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日本の冬を席巻する、カナダグースの真価。Vol.1 鈴木康広。

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日本の冬を席巻する、カナダグースの真価。Vol.1 鈴木康広。

冬を迎えるたびファンを増やし続ける〈カナダグース(CANADA GOOSE)〉。1957年から現在までカナダでの生産を貫き、細微な手仕事でつくられるダウンは冬の風物詩になりつつあります。でも、なぜこんなに多様な選択肢があるなかで、圧倒的な支持を得ているのか。なぜそこまで消費者の購買意欲をくすぐるのか。そのブランドの求心力の根源を探るため〈カナダグース〉の識者に問う3回連載。Vol.1は「ロンハーマン(Ron Herman)」のメンズディレクター・鈴木康広さん。たしかな審美眼でモノを見極め続ける鈴木さんの目に〈カナダグース〉はどう映っているのか。自身も1990年代から愛用するという「グースピープル」の見解はいかに。

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鈴木康広

セレクトショップ「ロンハーマン」商品部部長 兼メンズディレクター。ニューヨークへの留学後、ブランドのMD、出版社勤務を経て、2010年から「ロンハーマン」にてその手腕をふるっている。趣味はアウトドア全般。

つまるところ、カナダグースのよさは暖かさと信頼。

まず、鈴木さんが最初に〈カナダグース〉と出合ったときのことを教えていただけますか?

鈴木90年代に服の勉強をするためニューヨークに住んでいたんですけど、冬のニューヨークってとにかく寒くて、ファッションどころじゃなかったんです。そしてある日「パラゴンスポーツ」というショップに行ったんですが、そのときに店員さんが「これはマイナス25℃まで大丈夫だから」とおすすめしてくれたのが〈カナダグース〉だったんです。そこが初対面でした。実際に着てみると本当に暖かくって、インナーはTシャツ1枚でも。それからはニューヨークの冬も、まったく寒い思いをせず過ごせましたね。

現在もユーザーだそうですが、どのモデルを着用されているんでしょうか。

鈴木よく着るのは「スノーマントラ パーカ」というモデルで、いつも車に積んであります。ぼくはアウトドアで遊ぶことも多いんですが、冬のキャンプでも雪山でも、どれだけ寒くたって、これ1枚持っていれば安心なんです。それくらい暖かい。一方で、ワンマイルウェアというか、散歩着的な使い方をすることもあります。海の近くに住んでいるんですけど、冬はそれをサッと羽織って出かけてますね。あれだけのスペックのものラフに着るというのも、個人的にはかっこいいかなと思っていて。

着用する機会が多いという「スノーマントラ パーカ」は、〈カナダグース〉の数あるラインナップのなかで最も古くからつくられているモデル。

実際に使っていくなかで、あらためて感じた魅力はありますか?

鈴木やはり“暖かさ”に尽きますね。〈カナダグース〉の根底はあくまでそこにあって、ずっとブレないんです。人気がある、ないに関係なく、ずっとそこを追い続けていますから。華美な装飾やデザインを施すことだってできるのに、あえてしない。そういう職人気質というか、ブランドの哲学みたいなものも魅力のひとつです。

ただ、どれだけ熱く語っても、結局着てみないと良さはわからないんですよ。だから、まだ着たことがない人たちにも、ぜひ袖を通してほしい。ここまで支持されている理由がわかるはずなので。

夏にビーサンが必要なように、冬はカナダグースが必要でしょ?

鈴木さんは「ロンハーマン」のバイイングもしていますが、バイヤー目線で〈カナダグース〉はどのように映っているのでしょうか?

鈴木ぼくらが〈カナダグース〉の取り扱いに本腰を入れだしたのが2016年くらいからで、意外と最近なんです。そのきっかけというのが、ブランドのメディアキットでモノづくりの姿勢やこだわりをあらためて知ったこと。それが世間のイメージとまったく違っていたので、すごく興味をそそられたんです。

それは具体的にどういった部分でしょうか?

