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FEATURE|アディダスと考える「ものづくり」におけるイノベーション。 VOL.3 田崎佑樹×トーマス・サイラー対談編

アディダスと考える「ものづくり」におけるイノベーション。 VOL.3  田崎佑樹×トーマス・サイラー対談編

ADIDAS ALPHAEDGE 4D

アディダスと考える「ものづくり」におけるイノベーション。 VOL.3 田崎佑樹×トーマス・サイラー対談編

フイナムでも数回に渡り取り上げている〈アディダス(ADIDAS)〉の新ソールテクノロジー「ADIDAS 4D」。リアルテックカンパニーである「カーボン社」と〈アディダス〉が手を取り合い完成させた未来のソールは、どんな可能性を秘めているのか。今回は世界初のリアルテック特化型クリエイティブファーム「カンド(KANDO)」を設立した田崎佑樹さんと、「アディダス ジャパン」の副社長であるトーマス・サイラーさんに登場いただき、「ADIDAS 4D」の魅力や今後について語ってもらいました。

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左:トーマス・サイラー / Adidas Japan 副社長

〈アディダス〉のライフスタイル・ブランド・コミュニケーション部門でキャリアをスタート。2014年より副社長兼マーケティング事業本部長として、日本における商品マーケティング、ブランドマネジメント、スポーツ&インフルエンサーマーケティングなど、あらゆる分野を担当、活躍している。

右:田崎佑樹 / KANDO 代表

1977年、愛媛県生まれ。2013年にビジュアル・デザイン・スタジオ「WOW」に入社。アート&サイエンス、建築プロジェクトを中心にビジョン構築やクリエイティブ ディレクションを担当。2018年にビジョンで世界を変えるクリエイティブファーム「KANDO」を設立し、代表を務める。サイボーグベンチャー「MELTIN」のCCO(Cheif Creative Officer)として総合ディレクションも兼任。

未来を突破するには革新的な技術とクリエイティブの融合が必要。

まずはじめに田崎さんが設立した「KANDO」ではどんなことを行なっているのか教えてください。

田崎「ADIDAS 4D」を〈アディダス〉と共同開発したカーボン社のような、いわゆるディープテックカンパニーのビジョンを構築し、テクノロジーをクリエイションの力と掛け合わせ社会実装し、そのテクノロジーが社会に受け入れられる文化形成を推進する仕事をしています。ディープテックはほぼ基礎科学と同じのハードコアサイエンスですから、技術の本質と事業ビジョンがわかりにくかったり、スタートアップ本人達も認識しづらい事が多いので、「思考実験」と呼んでいるワークショッププロセスをクリエイションの前に必ず行います。ここには複雑な科学の本質を概念化するために人文系知性(哲学、芸術、人類学、漫画学 etc.)を掛け合わせます。このプロセスからビジョンが明確化されクリエイションプロセスに昇華していく事ができます。

現代における“ビジョン”の役割というのはどういったものなのでしょうか?

田崎いまぼくたちが生きている21世紀という時代は、インターネットが普及して、ビジネスと世界自体が概念化してきています。逆に20世紀は、物質を商品化し、それを売買していた時代でした。現代においてどうして日本の企業が弱くなってきているかというと、クラフトだったから。マテリアル(物質、商品)をつくっているから、経済が概念化した時代についていくことができなかったんです。

つまり、ビジネスが概念化した時代において必要なのが“ビジョン”であると。

田崎そうですね。ビジョンの大きさが人類を革新していって、それが強いパワーになって時代をリードしていきます。

トーマスいま現実世界とビジョンと創造性の話がありましたが、実際に我々も“フューチャークラフト”という取り組みのもと、「ADIDAS 4D」のプロジェクトで同じことをしようと思っているんです。今後、“未来の創造”という意味では、クリエイティブな外部の才能と手を取り合う“オープンソース”という考え方が必要になります。

「ADIDAS 4D」はサイボーグにも応用できる!?

田崎さんは「ALPHAEDGE 4D」のリリースイベントにも登壇されましたが、このアイテムをご覧になられて、どんなことを思いましたか?

田崎あれからほぼ毎日これを履いているんですけど、やっぱり弾性がすごいですね。横と縦の弾力が同時に吸収されているのを感じるし、履いているとみんなに綺麗だねって言われるんです。それはこの「ADIDAS 4D」の構造が自然的だからなんだと思います。高次元なテクノロジーって自然に近づいていく。テクノロジーが高度化して地球に溶け込む場合、自然や動物のように最適化されたものに近づくはずなんです。

トーマスそれはすごく興味深いですね。というのも、我々がこの「ADIDAS 4D」に関して次に考えているのはカスタマイズすることなんです。つまり、個人のデータに基づいてシューズをプリントしてつくっていくということ。自然や動物というのはすでに最適化されているわけですが、我々もお客さんに合わせて最適化されたシューズの提供をしていこうと思っているんです。

田崎さんは、今後、このアイテムがどのように進化していくとおもしろいと思いますか?

