』を再度観たが、あんな極寒の極限状態を想像するだけで恐怖である。個人的にはある種のホラー映画ともいえる。この恐怖症、英語でいうと「cheimaphobia」というらしい。どう発音するんだろう。
観おわったあと、短パン、Tシャツでやや涼しくなった8月の東京の街を歩く。もうすっかり秋の匂いがする。
やや重みのある〈アイランドスリッパ〉の足どりも軽やかである。