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趣味と暮らしをアシストするフランス生まれのカングー。 vol.03 / 福地智和 NATURALLY PAINT

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趣味と暮らしをアシストするフランス生まれのカングー。 vol.03 / 福地智和 NATURALLY PAINT

フランス生まれのカーブランドとして人気の〈ルノー(RENAULT)〉。丸みを帯びたポップなデザインと優れた積載力が特徴の「カングー(Kangoo)」は、フランス国内において郵便車として使用されるほど市民権を得るクルマです。今回このクルマに乗ってくれたのは、横浜を拠点にサインペインティングや、クルマやバイクのカスタムペイントを行う「ナチュラリーペイント(NATURALLY PAINT)」の福地智和さん。これまでにさまざまなクルマに乗ってきたという福地さんは、「カングー」に対してどのような印象を持ったのでしょうか。

  • Photo_Fumihiko Ikemoto
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Yosuke Ishii
  • Special Thanks_Power’s Shin-Maruko 
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福地智和 / NATURALLY PAINT

1984年生まれ、茨城県出身。高校生の頃から独学でカスタムペイントを学び、卒業後はアルバイトをする一方でペイントのオーダーを受けながら技術を習得。その後、2010年に「ナチュラリーペイント(NATURALLY PAINT)」を立ち上げ、サインペインターとして看板製作やロゴデザイン、クルマやバイクのカスタムペイントなどを行なっている。

サインペイントは趣味の延長。それが仕事になっただけ。

音楽、アート、サーフィンなどなど、神奈川にはいくつものカルチャーが存在し、それぞれが独自の発展を遂げながらユニークな生態系を形成しています。

そのカルチャーのうちのひとつが、サインペインティング。古き良きアメリカの景色のなかで見かけたオールドスクールなレタリングやグラフィック。その文化が日本に渡来し、とくに横浜で根付いているのです。

「ぼくは茨城県出身なんですが、横浜に来たのはカルチャーがあるからなんです。クルマのカスタムショーのイベントとかよく行われているし、自分が表現しているのと同じジャンルのペイントを見かける機会が一番多い。それに道具を買うお店も整っているんです」

「カングー」を運転しながらそう話すのは、横浜を拠点にサインペインターとして活躍する「ナチュラリーペイント」の福地智和さん。彼がどうしてサインペイントに目覚めたのか? そのきっかけを尋ねました。

「高校生のときに友達のお兄さんが持っていた雑誌を読んでいて、その中でクルマとかバイクにペイントしているのを見てかっこいいなと思って。それで自分のバイクに真似して描いてみたのがきっかけですね。それから友達が『俺のも描いてよ』って言われて徐々に依頼を受けるようになったんです」

もともとクルマやバイクが好きだったという福地さん。そこにカスタムペイントを乗せるところからはじまり、お店の看板やウェディングボードなど、表現の幅が徐々に広がっていったと語ります。

「地元にカスタムするお店がなかったから、自分でやっちゃえと思って。もともと何かを描いたり、つくったりするのは好きだったんです。小学校の頃、図工とか美術の成績はいつも“5”でしたし、ぼくにはふたりの兄貴がいるんですけど、どちらも器用だったので、その影響もあると思います。だからいまやっていることも、趣味の延長。それが仕事になっただけなんです」

仕上がりのクオリティーだけは誰にも負けたくない。

高校卒業後、福地さんは横浜に住むようになり、板金屋や塗装屋でアルバイトをしながら基礎技術を習得。その後はアメリカンダイナーのようなお店で働く一方で、ペイントの仕事もしていたそう。

「働いていたお店には、音楽やサーフィン、それにバイクが好きなお客さんが多くて。そこでペイントの仕事をいただくこともありました。それで徐々に自分のできることの幅も広がって、作業場もそれに合わせてアップデートしていったんです。ペイントだけで食べていけそうだなと思ったときに『ナチュラリーペイント』として屋号を設けました。バイクやクルマのカスタムペイントからはじまって、いまはお店の看板やアパレルブランドのTシャツのグラフィックも描いてます」

いまの作業場に越してきたのは1年半ほど前のこと。「ようやくやりたいことをやれる環境が整いました」と語ります。ほぼ独学で自分の道を切り開いてきた福地さんは、どのようにして技術を磨いていったのでしょうか?

