いまのアバハウスが、原宿店に詰まっている!
まずここ「アバハウス 原宿」が昨年春にリニューアルした経緯を教えてください。
宮本〈アバハウス〉は40年という長い歴史を持つブランドで、おかげさまで多くの人に親しまれています。ですが、どうも世間が〈アバハウス〉というブランド名を聞いてのイメージと、いま私たちが考えているものとが合っていないのでは、という話が出ました。そこで元来の理念である “フレンチモード” をベースにいまっぽさを取り入れたスタイルを、改めて提案できるようリブランドを図ることになったのです。ただそうしたときに、もともとこの場所にあった店舗の装いや品揃えが合っていない。だったら思い切って改装し、旗艦店として新しい〈アバハウス〉を発信する場所にしよう! というのが経緯です。
前の店装から印象が変わりましたね。カフェも併設されています。
宮本カフェは正直最後まで導入するか迷いました。ただ、いままでのイメージを覆すという意味で必要かなと思ったんです。ちょっとふらっと寄ってみようと思ってくださる方も多いようです。ショーウィンドウを無くしてイートインスペースをつくるというのも賭けでしたけどね! アパレルショップとは思わずに入られる方もいますから(笑)。
おすすめアイテムを見させていただいて思いましたが、ブランドオリジナルアイテムだけでなく、セレクトしたアイテムも多いですね。
宮本原宿店に限っては4割が買い付けしたアイテムです。〈アバハウス〉が考える “フレンチモード” の、いっそう濃い部分をそれらで表現できたら面白いかなと思いまして。以前はバイヤーも数人いて、アメリカ組とヨーロッパ組に分かれてそれぞれが買い付けたもの、さらにはオリジナルアイテムもいろんなテイストのものが混在していました。ですが、より “フレンチモード” を意識するからには、ヨーロッパブランドのアイテムを強化したほうがいいかと。もちろん一部アメリカブランドもありますが、着こなしや提案の仕方次第ですかね。オリジナルも含めて、クリーンな印象になるアイテムを揃えています。
凝り固まったイメージを壊す!
ブランドの考えを、きちんと店頭で表現できるようになったというわけですね。
宮本おかげさまで、それによって新しいお客さんが増えています。お店に入られる方が持つショッパーも、以前とは違うお店さんのものを持っていることが多いですね。〈アバハウス〉というブランドの今を、少しでも理解してもらえたら。そんな思いから始まった実験的な場所ですから。新しいお客さんが増えたということは、いい方向に向かっているということなんでしょうね。
正直、いままでのブランドイメージとはだいぶ印象が違います。
宮本やっぱりいままでは“細身でピタピタ”って思われることが多かったみたいで…。〈アバハウス〉のお店に〈メゾン・マルジェラ〉や〈ルメール〉が並んでるなんて、想像していなかったでしょう(笑)。本当に今、ブランドが考えていることは、このお店で自信を持って表現できています。オリジナルだって、トレンド感もあって素材やディテールにもこだわったものが提案できています。セレクトとオリジナルをうまくミックスした、“最新”という意味でのモードをお見せできるかと。1度来ていただければ、今の〈アバハウス〉ってこうなんだ!というのをわかってもらえるはずです。
お店の個性を知るならスタッフを見るのが1番!
大いに変貌を遂げた「アバハウス 原宿」。その個性をもっとよく知るには、お店で働く人をチェックするのが1番。ということで、最後に3人のショップスタッフをチェック。着こなしポイントや「アバハウス 原宿」の魅力などを伺いました。
石塚将也さん(26歳)
元々、70〜80年代のファッションやカルチャーが好き。それにいまっぽさを足して表現したらどうなるかな、と思ったのが今日の着こなしです。ちょっとノーブルなコーデに、あえてテックアウターを合わせて。「レトロスポーツ」とでも言うのでしょうか。
雰囲気。ディテールではなく、全身で魅せることを大事にしています。あとは清潔感も大切ですね。
最近流行りの言葉で言えば、多様性ですね。ドレス、モード、カジュアル。いろんな表現方法があって、ミックスできるのも面白いです。新しい発見がたくさんできるお店だと思います。
ブランドとしても多様性があるところですね。打ち出しが強すぎない分、いろんなスタイルを柔軟に楽しめるところが好きです。
登佐蓮乃さん(22歳)
古着ミックススタイルです。ボーイッシュになりすぎないように、ベルトと靴で女性らしさを出してみました。
モードっぽかったり、ストリートだったり。今日の格好とは真逆に、すごく女性らしい格好にしてみたり。ひとつのスタイルにこだわりすぎずに、いろんな格好に挑戦するようにしています。
メンズアイテムのみの取り扱いですが、自分でも着て楽しんでいます。ユニセックスの提案もたくさんできると思っていますから。それから、いままで “きれいめ” ブランドだと思っていた人のイメージを覆せる体験をしてもらえるお店だと思います。
変に “マニュアル化” していないところ。店舗によって雰囲気も違うし、スタッフもいろいろ。いろんな側面からブランドを楽しめると思います。
藤原裕幸さん(34歳)
セットアップなのに、ドレッシーすぎず、カジュアルすぎず。そんなバランスを大切にしました。フリンジやカラーリング、ゆったりとしたサイズ感でレトロな雰囲気に。でもそれがすごくいまっぽい感じになったかな、と思います。
カラダに対するサイズ感、TPO、いまっぽさの3つです。自分に合っているかどうかを見極めるのに、この3つをチェックすることが大切だと思っています。
幅広いファッション性を発信できることがすごく面白いですね。ブランドの理念を通したうえでセレクトされたアイテムがたくさん並んで、それをミックスしたときに〈アバハウス〉の面白さをいっそう感じられる。それを実際に体感できるのがここ、原宿店だと思います。
ひとつのブランドとして、幅も懐も広いところ。お客さんの好みや個性は様々でも、それを見抜いていろんな提案ができるブランドだと思います。仕事としても楽しめています。
「アバハウス 原宿」に足を運べば、〈アバハウス〉の最新がわかる。そう言っても過言でないほど、この旗艦店は挑戦と革新に満ち溢れたお店でした。カフェで一息ついたらこだわりのアイテムに触れてみる。渋谷〜原宿に訪れる際は、チェックしてみてください。
ABAHOUSE HARAJUKU
住所:東京都渋谷区神宮前6-25-16 1F
時間:11:00〜20:00
電話:03-5466-5700
abahouse.co.jp/men/abahouse-lastword/