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三人の目利きがレクチャーする、ワイルドシングスのモンスターパーカ。

Winter’s Favorite is Monster Parka.

三人の目利きがレクチャーする、ワイルドシングスのモンスターパーカ。

アウトドアブランドとして確かなる地位を築いた〈ワイルドシングス(Wild Things)〉。その一方で、アメリカ軍へミリタリーウェアを納入するサプライヤーとしても活躍していることをご存知でしょうか。今シーズンは、そんなミリタリーウェアの中から名作「モンスターパーカ」をご用意。このアイテムの愛好家である業界屈指の目利き三名にご登場いただき、セルフスタイリングとともに「モンスターパーカ」の魅力を余すことなく語ってもらいました。

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防寒着としてはこれ以上ないくらいのクオリティ。

鈴木さんは、今季〈ワイルドシングス〉のルックビジュアルを手掛けられたと聞きましたが、そもそもはどういった経緯で行うことになったのでしょうか?

鈴木最近のぼくの活動として、スタイリングの仕事をする上でそのブランドイメージをどう伝えていくかということを重要視していて、普段の仕事もそうしたディレクションやマーケティングの立場から提案することが多かったんです。それで今回〈ワイルドシングス〉さんの代理店の方を通じて、ミリタリーとアウトドアを両軸にしたプロダクトを沢山ラインナップしている今季のコレクションを街着として見せたいという相談を受けて、一緒に取り組むことになりました。

スタイリングを手掛ける際に、特に意識したことなどはありましたか?

鈴木ブランドのことは昔からよく知っていて、「デナリジャケット」などの定番モデルはいまでも愛用しているので、そうしたぼくら世代が抱く〈ワイルドシングス〉らしいイメージは踏まえつつ、ブランドが持つ背景を損なわないように意識しました。とはいえ、やはりミリタリーウェアを街着として提案するわけなので、着こなしもベーシックなアイテムを中心に構成したり、スポーツ要素のあるアイテムを散りばめたり、工夫は凝らしています。それとモデルも親近感を感じてもらえるように日本人を起用しました。

日常的に着られる、身近なブランドとして訴求していくことがテーマだったんですね。

鈴木そうですね。とにかくブランドとしてはリブランディングするタイミングでもあったので、いままでの〈ワイルドシングス〉の良い魅力は残しつつ、これからの〈ワイルドシングス〉をどう若い人やファッション関係者の人たちに伝えられるかが鍵でしたね。その中でもこの「モンスターパーカ」が主役となってくれた感じですね。

その際、実際に「モンスターパーカ」を見て、触れて、いかがでしたか?

鈴木まずは見た目的な部分で言うと、売れそうなデザインだなって感じました。オリジナルの象徴的なディテールは残しつつ、シルエット感やポケットの配置、今季らしいリフレクターのロゴなど現代的なアップデートも感じられます。またブラックというベーシックカラーに限らず、トレンドにも合うベージュやリーフなどのアースカラーも充実している。着心地は言わずもがな。防寒着としてはこれ以上ないくらいのクオリティですからね。

特に気に入ったディテールなどはありますか?

鈴木収納力が高いですよね。内側のメッシュポケットも大きいのでiPadとか12インチくらいのノートPCとかなら入っちゃいますから。それでいてブランドがテーマに掲げる、“軽量でありながらタフ”っていうのもポイントですよね。手ぶらが好きな人にはオススメかと。

かつて愛用していた頃の「ワイルドシングス」とは雰囲気も違いますか?

鈴木そうですね。ぼくの世代はいま以上にアウトドアのイメージが強かったんですよね。それこそ20代の時なんかは取り扱いのあるセレクトショップに入荷したばかりのアイテムを買いに行ったりもしてました。まだまだ当時は野暮ったくて、ファッションとして着ている人はほんの一部だったように思います。注目され始めたのは、やはりタクティカルラインがでてきてからではないでしょうか。

様々なファッションブランドとのコラボレーションでも話題になりましたよね。

鈴木それこそ〈Nハリウッド〉の尾花さんとか〈ノンネイティブ〉の藤井さんとかね。アメリカから並行輸入していた頃のブランドとは、印象もガラッと変わりましたよね。色合いもブラックやホワイトの洗練された色ではなく、グレーやネイビーのベーシックカラーでもない。ブランドを象徴する色としての土っぽいベージュやオリーブ、チャコールなどのカラーが時代にマッチしたこともあって、一気にファッションのシーンでも話題になっていった感じですよね。

