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FEATURE|今、世界のダンスフロアを席巻するテックハウス 2.0とは?

今、世界のダンスフロアを席巻するテックハウス 2.0とは?

DJ DARUMA & JOMMY Interview

今、世界のダンスフロアを席巻するテックハウス 2.0とは?

LDHに所属しEXILE MAKIDAI(EXILE)、VERBAL(m-flo)とともにクリエイティブユニットPKCZ®としてオーバーグラウンドな活動をする傍ら、ルーツであるアンダーグラウンドなクラブカルチャーへの探求を欠かさないDJ DARUMAと、インターナショナルブランド〈ディーゼル(DIESEL)〉のブランドコミュニケーションを担い、DJとして国内クラブシーンを牽引するJOMMY。ともにエレクトロムーブメントの中心的存在としてシーンを牽引した後、現在に至るまで常にフレッシュな音楽を提供し続けている彼ら。そんな二人が最近出会い熱を上げているという”テックハウス”。海外ではすでに大ブレイクしているようなのですが、果たしてそのテックハウスとは一体どんな音楽なのか? 彼らと親交が深いDJ・プロデューサーのYOSAを聞き役に、この新しいムーブメントの全貌に迫ります。

  • Photo_Yusuke Oishi
  • Interview&Text_Yosa Kanda
  • Edit_Jun Nakada
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DJ DARUMA

HIP HOPの魂を持って様々なスタイルのサウンドで全国のダンスフロアを盛り上げるDJ。 ’00年代後半DJ/プロデュースチーム「DEXPISTOLS」としてエレクトロ・サウンドを武器に日本のクラブシーンを大きく変化させた。2015年初頭に「DEXPISTOLS」の無期限活動休止を発表後、DJ/プロデューサーとしてLDHとの契約を経て、新プロジェクト「ピーケーシーズ(PKCZ®︎)」が本格始動。同時にアパレルブランド〈FULL-BK〉のデザイナーを務めるなど、常にその動向に注目が集まるDJの1人。
www.instagram.com/djdaruma

JOMMY

国内やアジアのパーティシーンを飛び回る、東京ストリートカルチャームーブメントを索引するDJのひとり。またファッションブランド〈ディーゼル(DIESEL)〉のブランドコミュニケーションとしての顔も持ち、クラブ、カルチャー、ファッション、ストリートシーンと、幅広いフィールドで活動中。
www.instagram.com/jommytokio

DJ DARUMAとJOMMYが出会った、フレッシュなムーブメント。

そもそもなんですけど、DJ DARUMA & JOMMYという名義はいつからスタートしたんですか?

DJ DARUMAJOMMYがDJをはじめた頃からだから、もう長いことやってるよね。

JOMMYそうそう。当時はDARUMA君がDEXPISTOLSとして活動していた頃だから、それと平行してやっていたんだよね。二人とも元ダンサーだから、二人でやる時はダンスシーンに向けてのプレイをメインとしていた感じ。とはいっても、DJユニットとしてスタートしたというよりは、片方が面白そうなイベントに出る時に”一緒にやらせてよ”みたいな割とラフな感じやるようになったかな。ヒップホップはもちろん、90’sハウスやムーンバートンみたいにダンサー達が心踊る選曲をしてたね。

確かにお二人はその時々のフレッシュな音楽を自由に選曲をされているイメージがあります。

JOMMYそうだね。最近もまた面白いと思うムーブメントが出てきたんだけど、それを象徴するのがバルセロナからスタートしたelrowというパーティで、そこに出ているアーティストやかかっている音楽、パーティの世界観すべて含めてすごくフレッシュ。ここ2年くらいは僕もDARUMA君もそのシーンに影響を受けて、それをなんとか日本でも表現できないかと思って活動しているんだ。

DJ DARUMAムーンバートンやトゥワークが流行った時って、決められたリズムと音色があったから分かりやすかったんだけど、今僕らがハマっているものってもっと曖昧で分かりにくい。便宜上”テックハウス”と呼ばれているけど、人によって捉え方が違うし明確に定義できない部分がたくさんあって。そういう意味ではエレクトロムーブメントの時の感覚に近いかもしれない。音楽のジャンルとしてのテックハウスは昔からあるものだから、このムーブメントをテックハウスと呼ぶことにずっと抵抗があったんだけど、今ここで呼ばれるテックハウスは”テックハウス 2.0”とでも言うべきか、さっきJOMMYが言った通り音楽だけじゃなくそこに付随するカルチャーや世界観も包括したもの。だから新しいジャンルを見つけた! というよりも、得体の知れないムーブメントを見つけたという感覚なんだよね。