田崎靴だけじゃなくて、全身に使えそうですよね。それこそサイボーグに使えそうだなって思いました。

サイボーグ?

田崎いまぼくは「MELTIN」というサイボーグベンチャーのCCO(Chief Creative Officer)としても活動しています。MELTINではアバターロボット「MELTANT」を開発しています。いままでのヒューマノイドタイプのロボットはすべからく“実用的な手”の機能を実装できなかったので人間の作業代替が出来なかった。しかしMELTINは世界で唯一、軽く、繊細且つパワフルな作業を、人間の手のサイズのロボットハンドで実現するロボティクス技術とそれを制御可能にする生体信号処理技術を併せ持っています。この二つの技術を組み合わせ人間の創造性を解放するのがサイボーグ技術でありMELTINの達成するビジョンで、あくまでアバターロボットはその通過点に過ぎません。

なるほど。そのプロジェクトに「ADIDAS 4D」のテクノロジーが利用できそうであると。

田崎そうですね、サイボーグの表皮などに使えるかも知れないと思いました。一般的なロボットはプロテクター概念で、要は鎧をつけるような考え方でつくられているんです。「ADIDAS 4D」は同じ個体のなかに弾性と剛性を合体できますよね。人間も生物の表皮も複雑で最適な表皮を持っていて、それぞれがちゃんと機能することで成り立っている。環境に合わせて使い分ければ、「ADIDAS 4D」に用いられている技術をサイボーグテクノロジーにも利用できるんじゃないかと思うんです。

トーマス〈アディダス〉はアパレル製品もつくっていますけどこういうテクノロジーを使ってエクストリームスポーツにも応用できそうだなと考えています。あと、一方ではスポーツ器具にも。たとえば「ADIDAS 4D」の素材や技術を活用すれば完璧な球体がつくれるし、それを応用してボールをデザインすることも可能です。

大きな夢がないと人は動かない。

〈アディダス〉はカーボン社と共にこの「ADIDAS 4D」を開発されたわけですが、パートナーシップを結ぶ中で大事にされたのはどんなことですか?

トーマスやはりビジョンを共有することですね。カーボン社のCEOが田崎さんと同様にビジョンに満ちた人物で、その人に会ったときに共鳴したんです。すでにカーボン社は優れたプリント技術を持っていた。生産の未来は確実にプリントの方向へ向かうだろうということで、自然な流れでパートナーシップがはじまりました。価値観も向かうべき方向も同じことを共有できたからこそ、いいパートナーシップを結ぶことができたと考えています。

田崎ビジョンは大事ですよね。スタートの際にどういうビジョンを目指すのかを話し合うことが重要だと思います。

同じ目標に向かっていく上でということですか?

田崎そうですね。それはもう大前提の話で。ビジョンは目標とする世界観を設定するだけでなく、自分たちの達成したい世界観をどう事業推進して実現するかという事業計画になります。つまり自分たちの事業の広がりを自分たちで計画し、自分たちの革命的なテクノロジーによる新分野の事業創出と既存マーケットとの協業を合わせて考え、実現スキームにしていく。これがビジョン設定の大切さだと思います。

そういう意味で「ADIDAS 4D」はサイボーグにも使えそうだし、かなり大きな可能性を秘めていそうですね。

田崎そう思います。パーソナライズも可能になりますからね。

トーマス〈アディダス〉にとっては大きな一歩ですね。これで実際にワークアウトもできますから。

田崎やっぱり最初は「ADIDAS 4D」の様に。自分たちのビジョンが高いレベルで具現化されたビジョナリーなプロダクトを世に出すのは凄く大切な事だと思います。誰も予期していなかったイメージを最初に発表することが肝心で。そうしないと、世間が注目してくれないし、事業発展していかない。

個人の動きにパーフェクトにフィットする究極の一足。

最後に、先ほどカスタマイゼーションの話もありましたが、改めて「ADIDAS 4D」の今後や具体的な展望について教えてください。

トーマス現在は年末までに10万足つくることに取り組んでします。来年はこのソールを使ったプロダクトをどんどんリリースしていく予定です。この「ALPHAHEDGE 4D」もそうですし、他のモデルにも搭載していきます。将来のビジョンとしては、お客さまが我々のお店に来たらデータを計測して、アッパーもソールも完全にカスタマイズ化した商品をつくれるようにしたいと思っています。個人の動きにパーフェクトにフィットする究極のアイテムです。

今後、ニューモデルや新たなサービスなど、「ADIDAS 4D」にまつわる最新情報はオフィシャルサイトで随時更新されていきますので、こまめにチェックしてみてください。スポーツシューズやスニーカーの未来を、お見せできると自負しております。ご期待ください。

アディダスグループお客様窓口

電話:0570-033-033(土日祝除く、9:30~18:00)
shop.adidas.jp/4d

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