今回の「モンスターパーカ」は価格帯もリーズナブルで、お得感もありますよね。

鈴木「モンスターパーカ」が古着市場で人気があった時代っていうのは、値段も高かったですからね。しかも球数も少なくて希少だった。いまでも探している人は多いだろうし、汎用性も高いので、そんな重宝できるアウターだからこそ一家に一着あってもいいんじゃないですかね。

最近では展開店舗も増加していて、街で見る機会も増えましたよね。

鈴木「ビームス」や「シップス」、「アダム エ ロペ」などのセレクトショップから「オッシュマンズ」や「ソラ」などのアウトドアショップまで幅広く展開していますよね。アウトドアブランドが盛り上がっているなかでも、〈ワイルドシングス〉は特に勢いを感じます。

スタイリストである鈴木さんの視点からビジュアルルックとは別に、手軽に取り入れやすい「モンスターパーカ」のスタイリング例としてどんな提案がございますか?

鈴木モッズコート感覚でオーバーサイズで着るのが面白いかと。最近の傾向としては、ワイドシルエットのパンツが主流ですけど、あえてスリムなボトムスでバランスを整えたり、丈感のレイヤードで遊んでみたりね。はじめは、この絶妙なボリューム感とサイジングはなれないと違和感があるかもしれませんが、やっぱり分かる人が見ると「こなれてるな~」ってなりますから。

最後に消費者を代表し、ブランドに期待することなどはありますか?

鈴木今回は「モンスターパーカ」をフィーチャーして魅力を紐解いていますが、「ワイルドシングス」のその他の代表作のアップデート版も楽しみです。街中で着られる本格的なミリタリーウェアは、今後ますます需要が出てくると思うので。あとは「モンスターパーカ」と合わせやすいタクティカルパンツもあったらいいなって個人的には思っているので、その辺りのラインアップにも期待しています。

モンスターパーカ ¥38,000+TAX

ハイゲージのハーフジップのニットにシックなスラックスを合わせたトラッドな着こなし。足元はスニーカーでハズしつつも、ダウンジャケット感覚で羽織ったモンスターパーカが程よい存在感を発揮。着こなしに馴染むブラックカラーも大人のスタイルに最適。

「品の良いニットやトラディショナルなスラックスにさらっと合わせても違和感ないですよね。若い世代の子たちがオーバーシルエットのアウターとして着るのも良いですが、ぼくら世代が改めて大人な着こなしに合わせてみても良いのかなと」。

鈴木肇(すずき・はじめ)/ スタイリスト

1976年東京都生まれ。大学卒業後、セレクトショップでの販売員を経て、スタイリストの舛館和憲氏に師事。その後29歳で独立し、ファッション雑誌やブランドのカタログを中心に俳優やアーティストなどのスタイリングを数多く手掛ける。また最近ではブランドのディレクションやコンサルタントも行い、今季の〈ワイルドシングス〉のルックビジュアルではディレクション兼スタイリングを担当。ファッションのみならず自身も傾倒するアウトドアはもちろん、自他共に認めるフットボールフリークとしても知られ、大学時代には全国制覇を経験するなどプレイヤーとしても本格派なアクティブパーソン。

モンスターパーカは改善する余地がない、完成されたプロダクト。

まずは森山さんが「モンスターパーカ」と初めて出会った頃のお話から聞けたらと思います。

森山初めて「モンスターパーカ」を買ったのは、日本で出回りだした2006年頃ですかね。「MR.CLEAN」のディレクターでもあり、友人のクリくん(栗原さん)から買わせてもらったのがきっかけです。それ以降も気に入って何着か買っていたので、いまでもまだ家に3〜4着はあると思います。

初めて「モンスターパーカ」を見た時、どんな印象を受けましたか?

森山当時は、中綿入りのフィッシュテールタイプのアウターというのが新鮮でしたね。その頃から素材はプリマロフトを使っていたと思いますが、機能素材と呼ぶに相応しく、いざ着てみたら驚くほど快適で。デザインもアームと身幅が広かったのですが、それはアウターの上から着るためのアウターということでの設計だったんですね。理に適っていますよね。そうしたきちんとした背景のある服としてのディテールが感じられて、いま改めて見ても良いなって思いますね。

古着好きな人の視点ですね。ちなみに、その当時はどういったアイテムと合わせて着こなすことが多かったですか?

