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万能なジョン スメドレーを選ぶ三者三様の理由。

That’s standard!

万能なジョン スメドレーを選ぶ三者三様の理由。

2世紀という途方もない時を超え、クラシックの確たる定番として君臨する英国ブランド〈ジョン スメドレー(JOHN SMEDLEY)〉。いわゆるトレンドとは一定の距離を保ちながら、それでいて、常にファッションの真ん中に鎮座するニットは、あらゆる洋服を着尽くした玄人に好まれると同時に、ファッションの入り口としても機能してきました。ある者には正当なクラシカルスタイルの一部として、ある者にはアイデンティティーを形成する軸として。ハイゲージニットとして無二の存在たる所以は何なのか、異なるフィールドで熟練の着こなしを見せる三方に、いま改めて魅力を問います。

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ニット(ジョン スメドレー「HARCOURT」) ¥31,000+TAX、シューズ(ジョセフ チーニー)¥61,000+TAX(ビームス 六本木ヒルズ 03-5775-1623)

ビームスF ディレクター・バイヤー

西口修平さん

西口さんといえば正統でクラシカルな着こなしが印象的ですが、今日の着こなしのポイントについて聞かせてください。

クラシックの第一義的な色ってネイビーなんです。でも、個人的には黒が気分ということで、黒をクラシックに装ってみたという感じです。少し緩めのジャケットにユーズドのブラックデニムを穿いてサイドゴアブーツを合わせるという、90年代っぽい空気も入れてみました。クラシックの亜流をやっているような。

スタンダードを知っているからこその着こなし方ですね。クラシックの基本は昔から変わらずとも、たとえばハイゲージニットの着こなし方も昔とはだいぶ変わってきたんじゃないでしょうか?

そうですね、僕がクラシックに入りたての頃は、「こう着なきゃダメ」というようなルールに沿うのが当たり前でした。ただ、同じハイゲージニットでも、いまはデニムにもライダースにも合わせちゃっていいという感覚です。なかでも〈ジョン スメドレー〉は、Tシャツ感覚でも着られるし、パーティーにも着ていけます。かつ、着るひとを少し大人に見せてくれますね。

そんな風に着こなしのルールがいい意味で曖昧になるなかで、一枚は持っておくべきハイゲージニットの型というのはあるのでしょうか?

タートルネック(次に登場する西野さんが着用)でしょうね。ファッション業界の人間が、たとえば消去法でニットの型を消していったとする。すると最終的に残るのは、絶対にタートルだと思います。スーツ一枚にタートルを着て、黒い靴を履けば、フォーマルな雰囲気にもなります。一方で、ものすごくカジュアルでも着られるというのがタートルの不思議なところ。奥が深いですよね。冬のスタイルの軸となるような、絶対的存在と呼べるんじゃないでしょうか。

〈ジョン スメドレー〉は、西口さんにとってどんなブランドですか?

実は、自分が初めて買った〈ジョン スメドレー〉はビームス別注のものだったんです。大学時代、いわゆるクラシックみたいな洋服に興味を持ちはじめた頃のことですね。シャツなら〈ブルックスブラザーズ〉、靴なら〈エドワードグリーン〉とそれぞれある程度決まっていたなかで、ハイゲージニットというと〈ジョン スメドレー〉くらいしかなかったんじゃないかな。多分、いまうちのスタッフ100人に訊いたとしても、同じ答えのはずです。それくらい必要不可欠なブランドだし、これからもずっとバイイングされ続けるブランドだと思います。

トップス(ジョン スメドレー「ORTA」) ¥31,000+TAX

ニート デザイナー

西野大士さん

やはり〈ブルックスブラザーズ〉での経歴があるからか、一見カジュアルな西野さんのスタイルには、クラシックな軸があるように感じます。普段どんなことを意識して洋服を選んでいるのでしょう?

最近は、あまり足し算をしないようにしてます。奇をてらったものを着るよりは、普通っぽいものを普通のサイジングで、普通に着るのが一番なのかなって。 僕の好みがあるとすれば、秋冬は基本タートルを着ること。スウェットを着るにも丸首ニットを着るにも、首からちょっとタートルネックを出したいんですよね。それはブルックス時代に唯一ネクタイ(ボウタイ・スカーフを含む)をしなくても店頭に出ることが許されたアイテムっていうのもあって昔から好きだったんですよね。そういう意味では〈ジョン スメドレー〉は本当に万能選手で、ジャケットよし、スウェットよし、厚手のニットよしと何でも合わせられる。値段だけ見ると決して安くはないですが、そういう幅広い使い方ができるのは嬉しいですよね。

ご自身で最初に手に取ったのは、いつのことですか?

