多種多様なジュエリーが一同に会するショップ。
池田そうです。メンズに強いジュエリーブランドの旗艦店は様々ありますが、こういったセレクトショップは珍しいんじゃないでしょうか。
重住ベイクルーズグループとしては初の試みになりますね。もともと私自身がジュエリーや時計が好きで、企画立案をしてショップをやらせてもらうことになったんです。
池田すごいですね。高級ブランドなどが軒を連ねる骨董通りという場所も素敵です。ジュエリーの他に、ハイブランドのヴィンテージバッグやステーショナリーなどもあったりと、商品構成も抜けがないですね。
重住“日常使いの特別感”をテーマに、男性でもさり気なく着けられるようなジュエリーを提案しています。ちなみに池田さんは最近気になっているジュエリーはありますか?
池田40歳を超えたこともあってゴールドですかね。まだ早いと思っていたのですが、そろそろいいかなと。シルバーとのコンビでもいいですしね。
重住それなら〈ファーストネーションズジュエリー(FIRST NATIONS JEWELRY)〉のプロダクトはいかがでしょうか? 国内で取り扱っているお店はなかなかないんですよ。
池田それは知らなかったです。ネイティブアメリカンジュエリーですかね? でも、ちょっと違うような…。
重住実はホピ族に影響を与えた部族の方々が作っているものなんです。ざっくりと言えば、カナダの先住民ですね。
池田なるほど、それは知らなかったです。ホピ族のルーツということは、手法もオーバーレイになるんですかね?
重住いえ、それがちょっと違うんですよ。このジュエリーのようにカットアウトという一部を切り抜く技法を使っています。わかりやすく言えば、トーテムポールのような伝統的なモチーフを使っていますね。
池田ゴールドですけど、すごく普段使いしやすそうですね。
重住14Kを使っているんですけど、ベースが1ミリ~1.5ミリと非常に薄くて。どんなスタイルにも馴染みがいいんです。
池田実際に着けてみるとその良さがわかりますね。モチーフと素材を含めて、風水的にも良さそう。ゴールドは、ベージュと相性が抜群にいいので、これからの季節に活躍しそうです。
重住もう少しスパイスが欲しいという方におすすめしたいのが、〈ボルテッドスタジオ(BOLTED STUDIO)〉です。このブランドは「ワールドリーワイズ」の一押しブランドなんです。
池田これまでに紹介していただいたブランドとは一味違うボリューム感と武骨さがありますね。
重住アメリカ南東部のアトランタとマイアミの間にあるアトリエでつくっている完全ハンドメイドのブランドなんです。国内だと知っている方は少ないと思います。
重住はい(笑)。空港からのアクセスも悪くてかなり時間が掛かりましたよ(笑)。情報が少なかったので、全容がわからなかったのですが、見た瞬間にかっこいいと感じました。
池田使っているシルバーも独特な表情ですね。使い込むことでいい味が出てきそうな。こういったジュエリーも男心をくすぐります。
重住バッファローコインを溶かしたインゴットシルバーを使用しています。一般的な925のスターリングシルバーではなく、純銀に近いシルバー999なので、輝きが断然異なります。この素材特有の柔らかさのおかげでこういった複雑な加工ができるんです。
池田身につけると重厚感がすごいですね。それでもこれ見よがしにならないのは、デザインが洗練されているからなのかなと。
重住そうですね。工業プロダクトからインスパイアされることが多いので、いわゆるジュエリーデザインとは一線を画す仕上がりです。また、音楽好きなデザイナーなので、ギターのネックをモチーフにしていたりと個性的なデザインが特徴です。
日本の高い技術を結集したジュエリーブランド。
重住続いて、おすすめしたいのが〈ハム(HAM)〉というブランドなんですが、作り手のこだわりが凝縮されているんです。
重住これは日本のブランドです。鎖をモチーフとしたデザインは高い技術がいるんです。
池田これはすごい労力が必要そうですね(笑)。ゴールド単体で付けるのもいいですが、シルバーとのコンビも気になります。
重住このシルバーと10Kゴールドのコンビなんてどうですか?