森山昔からブルーデニムを履くことがほとんどなくて、タイトなレザーパンツやブラックデニムと合わせることが多かったです。当時のモデルは現行以上にボリュームがあって、その分ボディが落ちて丈感が長かったので、レイヤードや上下のサイジングのバランスは意識していましたね。その頃は古着メインでスタイリングを構成していましたが、いまなら古着だけでなく、自分の好きなブランドのアイテムとミックスしながらコーディネイトするのも良さそうですよね。

なるほど。当時のモデルと比較してみて、〈ワイルドシングス〉の「モンスターパーカ」の印象はいかがですか?

森山間違いなく当時の「レベル7」などと比べると着心地は良いですよね。手袋をつけた状態でも開閉できるフロントのテープや、どんな体型の人でも使い易い高さに設計されたボディのポケットなど、機能的なディテールをデザインとしても昇華していて、無駄がないなと感じます。

カラーリングに関してはいかがでしたか?

森山ブラック、ベージュ、リーフの三色展開ですよね。ブラックは昔から好きなカラーでベーシックに合わせられるアイテムなので、間違いなく重宝しますよね。それ以外のベージュとリーフは、「モンスターパーカ」と言えばのカラーリングで、これらも外せないですね。特にリーフはオリジナルよりも濃くて良い色ですよね。

ほかに気になるディテールなどはありましたか?

森山沢山あるんですが、細かいところだと袖部分に配された素材切り替えのパッチはいまの素材感の方が良いなと思います。当時のモデルだと着古していくと色が白くなっていき、どうしても使用感が出ちゃうんですが、〈ワイルドシングス〉の「モンスターパーカ」は表面に劣化した変化が出づらい。本当に細かいんですけど、こうしたアップデートは嬉しいですね。

森山さんご自身は、普段どんなシーンや気分の時に「モンスターパーカ」を着ますか?

森山寒い時は基本着ていますよ。というのもぼくはダウンジャケットって着ないなんですよ。昔からダウンじゃなく中綿で十分だと思ってて。あとは気分によってフードを出す、出さないも変えていますね。ステンカラーコートのように着たい時は、フードを収納して、ミリタリーコートとして着たい時はフードを出します。「モンスターパーカ」の場合は、フードひとつで表情がガラッと変わりますから。

なるほど。それは森山さん流のマイルールですね。

森山「モンスターパーカ」はミリタリーウエアの中でも特に完成されているプロダクトなので、本来の魅力を引き出すような着こなしを心掛けています。それこそカジュアルな着こなしは当然合いますし、スーツなんかに羽織ったって新鮮で良いと思いますよ。

デザイナーという立場から「モンスターパーカ」のようなミリタリーウェアからインスピレーションの着想を得ることもあるんでしょうか?

森山もちろんありますよ。基本的に自分のブランドでも改善の余地がある古着を解体し、ブランドのフィルターを通して再構築していくことが多いので。特にレディースのアイテムをデザインする時には、メンズのアイテムによく見られるディテールやシルエット感を参考にすることが多いんです。実現こそしませんでしたが、今季の〈77circa〉のアイテムの中でもフードのボリューム感を参考にして サンプルをあげたりはしていました。ただ残念ながらそのアイテムとの相性もあって商品化はしませんでしたが。

それはレディースに限らずメンズのアイテムでも同じなんでしょうか?

森山そうですね。普段から古着のアイテムをアイデア材料に、面白いネタはないかなと掘っているので、「モンスターパーカ」のような現代にも活かせるディテールが満載のアイテムはある意味でサンプリングネタの宝庫ですよね。ただプロダクト自体は先ほども申し上げたとおり、完成されている部分もあるので改善する余地があまりない気もしています(笑)

いろいろとクリエイティビティが掻き立てらるアイテムというわけですね。

森山「モンスターパーカ」を春夏でも提案するとしたらどんなアイテムになるかなとか、レディースでも着やすいシルエットを提案するには、とか。昔から好きなプロダクトだけにアイデアは湧き水のように出てきますね(笑)

モンスターパーカ ¥38,000+TAX

長身を活かしたアウターオンアウターのレイヤードスタイル。丈感や首元辺りの重ね着でレイヤードならではの表情を演出。落ち着きのあるグレーをベースにシック印象に。フードは出して、フロントを開けて着こなすのが森山さん流。

「アウターの上からも羽織れるアウターという特性を存分に活かしたスタイリング。真冬はこれくらいのレイヤードがちょうどいいんですよね。色味は基本統一し、シルエットがオーバーサイズな分、大人っぽい雰囲気に見えるよう意識しています」。