「時間があるときに人が手がけた作品を見にいったり、イベントで作業をしているところを間近で眺めたりしていました。そうすると描く順番とか、どういう道具を使って描いているかがわかるんです。それを今度は実際に自分で試しながら、徐々にやり方を覚えていきました」

いくらテクノロジーが進化を遂げようとも、手描きのクオリティーにはそれにしか出せない味わいや魅力があります。「デジタルが悪いとは微塵も思ってません。ただぼくは手描きでしかできないからそうしているんです」と福地さん。作業をする上で大事にしていることについて尋ねると、こんな答えが返ってきました。

「仕上がったときのクオリティーの高さだけは誰にも負けないように意識すること。それを大事にしています。『これ、手描きでどうやって描くの?』って思わせるくらいのことをしたいなと。とはいえ、いきなりはできないですし、当然失敗もありました。あまり無理をせず、自分のできることの範囲を徐々に広げていくようにしています」

「ナチュラリーペイント」のいちばんの強みは“クオリティー”。曇りなくハッキリとそう答える姿は職人そのもの。その仕上がりの良さに、日本のブランドはおろか、誰もが知るアメリカのトラディショナルなブランドが惚れ込み、福地さんに仕事のオファーをするほど。つまり、“お墨付”きなのです。

「どの現場へ行ってもうまくやる自信があります。たとえ環境が悪かったとしてもすぐ諦めずに、なんとかできる方法を考えてベストを尽くします。あとはやっぱりこの作業場ができたのも大きいです。サイズの大きな什器などにもペイントして納品することができるので」

車内空間が広くて荷物もしっかりと載せられるカングーは最高のクルマ。

この日も福地さんには現場での仕事がありました。そこで必要な道具を「カングー」に積み込んで、目的地へと向かいます。

「ぼくは人とちがうクルマが好きですね。そういう意味ではカスタムペイントすることでオンリーワンのクルマに乗れる。そうすると愛着が湧きますよね。これまで色んなクルマに乗ってきました。ぼくはこういう仕事をしているし、家族もいるので車内が広くて、なおかつ荷物をたくさん載せられるクルマが理想です」

車中ではクルマに関する話題で盛り上がりました。福地さんは「そういう意味ではカングーも理想に近い」と続けます。

「このクルマ、最高ですよ。車内空間が広いし、仕事道具もしっかりと載せられる。それにプライベートでアウトドアに行くのにも、この積載量なら心配ない。家族とどこかへ出かけるのにも苦労しなさそうです」

スムーズにハンドルを切りながらそう話す福地さん。運転するのはほぼ毎日。自宅から作業場や現場までいつもクルマで行き来しているそうです。

「やっぱり大きな仕事が入って、それをやり遂げたときの運転はすごく気持ちがいいですね。首都高を大回りしながら、『俺がんばったなぁ』ってちょっと浸り気味に帰ったりすることもあります(笑)。運転しながら都会の景色を眺めていると、ふと田舎にいた頃を思い出したりして、初心に戻れたりもしますね。つぎはもっとがんばろうとか、どんなことに挑戦しようかなぁとか、ポジティブな気持ちが湧いたり、ワクワクしてくることが多いです」

自分はアーティストじゃない。お客さんと一緒につくるという感覚が大事。

作業場から20分ほどクルマを走らせると、目的地である新丸子の「パワーズ 新丸子(Power’s Shin-Maruko)」に到着。この日はペイントの仕上がりに取り掛かる日でした。

まずはお店で昼食を食べて腹ごしらえをしたあと、作業にとりかかります。

「ぼくはアーティストではないのでお客さんの希望にしっかりと応えるのが自分の仕事だと思っています。例えば『パワーズ』さんの入り口の上にある壁は角度があるので、それも考慮に入れながらパッと見たときになんの違和感も感じないペイントを描く必要があるんです」

お客さん本位の謙虚で丁寧な姿勢。それがあるからこそ、さまざまな方面から仕事の依頼が殺到するのでしょう。

「『こうじゃなきゃ絶対ダメ』っていうのはとくにないんです。お客さんと話をする中でプラスアルファの提案することが大事なのかなと。自分ひとりでやるというよりは、お客さんと一緒につくっている感覚です。それで『いいものができた』って言われるのがいちばんうれしいですね」

もっともっとシーンを盛り上げていきたい。

高校生のときにペイントに魅せられて以来、脇目も振らずにそれだけと向き合ってきた福地さん。その原動力はどこにあるのでしょうか?

「やっているのはペイントだけですけど、その中で新しい方法を模索したり、チャレンジしたりしているんです。やったことがないことに挑戦するときのワクワクや好奇心は常にありますね。だから続けていられるんです。いまも新しい方法を探してますし」

最後に今後の目標について聞くと、思わぬ答えが返ってきました。

「もっと下の世代を育てたいなって最近思うんです。いまはまだそんな余裕ないんですけど、ゆくゆくは誰かと一緒にやることも考えています。いいサインペイントが増えればきっとこのカルチャーに興味を持ってくれる人は増えると思うし、だからいいペインターがもっと必要。これからどんどんシーン全体を盛り上げていきたいですね」

ルノー・ジャポン

Renault KANGOO ZEN EDC(ルノー カングー)
¥2,599,000~ (全国メーカー希望小売価格)

【主要装備】
・右ハンドル
・4,280mm×1,830mm×1,810mm
・ターボチャージャー付筒内直接噴射 直列4気筒 DOHC16バルブ
・総排気量:1.197L
・最高出力(EEC):84kW(115ps*1)/4,500rpm
・最大トルク(EEC):190N・m(19.4kgm*1)/1,750rpm
・トランスミッション:6速EDC(エフィシエント デュアル クラッチ)
・使用燃料:無鉛プレミアムガソリン

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