池田腕に装着したときのフィット感もよく考えられていますね。これはすごいです。
普段、結婚指輪以外はジュエリーを身につけないという人でも、気張らずに使えそうなジュエリーが豊富にありますね。
池田日本人はジュエリーを身につけるのが苦手という人も意外といますよね。海外のほうがラフに取り入れている印象があります。
重住諸説ありますが、欧米と比べて日本はジュエリーを身につけるという歴史がなかったんです。一説によると、飛鳥時代頃まではあったらしいのですが、それ以降つけることがなかったみたいです。極端な言い方をすれば1000年くらいジュエリーと疎遠になっていて。戦国時代の甲冑も装飾の類ですが、ジュエリーとはまた違いますし。
池田海外はカレッジリングなど、軍モノとしてのジュエリーがありますよね。国によって、文化の差はありそうです。
こういった歴史的側面からジュエリーを探って行くのも面白いですね。〈ハム〉以外に日本のブランドのセレクトはあるんですか。
重住〈ダイキ サノ(DAIKI SANO)〉という日本のブランドも展開しています。デザイナーは30代ですが、かなりいいプロダクトを作ってますよ。
池田ロープブレスのようなデザインが印象的ですね。こちらも高い技術を使ってつくっているのが伝わります。
重住ハンドブレイドという手法で、手で編み込んでいるんですよ。これがベースとなったプレートです。
池田これを編み込んでいくんですね。想像がつかないです(笑)。ハンドメイドの温かみがありながらも、エレガントな雰囲気も漂わせていますね。
重住まさにその通りです。プロダクトからその強い想いが伝わってくるんです。
世界各国から集めたヴィンテージジュエリーの数々。
池田「ワールドリーワイズ」ではヴィンテージジュエリーも取り扱っているそうですね。
重住はい。今日池田さんに紹介したいのはシグネットリングです。これはもともとヨーロッパの貴族や王族の間で使われていたものなんです。文化として根付いているジュエリーの一つです。
池田なるほど。真ん中に石のようなものがあったり、意匠のバリエーションも豊富なんですね。
重住シグネットリングは、各王族や貴族に代々と伝わる紋章を入れるのが起源だと言われています。特権階級の人たちしか身につけることが許されなかった時代もあったようです。手紙の封をする際にも使われていて、紋に蝋を付けてスタンプすることで、その人が書いたことを証明するツールでもあったんですよ。
池田なるほど、それで各リングでデザインが違うんですね。そういう背景を知ると、また違った楽しみ方ができますね。現行のブランドがモチーフにするのも納得できます。
池田個性という意味では、こちらのトゥアレグ族のジュエリーも独特な雰囲気がありますよね。最近、人気が出てきている印象があります。
重住トゥアレグ族のジュエリーは、〈エルメス(HERMES)〉が製作を依頼していることでも知られています。広大なサハラ砂漠に住んでいる少数民族です。特徴的なモチーフなので、同じ工芸品的な立場でも、ネイティブアメリカンジュエリーとは違った印象ですよ。
池田確かに〈エルメス〉のイメージがありますね。シンプルなデザインなので、重ね付けもいいかも。
重住バングルとまとめて購入していく方も結構いますね。重ね付けで個性を出すことができますし、普段はアクセサリーをつけない人でも違和感なくコーディネートできるかと思います。
池田多種多様なジュエリーがあるんですね。今日は勉強になりました。今度はプライベートでまた訪れたいと思います!
重住特別感のあるジュエリーをたくさん揃えてお待ちしております!
池田さんがセレクトしたのは、〈ダイキ サノ〉のリングと〈ボルテッド スタジオ〉のバングル。「ジュエリーをこれ見よがしにするのが苦手なので、あくまでもサラッと見せるのが信条。ただシンプルすぎてもおもしろくないので、〈ダイキ サノ〉のリングで大人っぽい印象にしつつ、ボリューム感のある〈ボルテッドスタジオ〉のバングルでアクセントを加えました。今日のスタイリングは、スウェットやハイテクスニーカーといったスポーティなアイテムが多めです。なので、こういったジュエリーが手元にあるとスタイルが引き締まるんです。ジュエリーもファッションの一部として楽しむのが好きですね。」
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