森山直樹(もりやま・なおき)/〈77circa〉デザイナー

1977年東京都生まれ。かつてユニセックスブランドの〈fev〉を手掛け、様々なブランドのOEM業に携わりながら、ファッションシーンの裏方として活躍。2015年には自身がディレクターを担うリメイクブランド〈77circa〉を始動。学生時代から古着カルチャーに傾倒し、メンズ・レディス問わずあらゆる古着への造詣が深い人物。前出の栗原さんとは旧知の仲で、今回のテーマとなる「モンスターパーカ」もその当時に紹介してもらい、直接購入したという愛好家ならではのエピソードも。来シーズンには、自身のブランドも協業する〈ワイルドシングス〉との別注アイテムも企画中とのこと。

ワイルドシングスはファッションとミリタリーを自在に行き来できる数少ないブランド。

栗原さんといえば、日本ではじめて「モンスターパーカ」を仕入れた人物という印象があります。実際のところはどうですか?

栗原もちろんぼくがはじめというわけではないんですが、古着ディーラーとして取り扱ったのは早かったかもしれないですね。

そもそも最初に「モンスターパーカ」を扱うことになったきっかけはなんだったのでしょう?

栗原以前勤めていた「ロストヒルズ」時代からミリタリーものは特に強化してバイイングしていました。独立後も引き続き力を入れており、「ECWCS」や「PCU」など近年のハイテクなミリタリーものを扱っていた中で目をつけたのが「モンスターパーカ」だったんです。長い年月をかけてルートやコネクションを築いてきたので、そういった新ネタが出ると他の業者さんより先にオファーをもらえるようにもなってきて。

そこから栗原さんの友人でもある国内のデザイナーなどを通して市場に広がっていたと。

栗原そうですね。それこそ古着サミット(栗原さんが参加する『フイナム』の不定期連載)も一緒に参加している〈ネクサスセブン〉の今野くんにも買ってもらいましたし、実際にブランドを通して「モンスターパーカ」をサンプリングしたアイテムも作っていましたね。とはいえ、その頃の古着のマーケットはいまのようなビッグシルエット全盛というわけでもなかったので、「モンスターパーカ」のようなサイズ感のアウターを売るのは一苦労でしたけど(笑)

なるほど。それらを売るためにどんな工夫をされていたんですか?

栗原基本はミリタリーフリークのような人たちが買っていましたが、それ以外にも感度の高いファッション関係者に紹介したり、体の大きい人にお勧めしていたりはしましたね。それと当時は値段も上代3万円で売っていたので、現在の相場から言ってもかなりのお得感はあったと思います。

それは確かにお得ですね。最近でも「モンスターパーカ」の価値というのは高騰しているんですか?

栗原状態やメーカーにもよりますが、いまは当時の2~3倍近い価格帯で売られています。先に挙げた人たち以外にも、若い層へも受け入れられるようになりました。近年では古着好きでなくともMA-1やフィッシュテイルパーカなどをビッグシルエットで着こなす方も多くなっているので、そうした流れから「モンスターパーカ」に辿り着く人も少なくないみたいですね。

そんな中で今回、実際に〈ワイルドシングス〉の「モンスターパーカ」を見てみて、いかがでしょうか?

栗原ベースとなるデザインはきちんと踏襲されているなと感じました。セクリ社製、ビヨンド製それぞれの良いディテールがチョイスされていたり、シルエット感やインナーの素材、ポケットの使い勝手など現在的にアップデートされている箇所もある。良いバランスじゃないかなと思いますね。

特に気に入ったディテールなどはありましたか?

栗原普段「モンスターパーカ」を着るときって、あまりフードは出さない派なんですよね。その時は襟裏に収納しているんですが、M-65やモッズコートなど昔のミリタリージャケットに比べてボリュームのあるスタンドカラーが特に気に入っています。

なかなか複雑ですね。分かりやすく「モンスターパーカ」について簡単な説明をいただけますでしょうか?

栗原セクリ社とビヨンド(社名はオーク社で、ビヨンドはブランド名)によって製造されていた「モンスターパーカ」は00年代中頃から10年代中頃まで製造、支給されていました。ぼくが特に懇意にしていたのが、「PCU」と呼ばれるレイヤリングシステム(米兵が遂行する作戦の状況などに合わせて重ね着をしていくこと。レベル1~7まであり、数が大きくなるほどアウターに適したものになっていく)のレベル7に該当するアイテムです。その中で年代によってジェネレーション1~3に分かれており、「モンスターパーカ」はジェネレーション2から存在し、そちらはセクリ社、ジェネレーション3はビヨンド製になります。ちなみに「PCU」は特殊部隊兵にのみ支給されており、一般兵用には「ECWCS」という別のレイヤリングシステムが存在します。