もちろんブルックス時代にも着ていましたが、当時はなかなか自分で買えなかったので、先輩に譲ってもらったりしていました。ようやく自分で買えるようになってからは、他ブランド含めていろんなタートルネックを試してきました。でも、そんななか一番バランスがよかったのが〈ジョン スメドレー〉だった。形やカラバリもそうだし、なにより品質が違う。ウールなので基本は下着をかましますが、素肌に触れる感触もものすごく気持ちいい。アウトドアのベースレイヤーにも使われるメリノウールというだけあって、やはりいいなあと実感できますね。

確かに、いまではファストファッションブランドでさえ、質の高いメリノウールのニットを出していますよね。実感できる質の良さはかなり拮抗したものになると思うのですが、ほかとの具体的な違いはどういった点なのでしょう?

これまでいろんなタートルを着てきて気づいたのは、〈ジョン スメドレー〉のニットは首元が緩まないこと。大半のニットは、着たり洗濯したりを繰り返すなかで多少緩むものなんです。でも〈ジョン スメドレー〉のニットは自宅で普通に洗濯できるし、洗うと“戻る”という感覚がある。いい買い物だから、やっぱり長く着たいじゃないですか。そういう気持ちにもちゃんと応えてくれるんですよね。

無闇にトレンドを追わず、決まった型をひたむきにつくり続けているという点では、ご自身のブランド〈ニート〉にも通じるところがあるように思います。

〈ジョン スメドレー〉と並べるのはおこがましいですが、どちらも、言うなれば“白飯”だと思うんです。常になくてはならない存在であり、ふりかけなのか梅干しなのか、おかずを変えることでそれ自体のひき立ち方が全く変わってくるから面白い。時代によってトレンドがあるから、「今季はXLがいいな」ってときもあれば、「Mでぴったりと着たいな」ってときもあります。でも、いずれにせよ結局は〈ジョン スメドレー〉を選ぶと思うんです。

カーディガン(ジョン スメドレー「NAPLES」) ¥34,000+TAX、サーマル、スラックス、ベルト(すべてDELUXE)

デラックス プレス

新井竜徳さん

新井さんが〈ジョン スメドレー〉を着はじめたのは、いつからなのでしょうか?

昔からクラシカルなものが好きで、たとえば羽織なら〈バブワー〉や〈バラクータ〉といった定番ブランドを好んで着ていました。〈ラルフローレン〉なんかも、ガキの頃からずっと好きでしたし。だから、ニットの最高級ブランドというイメージがあった〈ジョン スメドレー〉にも自然と手が伸びたんです。

初めての一枚は覚えていますか?

最初の一枚を買ったきっかけは、ブリッジで取り扱われていたからですね。8割くらいを〈デラックス〉のアイテムが占めているお店でしたが、そういったなかに〈ジョン スメドレー〉が置かれているのが面白くて。いまでこそ、ブランド同士をミックスするそういったお店のスタイルって当たり前になっちゃいましたけど、当時はそれがめちゃくちゃ格好よかったんですよね。

ストリートやクラシックなど異なるテイストを自由な感覚でミックスする新井さんのスタイルにも、通じるものがありますね。〈ジョン スメドレー〉は、スケートをするときにも着ていると聞きました。

そうなんです。もちろん転んだり擦ったりするんですけど、なにしたって全然平気なんですよね。肌触りとか見た目のきめ細かさももちろんですが、そういうときにこそ、クオリティーの高さを感じています。

なかでもカーディガンを選ぶのは、やはり偉大なスケーターの影響でしょうか?

本当に、ディラン・リーダーやイーサン・ファーラーの功績って大きいですよ。それまでのスケートスタイルを壊して、時代を変えたと思います。ゴンズが〈エルメス〉を着て滑ってたのとかも、超格好いいなって。言葉は悪いけど、スケーターがスケーターらしい格好してるのって全然面白くないなって思うんです。みんな同じようなでかいTシャツ着て、ワークパンツ履いて。右向け右っていうのがそもそも嫌いなんです。「いいじゃん、各々好きな格好して滑れば」って思いますね。

純粋に自分の格好いいと思うものを楽しみ、それを無理やりシーンに寄せてしまうことはない、と。

だから僕は、いつも基本のスタイルは変わらないですね。黒いパンツに白T、そしてカーディガン。靴も〈ジーエイチバス〉のローファーか、ブーツなら〈サンローラン〉。たまに好きなバンドのバンドTを着たりするくらいで。〈ジョン スメドレー〉好きには、やっぱりそういうひとが多いんじゃないですか。洋服でも生き方でも、そういうのが、僕は最高に格好いいと思いますね。

リーミルズ エージェンシー

03-5784-1238
www.johnsmedley.jp/

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#JOHN SMEDLEY
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