DANNER FIELD with HIP PEOPLE 01_Yuhi Ozaki / SUN/kakke Designer
無国籍な自由さで履きこなすアメリカン・マウンテンブーツ。
尾崎さんはトラッドなファッションのイメージがあるのですが、今日の服装はまた違う雰囲気ですね。
尾崎ぼくは週の半分はアイビーやブリティッシュといったベーシックなファッションを身につけて、もう半分はいま気になるファッションや着てみたい服を着るようにしています。週のうち3日はトラディショナルで、週の3日はそれ以外のファッション、残りの1日は意識してスーツを着るといった具合です。
日によってコーディネイトのテイストを変えるのはなぜでしょう?
尾崎ベーシックなファッション以外を意識的に身につけているのは、デザイナーとしてアンテナを張るためです。トラッドは永遠に不変ですが、アンテナ側のファッション、つまりその時気になるファッションのテイストはおよそ半年から1年ぐらいかけて緩やかに変わっていきます。そのアンテナ側のファッションの足元として、最近注目しているのがマウンテンブーツなんです。
尾崎もともと小さい靴が好きなんで、ソールも薄いものを選びがちでした。ですが最近はシルエットのボリュームを下側に集めることに凝っていて、着丈の長いシャツやボリュームのあるパンツを穿いた時に、マウンテンブーツがちょうど良いんですよね。
尾崎もろにアメリカンアウトドアやワークな格好にも憧れはあるんですが、そういう服装ってぼくのキャラクターにはどうしても似合わないんです。なので、こういうブーツを履くときは何かしらひと工夫するようにしています。今日は自分のブランドで作った羽織りジャケットやワイドなコーデュロイパンツ、パジャマシャツを合わせて、無国籍な感じにしてみました。テーマはなんだろ….ユーラシア大陸とか?(笑)
確かにエスニックな感じもしつつ、和の雰囲気もありますね。
尾崎この帯はイランの方で作られたもので、いわゆるアンティーク品です。いま少しずつ買い集めてるんですよ。ベルトを買うよりも安いですし、モノ自体も面白い。選んだ「ダナーフィールド」は赤っぽい革を使っているので、実は帯の端に施されたステッチの色やシルバーアクセの石の色で、ブーツの色を拾っています。今日はたまたまこの服装で草履を作っている職人さんと会ったんですが「いい服装だね」と褒めていただきましたよ。
「ダナーフィールド」の良さはどこにあると思いますか?
尾崎もともとぼくはアメリカ的なギアファッションというか、機能に基づいたデザインに惹かれるところがあります。この「ダナーフィールド」も水や泥の侵入を防ぐためのシュータンの作りやバックステイの形だったり、機能のためのデザインが盛り込まれている。それってカッコつけてないけれど、カッコ良いじゃないですか。
まさに機能美といった言葉がしっくりくるブーツですよね。
尾崎こういうものに囲まれて暮らすことができるのは、デザイナーとしてもすごく勉強になりますね。たとえばハイブランドのデザイナーがルックス優先でデザインしたもののなかには、見た目は良くても、日常着としては勝手が悪かったりするものもある。しかし、このブーツならそういう心配はありません。普段使いにちょうど良いブーツですですね。
Style Sample by Yuhi Ozaki
ユーラシア大陸を横断する自由なミックススタイル。
「ブーツの色味に合うようなアースカラーを中心に組み合わせています。1980年代のパジャマシャツもコーデュロイ風のプリントがしてありますし、コーデュロイパンツにコーデュロイジャケットと、考えてみたら縦縞ばかりですね(笑)。帯はシャツの丈感を調整するために着けています」
石の色味やステッチのカラーで色を拾って統一感をプラス。
尾崎さんのコーディネイトのなかで最も目を惹く帯は、イランで作られたアンティークものだそう。「シャツの裾丈を調節するために、ベルト代わりに帯を巻きました。実は帯のステッチやインディアンジュエリーの石の色をダナーフィールドの赤茶色を意識して選んだんですよ」。自由かつ統一感のあるコーディネイトの秘密は、細かい配慮にあるようです。
DANNER FIELD with HIP PEOPLE 02_Fumiya Sekiguchi Filmerange Director
素朴なのにハイテクだからこそどんな服装にもマッチする。
もともと関口さんは靴の輸入代理店に勤めていたんですよね。
関口文化服装学院を卒業してから、ファッション関係に進みたかったんですが、ブランドに就職してしまうとそのブランドの服ばかり着なきゃいけなくなる。当時のぼくはもっと色々な服を着たかったので、靴の輸入代理店なら服は好きなものを着れるんじゃないかと思って入ったんです。だから靴好きが嵩じて入ったわけじゃないので、ワリと不純な動機です(笑)
関口毎日靴に触れているうちに当然好きになっていくし、だんだんと靴の良し悪しや魅力もわかるようになってきました。これまでいろんな靴を履いてきましたが、ちょうどいま気になっていたのがマウンテンブーツです。もちろん〈ダナー〉もいくつか持っていますよ。
いろんな靴に触れてきた関口さんの目から見て、「ダナーフィールド」の印象はいかがですか?
