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FEATURE|日本最高峰のデニム工場へ。エドウインができるまで。Whole View of EDWIN Vol.01

日本最高峰のデニム工場へ。エドウインができるまで。Whole View of EDWIN Vol.01

Japanese Jeans by Japanese Sprit.

日本最高峰のデニム工場へ。エドウインができるまで。Whole View of EDWIN Vol.01

日本のカジュアルファッション黎明期より、長年ジーンズをつくり続けてきた〈エドウイン〉。その長い歴史を、ものづくりという側面からしっかりと支えてきたのが、他でもないジーンズ工場と、そこで働く職人たちです。この企画では、日本最大のジーンズメーカーにまで成長した〈エドウイン〉の生産拠点である秋田県は縫製工場「秋田ホーセ」と、洗い加工工場「ジーンズMCD」を訪れ、一本のジーンズが出来上がるまでをレポート。〈エドウイン〉のものづくりに迫ります。

  • Photo_Toyoaki Masuda
  • Text_Tetsu Takasuka
  • Edit_Yosuke Ishii
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Factory 01_AKITA HOSE

エドウインのものづくりを支える秋田ホーセ。

ジャパンデニムを象徴するブランドとして日本のカジュアルファッションを牽引している〈エドウイン〉。そのものづくりの拠点が東北だったことをご存知でしょうか? 〈エドウイン〉は半世紀近く前から、ジーンズの量産化に向けて、東北地方に自社工場を次々と設立。国内生産体制を充実させていったのです。現在では、自社工場、協力工場が秋田、青森を中心に稼働中。今回は、〈エドウイン〉のものづくりの原点を探るべく、最古参の工場である秋田県・五城目町の「秋田ホーセ」を訪ねました。

「秋田ホーセ」がある五城目町までは、秋田市の中心部から車で約40分。周囲に田んぼが広がるのどかな町です。ここに工場ができたのは、今から45年前のこと。かつて紳士服を縫っていた工場をリノベーションし、〈エドウイン〉の子会社として「秋田ホーセ」を設立しました。ここは〈エドウイン〉の屋台骨とも言える場所で、裁断から縫製まで一貫して手がけており、〈エドウイン〉のフラッグシップモデルの生産も行なっています。そのため、社員研修の場としても使われるなど、〈エドウイン〉にとって、とても重要な拠点となっているのです。そんな「秋田ホーセ」で行われているジーンズ作りの様子を順を追って見ていきましょう。

Cutting.

デニム生地の裁断からジーンズ作りが始まる。

ジーンズ作りは、日本国内、そして中国やトルコなど世界各地から集まってきたデニムの原反を裁断することから始まります。「秋田ホーセ」では、2棟の原反倉庫に、数十種類、約メートル分の原反をストック。使いたい生地が入ったラックは、機械により自動で搬出されます。「秋田ホーセ」では、かつてはすべて手作業で裁断を行なっていましたが、平成4年に自動裁断機を導入。大幅な効率化を成し遂げました。

原反はフォークリフトで運び出された後、延反という工程に回されます。ここでは、ロールを延ばして何重にも折りたたみ、裁断の準備を行います。通常は、生地を25メートルの長さに延ばして30回折りたたみ、生地を60層に重ねて裁断します。合計1500メートルの生地から作られるジーンズは、約1200本とのこと。準備ができたら大きな型紙を載せるのですが、型紙を作るのにも熟練の技術が必要。本社から送られてきた仕様書とパターンを元にCADデータを起こし、できるだけ生地が無駄にならないようにパーツをレイアウトして型紙を製作します。コンピュータのプログラムを使うよりも、手作業の方が効率よくレイアウトできるのだとか。完成した型紙に合わせて専用の裁断機がカットを開始。裁断にかかる時間は約1時間。裁断機は正確無比な動きで、ジーンズに必要なパーツを次々に切り出していきます。

裁断したパーツを手で取り出し、どこに使われるものか判別できるようにナンバリングします。折りたたんで裁断することで生地の裏表が交互に重なっているため、向きを揃える作業も同時進行。裁断して余った生地は、車の内装に使うなど、極力リサイクルに回されます。

