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FEATURE|デンハムの真実は細部に宿る。

デンハムの真実は細部に宿る。

DENHAM THE JEANMAKER

デンハムの真実は細部に宿る。

オランダ・アムステルダムのジーンメーカー〈デンハム(DENHAM)〉が創業して10年という節目の年を迎えた。プレミアムデニムに一服感が漂うなか、〈デンハム〉のファンは増えこそすれ減ることはない──。「デンハム・ジャパン」の社長、根岸洋明さんが〈デンハム〉と浅からぬ関係にある人々をお迎えし、その秘密を探る対談企画の第一回はメンズファッション誌『オーシャンズ』の編集長、太田祐二さんです。

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根岸洋明

デンハム・ジャパン取締役社長。1972年生まれ。大学卒業後、ファッション企業でさまざまな業種に携わり、その後、グラムール セールスの立ち上げメンバーとしてCOOを務める。2011年にデンハム ザ ジーンメーカー ジャパン代表取締役社長に就任。14年からデンハム本国のブランドディレクターとしても活躍。

太田祐二

雑誌『オーシャンズ』編集長。1972年生まれ。大学卒業後、タイヤメーカーに入社。海外部の営業として働いたのち、編集の世界へ。2001年、『レオン』に創刊メンバーとして参画し、2006年に『オーシャンズ』へ移籍。2008年より現職。

渋カジ世代を唸らせたデンハム。

まずは太田さんが〈デンハム〉にたどり着くまでのファッション遍歴をお聞かせいただけますか。

太田兄の『ポパイ』を盗み見たのが第一歩。小五か小六のことでした。渋カジ世代ど真ん中のぼくはそれからほどなくデニムの魅力に開眼。ファースト・デニムは中二のときに買った〈リーバイス®〉。いろんなデニムを穿いてきましたが、ワードローブに残ったのは専業のブランドばかり。そんなぼくがいまもっともヘビロテしているのが〈デンハム〉です。

写真は〈デンハム〉のオーナー、ジェイソン・デンハム。

雑誌『オーシャンズ』では常連のブランドですし、つい最近までオーナーのジェイソン・デンハムさんの連載もありました。そこまで惹かれたのはなぜですか。

太田もうね、デニムにかける思いがすごい。“THE TRUTH IS IN THE DETAILS”。ブランドが掲げるこのメッセージに集約されていると思いますが、生地、縫製、構造…細部にわたるこだわりは常軌を逸しています。最たるものが、ダーツ。

根岸それまでデニム(5ポケット)にはもう新たなデザインは生まれないっていわれていました。ジェイソンはサンクチュアリに足を踏み入れて、いともたやすく自分だけのデザインを創造してみせた。〈ジョー ケイスリー ヘイフォード〉のもとで裁断の腕を磨いてきた男だけあります。

太田ダーツを入れることで格段にシルエットが美しくなった。とりわけバックスタイルには惚れ惚れしますよ。

根岸手前味噌ながら、こんな真面目なものづくりをしているところはそうはないと思います。これは2012年から続いているスリムフィットの定番で「レイザー」っていうんだけれど、例えば、ほつれた箇所のステッチを見てください。リアルでしょ。ジェイソンは糸の本数、角度までヴィンテージを忠実に再現しているんです。

2012年春夏シーズンから続くスリムフィットの定番「レイザー」。デニムの製造からフィニッシュまで、そのすべての工程が日本で行われる。太田さんも評価するとおりダメージ加工のリアルっぷりは一見の価値がある。¥66,000+TAX

太田色の落とし方もそう。このメリハリは圧巻の一言。黄ジミもいい具合です。実は〈デンハム〉にはダメージ加工のスペシャリストがいるんです。香港に暮らす吉川さんという、数々のブランドのデニムを手掛けてきた方で、ジェイソンとは20年来の付き合いとか。

ジェイソンは非常に日本的な男。勉強熱心です。アムステルダムの本社を取材させてもらったこともあるけれど、アトリエには膨大な数のヴィンテージがあり、日本のファッション誌がずらりと揃っていた。お客さんがエイジングの見事なデニムを穿いていれば新品と交換してくれと商売そっちのけで口説く(笑)。

根岸ジェイソンにこう言われたことがあります。「ぼくは見た目はヨーロッパ人だけれど、中身は日本人だ。お前は見た目は日本人だけど、中身はヨーロッパ人だな」って(笑)。

代官山店の売り上げを4倍に伸ばした男。

根岸さんが関わるようになってから、大きく売り上げが伸びたと聞きました。ずっとファッション畑を歩んできて、デニム・ブランドに携わったこともあるけれど、叩き上げの糸偏の人というわけではない。にも関わらず、1年経たずに売り上げを4倍に伸ばした、と。

根岸取っ掛かりは「デンハム代官山店」の売り上げを伸ばしたいと相談されたこと。そのためには鍵が必要だと言ったら渡してくれたから。それが始まりです。

とにかく店の外に立って道行く人と触れ合いました。興味を持った人がいれば会話の糸口を探しましたね。別に特効薬のようなものがあったわけではありません。

代官山店は〈デンハム〉が本国のアムステルダムに続いてオープンした世界二号店だ。オーナーのジェイソン・デンハムはデニムを通して日本に出会い、日本はもっとも大切な国になった。

商売の神様が喜びそうな、地道で真っ当なスタイルですね。そうしていまや5万円オーバーのデニムを世界でもっとも売る男とヨーロッパ業界でいわれるまでに。

太田で、そんな流れで始まったのがハンドウォッシュサービス。店の外を見てください。今日もスタッフが洗っているでしょ。そんなこと、それまでどこもやったことがなかった。これぞ鰻屋の軒先ですよね。通りすがりの人が興味を抱いて店に入ってくるんです。根岸さんは手がかじかむ冬の日も今日のような炎天下の日も休まずに洗い続けた。デニムへの愛を感じます。さすがに最近は売り場に立つ機会も減ったようですが、店舗パトロールはいまも日課だそうです。とことん現場主義なんですよね。

店先で行われる無料のウォッシュ・サービス。洗濯板がわりになっている道路は何年間も洗剤にさらされて白っ茶けている。コンスタントに日々3〜4本が持ち込まれるが、この週末は15本を数えたという。

根岸アムスとの仕事は夕方からだから、昼は店に行く時間をつくれるんですよ。

そういう根岸さんの熱は隅々にまで行き渡っていますね。(店の外を指差して)あのギャラリー、デンハム ・ジャパンのスタッフだそうですね。ほとんど総出でこの対談を聞きに来ているとか。

太田ものづくりのこだわりを語り出したらキリがないブランドです。みなそれに応えられるだけの知識もアツい想いも持っています。

根岸インスピレーションで気に入って穿いてもらうのが一番ですからね。

太田〈デンハム〉はすべてにおいてバランス感覚に優れたブランドであり、自己満デニムの対極にあるブランド。そしてそれなりに高いけれど、それだけの満足感が得られるブランドです。

デンハム・ジャパン

電話:03-3496-1086
www.denhamjapan.jp

デンハム 代官山店

住所:東京都渋谷区猿楽町25-8
営業:12:00〜20:00
電話:03-3463-2258

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