なるほど。なんだか栗原さんがアメリカ軍の人に見えてきました(笑)。ちなみにそういった知識というのは、一般的には公表されていない情報もあると思いますが、どのようにして知り得たのでしょう。

栗原一般の米兵よりは詳しいかもしれないですね(笑)。ミリタリーモノに関してはどれも共通して言えることですが、そのアイテムがどういった目的を持った人たちに向けて作られたものなのか、ということを考えながら貴重な資料ともなる過去のプロダクトを買い集め、比較していくことで少しずつ全貌が見えてくるんですよね。もちろん現地のディーラー、軍関係者から話を聞いたりしながらというのもありますけどね。

そうした知的探究心が、栗原さんのライフワークとなっている”古着を掘る”という活動につながっていくわけですね。

栗原そうですね。特に近年のハイテクなミリタリーものは経年変化によって魅力が増すというものでもないので、コンディションはもちろんですが、知識もしっかりと持って価値を判断していく必要があるんです。あとは単純にタクティカルメーカーをはじめ、あらゆる機能や技術が集結して完成したプロダクトなので、たとえ街で着るタウンアウターとしてもやっぱり申し分ないんですよね。

少し話が戻りますが、「モンスターパーカ」を普段から愛用する栗原さんにとって、どんなシーンや気分の時に着たくなりますか?

栗原デイリーなアウターとして着ているんですけど、その感覚はいまも変わらないですね。レベル7の名の通り、防寒性が高いのでインナーを軽めにしてゆったりとしたシルエットで着ても良いだろうし、いまだったら逆にコートなんかの上からジャストな感じで着ても良いですし。ただシーンで言えば、「モンスターパーカ」は日本で着ることが多いんですが、アメリカへ買い付けに行ったときは「ハッピースーツ」を着ることが多いかな。

「モンスターパーカ」をはじめ当時のミリタリーウエアが軒並み枯渇していく中で、そうしたウェアが現代的な解釈によって蘇り、新鮮な気持ちでいま改めて手に取れるというのは嬉しいですよね。

栗原そうですね。しかし一方で「ハッピースーツ」などのモデルをアメリカ軍に納入していたり、本格的なタクティカルメーカーとしての顔も健在です。〈ワイルドシングス〉はファッションとミリタリーを自在に行き来できる数少ないブランドなので、今回のコレクションはもちろん、今後のラインナップも楽しみですね。

モンスターパーカ ¥38,000+TAX

ベロア製の刺繍入りウエスタンジャケットにデニムパンツを合わせた、アメリカンカジュアルの基本とも言えるスタイリング。〈ワイルドシングス〉らしい柔らかな印象を与えるベージュカラーが、着こなし全体をマイルドな雰囲気に包み込みます。

「ボリューミーで程よく丈感もあるアウターなので、インナーは極力スマートに。ミリタリー然としすぎずに、意外性のあるインナーを使ったレイヤードを楽しみながらカジュアルなスタイルで着こなすのがオススメですね」。

栗原道彦(くりはら・みちひこ)/ フリーランス バイヤー、「Mr.Clean」ディレクター

1977年千葉県生まれ。古着シーンにおける伝説の名店「ロストヒルズ」の立ち上げから参画し、以来長年バイヤーとして日本とアメリカを行き来する生活を送りながらシーンの第一線で活躍。その後2011年に独立し、フリーランスのバイヤーとしての活動をスタート。同年にはWEB限定のヴィンテージショップ「Mr.Clean」を始動し、今年11月には横浜に待望の実店舗をオープン予定。現在も変わらず一年の大半をアメリカで過ごすカリスマバイヤー。「モンスターパーカ」にいち早く注目し、日本に広めた張本人として知られる。

モンスターパーカ ¥38,000+TAX

当時のディテールを現代仕様に昇華させた “アウターの上からも着られる”逸品アウター

米軍特殊部隊で採用されているPCU LEVEL 7の「モンスターパーカ」を元型に、現代的なディテールを搭載したアップデートモデルが新登場。ボディには高密度なコットンナイロンを使用したリップストップを、裏地には光沢のあるミニリップストップをそれぞれ配しました。中綿は軽量かつ保温性に長けたプリマロフトを採用しているので、見た目以上に軽く着心地も良好。特徴的なビッグシルエットやミリタリーライクな雰囲気はそのままに、タウンユース向けにモディファイしました。スタンドタイプの衿まわりにはベルクロポケットでフードが収納可能。左袖には正方形のロゴをリフレクタープリントで施し、ブランドの存在感をさりげなく主張します。

インス

電話:0120-900-736
www.wildthings.jp

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