ロールによっては、生地をテープでつなぎ合わせていたりするため、裁断機で一度に裁断できないものもあります。そういう場合は手作業で裁断することも。機械だけに頼るのではなく、昔ながらの職人技も必要とされているのです。

裁断されたパーツの中で真っ先に次の工程に回されるのがバックポケット。口の部分を専用のミシンで巻き縫いしたポケットを裁断機の隣にある刺繍機に並べると、〈エドウイン〉を象徴するあの“W”のステッチが高速で刺繍されていきます。1回で刺繍できるポケットの数は、30枚でジーンズ15本分。ジーンズ本体の縫製作業は、後身頃にポケットを付けるところが始まり直後にあるため、最初にこの工程が必要になるそうです。

Sewing.

熟練の縫製技術が生み出すジャパンクオリティ。

裁断が終わった生地が次に送られるのが、隣にある縫製工場。ここでは、100台以上のミシンが稼働。工程ごとに作業を分担し、流れ作業で次々にジーンズを縫上げていきます。スタッフはみなさん秋田在住。中には親子二代で「秋田ホーセ」に勤めている人もいるのだとか。1日の生産量は1300本を目標にしています。工場内には常に有線で音楽が流れており、リラックスした雰囲気ですが、みなさん集中して作業に取り組んでいます。縫製の工程は、比較的簡単なものから難しいものまでありますが、さまざまな工程を経験することによって技術を磨いていきます。

ジーンズの縫製は、後身頃にバックヨークを縫い付けるところから始まります。専用の“ラッパ”という器具をミシンにつけて巻き縫いします。それが終わったら、バックポケットを取り付けます。レーザーポインタを使って正しい位置に置き、空気圧で押さえながら縫い付けます(1枚目)。この時、左ポケットにはピスネームも挟み込みます。ポケットの付け根には、補強のためにカンヌキを入れます(2枚目)。

後身頃の縫製と同時進行で前身頃を作っていきます。左右の前ポケットの内袋を縫い付けた後、“向こう布(右前身頃ではコインポケットが付いている箇所)”を重ねて縫い合わせます。続いて、左前身頃にファスナーを取り付け、補強のステッチを入れていきます。

前後左右の身頃にそれぞれパーツを取り付け終わったら、それらを縫い合わせていきます。最初は左右の後身頃のお尻の部分を巻き縫いします。“尻合わせ”と呼ばれるこの作業は、ジーンズの縫製工程で一番難しいと言われており、熟練したスタッフが担当します(1枚目)。前身頃の左右も縫い終わったら、続いて前後の身頃を縫い合わせます。まずは裏返しの状態で脚の内側を縫い合わせます(3枚目)。1本縫い終わるごとにステッチを切ることはせず、次の1本と糸で繋がった状態で作業を進めます。その方が作業がしやすいのだとか(4枚目)。その後、内モモに補強のステッチを入れ、股部分に3ヶ所カン止めをしたら、ジーンズを1本ずつに切り離します。最後に脚の外側を縫い合わせれば、すべての身頃が繋がります。

前後左右の身頃が縫い合わされたジーンズは、裏返しのままハンガーに吊るされ、機械によって次の工程に運ばれていきます。

ポケットの内袋を補強するためのステッチングやベルトパーツの縫い付けが終わったら、裾を巻きやすくするために裾部分からベルト部分にハンガーを掛け直します。そして、ベルトループやトップボタン、リベットなど、細かいパーツを取り付けていきます。

最後にもう一度裏返し、“ラッパ”という器具が付いたミシンを使って裾を巻き縫いすれば、ジーンズの姿はほぼ完成。最終的な検品へと回されます。

完成したジーンズはモデルやサイズごとに振り分けられて、検品作業に送られます。キズやほつれ、パーツの抜けが無いかなどを入念にチェックします。

数々の工程を経て完成したジーンズ。1本が完成するまでにかかる時間は半日ほど。検針機を通した後、毎日夕方に1回、加工場へと出荷します。

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