関口「ダナーフィールド」は他のマウンテンブーツと比べてもファッションに落とし込みやすいブーツだと思います。 幅広すぎずシャープなラストは、ホールド感があるのに足入れした時も窮屈にならない絶妙な木型だと思います。コバの張り出しも少ないですし、特にブラックカラーのモデルは都会的な印象もあるので直球のアウトドアなコーディネイト以外にもマッチしやすいかと。
あまり意識していませんでしたが、 確かに他のマウンテンブーツに比べてシャープですね。
関口それとトップ部分までハトメになっているので、ワイドパンツと合わせたときも裾が引っかかりにくいのも嬉しいですね。それに中底の素材やソールのおかげなのか、ソックス状のゴアテックスブーティのおかげなのか、クッション性が抜群に良く包み込まれるような履き心地なので、普段の生活のなかで積極的に履きたくなりますね。もしぼくが靴の代理店に勤めていて値段をつけるなら、4~5万円ぐらいの上代にすると思います。そのぐらい出来が良いブーツだと思いますよ。
関口アウトドアの雰囲気も残せるように、アノラックパーカやフリースといったアウトドアなアイテムを取り入れつつ、都会っぽい着こなしを意識しました。パーカはナイロンですし、フリースはウール100%の天然素材。異なる素材のアイテムでも受け入れてくれる懐の広さがこのブーツにはあるように思います。クラシックかハイテクのどちらか一方に振ってもいいのですが、今日はあえて両方のテイストを取り入れて見ました。
ダナーフィールドも天然素材のレザーとゴアテックスの組み合わせですし、だからこそ素材やテイストを問わずマッチするのかもしれませんね。
関口まさしくその通りですね。それを狙って今日のコーディネイトをチョイスしたわけではありませんが、自由な着こなしをしたくなるのは「ダナーフィールド」ならではなのかもしれませんね。アウトドアスタイルに限らず、幅広いスタイルに順応してくれるブーツだと思いますよ。
Style Sample by Fumiya Sekiguchi
クラシックとハイテクが同居する温故知新のシティアウトドア。
「トップスはアウトドアテイストの強いものを組み合わせつつワイドなシルエットスラックスやストールを取り入れて、街でのファッション感を強めました。ちなみにストールは尾崎さんがデザイナーを務める〈サンカッケー〉のものです。
プレーンなナイロンとモコモコなフリースで素材感のコントラストを強調。
ミドルレングスのナイロンシェルパーカに、フロントがダブルになったフリースをレイヤード。「Vゾーンの部分や裾に動きが出るように意識しました」とのこと。ハードシェルとスラックスというプレーンな素材感にフリースの質感がアクセントを加えている。
もっと気軽に履きたくなる、本格派のマウンテンブーツ。
名作「ダナーライト」の木型や基本構造はそのままに、シティユースやフェス参戦にフィットした一足して登場した「ダナーフィールド」。もちろん〈ダナー〉が世界ではじめて実現したゴアテックスブーティによる透湿・防水性や、ビブラム社のクレッターリフトソールが実現する快適な履き心地をしっかりと完備し、デイリーに履きたい一足に仕上がっています。