JOMMYこれまでのテックハウスって黙々と踊るためのストイックなイメージの音楽だったけど、それとはまた別物だよね。だからはじめ、二人の間ではニューハウスなんて呼び方もしていたくらい。でも海外のアーティストたちとこのことについて話した時に、みんな『俺たちがやっていることはテックハウスだよ』って明確に言い切っていて。それからは僕らもこれをテックハウスと呼ぶことに抵抗がなくなってきたかな。

DJ DARUMAそうそう。それに彼らも僕らと同じ感覚で、これまでのテックハウスとは全く違うものであることも認識した上でテックハウスと呼んでいるんだよね。『もしかしたらこれは一過性のムーブメントになってしまうのかもしれないけど、現状で言えば世界的にすごくいい状況になってきているから、今はこのテックハウスを思い切り楽しもうよ』って言っていて。個人的にはそれを聞いてスッキリして、普通にテックハウスと呼ぶようになった。その経験って実はエレクトロの初期にもあって、KITSUNÉのマサヤ君に『DARUMA達がやっていることはエレクトロだよ』って言い切られたの。それまではニューレイヴとかとも呼ばれたりしていて、みんながなんて呼べばいいのか分からなかった時だったんだけどマサヤ君にそう断言されて、それからエレクトロというワードが僕らの間で共通認識として浸透していったんだよね。実際、今海外では『テックハウスはネクストEDMになり得るか否か』みたいなタイトルのトークセッションが行われたり、メディアの特集が組まれたりしているし、世界共通でこのムーブメントをテックハウスと呼ぶことにしたんだと思う。

とはいえまだまだテックハウスというワードだけで誤解する人は多いでしょうね。特に長くダンスミュージックに携わってきた人ほど。だからさっきDARUMAさんが言った”テックハウス 2.0”というワードは、今のムーブメントをうまく表現しているかも。

DJ DARUMAまさにそうで、僕たちは本来のテックハウスを最先端なものとして捉えている訳じゃないからね。そのことはまずみんなにわかっておいてもらいたい。

elrowのようなパーティがブレイクしたり、FISHERのようにシーンを象徴するようなアーティストも出現したりと、これからどんどん大きなムーブメントになる可能性は充分にありますよね。そもそもお二人はどのようにこのテックハウス2.0に出会ったんですか?

JOMMYelrowを知ったのは気になるアーティストがこぞって出演していたから。その様子をinstagramで見て、サーカスみたいな世界観の中でそれほど派手でもないハウスミュージックで大盛り上がりしている状況、これは一体何なんだと面食らって。調べてみると、elrowは世界各所で開催されている移動式パーティなんだということが分かった。ノマドをイメージしたものや中国の歴史的文化を模したもの、90’sヒップホップ的なグラフィティを会場中に施したものとか、装飾にはいくつかテーマの種類があるんだけど、そのelrowが表現している世界観とそこで鳴っている音楽のコントラストとバランス感がこれまで見たことのなかったものだったから、そこにやられたのかな。

DJ DARUMAelrowには装飾のテーマとなるコンセプトがいくつかあって、それが世界中を移動しているんだよね。だからノマドのコンセプトがニューヨークで開催されている日に、チャイニーズニューイヤーのコンセプトがイビサで同時に開催されていたりする。元々は150年前にJose Satorres っていう人が、スペインのカフェでスタートしたらしいんだけど、それが今やシルク・ドゥ・ソレイユみたいに世界中で興行を行うビッグイベントになってるんだよね。僕もJOMMYと一緒でinstagramで彼らのパーティを見て、この内装にこの音楽って一体何なの? ってなったよね。フロアに異常に手の長いラクダ人間がいたり、雄叫びをあげているアバターみたいな生物が出てきたり、単純に見ていてすごく面白いし、現実と非現実の境目を曖昧にしたelrowの世界観は本当に新しいと思う。

ムーブメント到来の予感を決定づけた『elrow』。

あの世界観は確かに一度見たら忘れられないくらいショッキングな世界観ですもんね。SNS全盛の今、視覚的に強い表現をしているelrowはものすごく時代にフィットしたものなのかも。お二人は昨年のSONICMANIAで実際にelrowでプレイされていますよね?