鈴木そのときぼくが見たのは、カナダの工場で、地元の人たちがひとつひとつ懇切丁寧にダウンをつくっている光景。そういった現場のモノづくりの場面を見せられるブランドはなかなかないので、衝撃でした。

鈴木いまは多種多様なダウンブランドがあって、それぞれ立ち位置が違いますけど、そのなかでどのダウンを取り扱うかぼくらも模索していたんです。で、モノづくりに特化した背景を強く感じられたのが〈カナダグース〉だったんです。

〈ロンハーマン〉のバイイングにおいて、ファンクショナルなブランドを仕入れるというのは珍しいことだと思うのですが。

鈴木ぼくらはまず、立ち上がったばかりのブランドはほとんどバイイングをしません。とくに男性は信頼度が欲しいじゃないですか。だから、バックボーンが表出してきたときの“ここぞ”というタイミングで、いつもバイイングするよう心がけています。

もちろん、ラグジュアリーブランドの仕入れにも力を入れています。ただ、こと防寒着や靴に関してはあまり仕入れないんです。そういったアイテムは、やはり信頼できるブランドでなければいけない。いくらルックスがよくても、アウターとしての機能を十分に備えていないなら仕入れません。その点〈カナダグース〉はすべてクリアしている。

いま〈カナダグース〉が受け入れられている理由をひと言でいうと必要性に尽きると思っています。夏にビーサンが必要なように、冬は〈カナダグース〉が必要でしょ、って。最近はそこに信頼度という付加価値がついたことで、人気に拍車がかかってきなのかなと思います。

現在の人気をブームとして片付けるのは短絡的過ぎる。

ブランドネームやロゴが先行している印象がありましたが、本質的な価値があるからこそ支持され続けているんですね。

鈴木そうだと思います。あと〈カナダグース〉を一過性の流行のように思っている人もいると思うんですけど、そもそも〈カナダグース〉自体は昔からずっと同じようにモノづくりを続けている。そこにすり寄っていったのはファッション側なんです。近年のファッションシーンの関心が、そういったモノづくりに特化したブランドに向かいはじめただけで。だからブームとかっていう言葉にはどこか違和感を覚えるんです。

あくまで、世の中の気分とうまく親和したという結果でしかないと。

鈴木そう思います。それにスペックやモノ自体がしっかりしているというのは、やはり男性なら惹かれる要素ですよね。クルマでも、出しもしない280キロまで出せるものを選んだりするじゃないですか。ただ、洋服はスペックだけで完結しないし、ファッションの面が大きく表に出てくる。そのバランスも〈カナダグース〉の魅力のひとつだと思っています。

今冬に着たいカナダグースおすすめの4着。

Wyndham Parka ¥92,000+TAX

リブニット仕様の、袖口が高い保温性を発揮するダウンパーカ。サイドエントリーの二重ハンドウォーマーポケットは、内部のポケットに直接アクセスできる。「〈カナダグース〉らしさがはっきりと表現できているモデルだと思います。比較的新しい型で、従来のパラシュートボタンではなくスナップボタンを採用していたり、タウンユースを意識しています」

Maitland Parka ¥90,000+TAX

2方向に調節可能な、着脱式フードを搭載したダウンパーカ。トリコット生地を使用したチンガードが肌に優しく、使い込むほどに柔らかく、着心地よく育つ。「シャツ感覚で羽織れるのに、ちゃんとアウターとしての防寒性も兼ね備えている。あとはミドル丈なので、誰が、どんなスタイリングで着用してもサマになります。迷彩の出方も美しいですしね」

Garson Vest ¥42,000+TAX

肌寒い時期から真冬のレイヤーにまで、幅広いシーズンで活躍する遮断性に優れるベスト。2WAYジッパーとスナップボタンの2重構造で冷気の侵入を防ぐ。「ダウンベストって、どこか心許なさを感じるかもしれませんが、マイナス5℃まで耐えられるので、日本の冬は十分越せます。難しく考えず、カジュアルにフーディーの上に着たり、キャップと合わせたりしたいですね」

Chateau Parka ¥95,000+TAX

シンプルかつスタイリッシュなデザインが支持されつづけるクラッシックなダウンパーカ。取り外し可能なコヨーテファーとアークティックテック®生地が、寒い空気を遮断する。「ダウン特有のアウトステッチがないので、スタイリングの幅が広がります。シャツにもデニムにも合う〈カナダグース〉のなかで一番汎用性の高いデザインだと思います」

CANADA GOOSE

電話:03-6758-1789
www.canadagoose.jp

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