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FEATURE|monessay ─ラジカルになろう

monessay ─ラジカルになろう

monessay ─ラジカルになろう

フイナム発行人、フイナム・アンプラグド編集長である蔡 俊行による連載企画「モネッセイ(monessay)」。モノを通したエッセイだから「モネッセイ」、ひねりもなんにもないですが、ウンチクでもないのです。某誌でずいぶん長いこと連載していたコラムが休載し、フイナムにて装いも新たにスタートです。今回は〈ニューバランス(New Balance)〉の「M1700 GRA」。

  • Text_Toshiyuki Sai
  • Photo_Kengo Shimizu
  • Edit_Ryo Komuta
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第十三回 ラジカルになろう

回、小牟田編集長からいただいたお題が〈ニューバランス〉。正直またか、である。

20代の後半から某雑誌に連載を始めて25年。編集キャリアはその前からだからおよそ30年にわたり、このブランドのことについて書いてきた。なんならマサチューセッツ州のローレンスの本社にもいったことも何度かある。いまは移転したのかな。数年前ボストン近郊をドライブしていると、思い切り大きいニューバランスロゴの入ったビルがあったので、そこが本社になったのだろう。

メリカのランニング界ではそれなりの認知があったとはいえ、後発の〈ナイキ〉にずいぶん遅れをとっていたというイメージだが、今世紀に入り、大ブレークしたのはご承知の通り。いまでも意識高い感じの人の足元はこのブランド、ということは少なくない。

度も書いているけどもう一度。

のブランドとの縁は、ぼくが20代半ばの頃の「1300」に遡る。

尾の多田スポーツ(まだありますね)の近くに住んでいて、ある日ぶらっと入ってみたところからの付き合い。当時3万9000円の値札がついたスニーカーを分不相応な自分が衝動買いしたところ正常性バイヤスのようなものが働き、これはものすごいいいシューズという自己暗示がかかった。会う人会う人にその履きごごちの良さを伝え、まるでアンバサダーのような働きをした。

を同じくして編集業に転職し、口コミをはるかに凌駕するマスコミの力によって広く知らしめたのは一部の関係者のご承知のとおり。

ぶん若い人は知らないと思うけど、このシューズのブームを作ったのはまるでぼくだと思い込まれている壮年の方々もまだいらっしゃる。多少はお手伝いしたかもだけど。

て。それからというのもこのシューズが自分のシグナチャーになってしまった。昨年だったか、某ライターの人が渋カジに関する本を上梓するというので取材にこられた。その時写真を撮られたのだが、リクエストはこのシューズを履いてくれというものだった。

1300」は廃盤になって5年ごとに復刻している。その都度、複数足手に入れるのでいつでも新品は手元にある。そのタイミングで新しいのを下ろした。

日もその時に下ろしたシューズを履いている。

こし前、昔馴染みでNYで活躍しているデザイナーの友人にこの先っちょのまるっこいフォルムがどうにもカッコ悪いなんてディスられて、ちょっと出番が少なくなっていたが、最近また復活した。しかし確かに先っちょのすこし尖った1400番以降の数字の大きいのもこのところ気にはなってる。

は履いたことのあるニューバランスの品番最大数は「1300」。それ以上の数字のものは履いたことがない。それもどうかと思う。

には好奇心が大事だとか、新しいものにチャレンジしろなんて偉そうに言っているが、こういうところは本当に保守。

うすこし、身に付けるものに対してラジカルになりたい。

蔡 俊行

フイナム発行人/フイナム・アンプラグド編集長。マガジンハウス・ポパイのフリー編集者を経て、スタイリストらのマネージメントを行う傍ら、編集/制作を行うプロダクション会社を立ち上げる。2006年、株式会社ライノに社名変更。

ニューバランス ジャパンお客様相談室

電話:0120-85-0997

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