JOMMYあそこでプレイして実際にelrowを体感できたことは、このテックハウス2.0のムーブメントの到来を確信する上で大きなことだったと思う。コマーシャルな音楽なんて一度もかからなかったのに何千人のフロアいっぱいのお客さんが一晩通して踊り続けていたからね。あれが日本で成立したことが素晴らしいと思ったし、かつての日本のクラブシーンのようにそうなっていくべきだと思ったな。

DJ DARUMAビッグネームのDJがプレイしているんだとしたらその状況も分かるんだけど、あの夜プレイしていたelrowのレジデントDJ達の事は、多分あの日フロアにいたお客さんのほとんどが知らなかったと思う。それでも最後に音が止まった瞬間フロアから大拍手が起こるほど感動的なシーンだった。DJのフェイムだけじゃなく、純粋に音楽とその世界観でロックしたelrowのパワーは本当にすごいと思ったね。

SONICMANIAのお客さんでelrowを知らずに通りかかったものの、まず視覚的にあの世界観に惹きつけられて、気づいたらそのまま朝まで踊り続けていたという人も多かったでしょうね。

DJ DARUMA後日SNSで検索してみたら、やっぱりそういうお客さんがたくさんいた。Flying Lotusのようなサウンドが好きな層もEDMが好きな層もサマソニ好きなフェス層も、みんな入り乱れてそれぞれの楽しみ方をしていて本当に素晴らしいパーティだったな。サマソニを主宰しているクリエイティブマンのチームも、elrowに対してかなりの手応えと可能性を感じていたと思う。実際僕もelrowは今後日本で少なくとも万単位のお客さんを動員するパーティになると思ってる。

JOMMYelrowだけでなくテックハウス 2.0ってそれくらい開けたものであるべきだし、そこが面白いところだと思う。

実際FISHERなんてグラミー賞にノミネートされるほどの規模感になってきていますもんね。

DJ DARUMAそのノミネートされた”Losing It”は、今や色んなジャンルにエディットされて四つ打ち以外のパーティでもめちゃくちゃかかっているからね。

JOMMYLosing Itだけじゃなく、いわゆるテックハウス2.0的な曲がヒップホップエディットされているものが最近増えているよね。ヒップホップの曲をサンプリングして四つ打ちのトラックに乗せることはこれまでも多くあったけど、今はその逆が起き始めているのが面白い。そういうところからもテックハウス2.0ブームになってきていることを感じるな。

テックハウス 2.0を体現するパーティ『EDGE HOUSE』がスタート。

とはいえ、日本ではまだそのテックハウス2.0の受け皿がない状態ですよね。

DJ DARUMAそれで、このテックハウス 2.0という新しい感覚を共有できるパーティをはじめようというのが、これから渋谷SOUND MUSEUM VISIONでスタートする『EDGE HOUSE』。実はこの企画は僕らが持ち込んだものではなくて、VISIONサイドからいただいたものなんだよね。VISIONチームも僕らと同じように、新しいハウスのムーブメントが生まれつつあることに気づいていて、大造さん(VISIONを運営する株式会社グローバル・ハーツの代表取締役)が僕たちがやっていることがそれに近いんじゃないかと直々に声をかけてくださって。基本はグローバルハーツ全体のディレクターのタイシ君が支えてくれて、オーガナイズチームには元ageHaの浩介くん(現Lost and Found代表)やナオキ(FLEMMING代表)がガッツリ入ってくれていたり、ロゴやアートワーク周りはGUCCIMAZEくん(Nicki Minajのロゴデザインも手がける日本人デザイナー)がデザインしてくれていたりと、ものすごく良いスタッフたちが同じ感覚を共有しながらスタートするイベントなんだよ。

JOMMY僕ら演者だけでなくスタッフのみんなが同じ意識を持ってパーティを作ろうとしているってことはすごく感じるよね。店任せだったり、逆に演者任せなイベントでは無く、『EDGE HOUSE』はそれぞれがそれぞれの立場で一つのところに向かおうとしている感覚があるから、絶対にいいパーティになると思う。はじめはマンスリーか、隔月でやらせていただくものだと思っていたんだけど、それがまさかの毎週土曜日に開催するって話が出ていて。

毎週開催というのはクラブとしてかなり大きな舵の切り方ですね。VISIONがいかにこのムーブメントに可能性を感じているかということが窺えます。

DJ DARUMA確かに大胆に見えることかもしれないけど、このVISIONの舵の切り方はすごく理にかなっていると思う。毎週末、帯で開催してカラーを統一することで、VISIONという箱はこういう箱ですということを国内外のお客さんに明確に伝えることができるんじゃないかな。週末の箱のカラーを完全にイメージ統一させる為には月に一回や二ヶ月に一回のイベントではなかなか表現できないし定着させられない。でもこれから2020年に向けて海外のお客さんが増えていくということを考えても、すごく合理的だと思う。毎週開催はとにかく大変なことだし、これから始まることだからまだどうなるのか分からないことも多いんだけど、トライ&エラーを繰り返しながら夏頃には東京のHOUSE/TECH HOUSEのパーティとして確立されたものになったらいいなと思っています。

JOMMYその初回となるのが2月2日(土)で、ゲストはこれまでの話で度々話題に上がっているelrowのレジデントであるMarc Maya。デコレーションもしっかり入れるし、テックハウス2.0という新しい感覚をみんなで共有して楽しめるパーティにできるといいな。

イベント情報

EDGE HOUSE

日時:2月2日(土)22:00〜
会場:SOUND MUSEUM VISION
住所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビル B1
電話:03-5728-2824
チケット:前売り ¥2,500 当日¥3,000
www.vision-tokyo.com

LINE UP:

【GAIA】
Marc Maya(elrow music / Spain)
DJ DARUMA(PKCZ®)&JOMMY
YOSA
CARTOON
KENTACATS & YO4
VJ:VJ MANAMI(SYMBIOSIS Inc.)
Deco : KANOYA PROJECT

【Deep】
TREKKIE TRAX CREW
hara(HyperJuice)
Allen Mock b2b Herbalistek
Maru feat.Onjuicy

【WHITE】
SHIORIYBRADSHAW
LITTLE DEAD GIRL
DISK NAGATAKI
THE ANTOINETTES
KENCHAN

【D-Lounge】
STONEVIBES
いしはまじゅん
Sayaka(Neutron Inc.)

EDGE HOUSE vol.2

日時:2019年2月9日(土) 22:00〜
会場:SOUND MUSEUM VISION
住所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビルB1F
電話:03-5728-2824
チケット:前売り ¥2,500 当日¥3,000
www.vision-tokyo.com

LINE UP:

【GAIA】
Bastian Bux(elrow music / Spain)
DJ DARUMA(PKCZ®)&JOMMY
CARTOON
KENTACATS
TOMOYA
VJ:VJ MANAMI(SYMBIOSIS Inc.)
Deco : KANOYA PROJECT

【DEEP】
YAMARCHY(DISKO KLUBB)
FAME
TEE
MASATO(KANDYTOWN)
Minnesotah(KANDYTOWN)

【WHITE】
WATAPACHI
Ryuw
MARZY
NABEWALKS
UG GATES
Koshy
Produced by PROPERPEDIGREE

【D-LOUNGE】
Shohei Yamashita
JUN NAKADA
Boiledeggs

EDGE HOUSE vol.3

日時:2019年2月16日(土) 22:00〜
会場:SOUND MUSEUM VISION
住所:東京都渋谷区道玄坂2-10-7 新大宗ビルB1F
電話:03-5728-2824
チケット:前売り ¥2,500 当日¥3,000
www.vision-tokyo.com

LINE UP:

【GAIA】
Claptone(Germany)
DJ DARUMA(PKCZ®)&JOMMY
CARTOON
VJ:VJ MANAMI(SYMBIOSIS Inc.)
Deco : KANOYA PROJECT

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