テレビアニメ版『巨人の星』、といっても知らない人も多いかもしれない。ぼくらが小学生の頃放映されていた、ある意味国民的なテレビアニメだった。昭和を代表する作品のひとつと言っても言い過ぎではない。番組は、♪思い込んだら試練の道を~というオープニングソングから始まる。
アメリカのメジャーリーグを大リーグと呼んだり、ジャイアンツのことを巨人軍などと表したのもこのマンガの影響だ。巨人ファンやアンチ巨人という野球ファンの拡大に貢献したし、競技人口の増大にも大きく影響したと思う。自分も小さい頃は空き地で野球やってたし。またど根性スポーツアニメ、いわゆる「スポ根」ジャンルの嚆矢である。
大人になり飲みの席で学生時代の部活の話になった。
ぼくはサッカー部で1年生は練習の前後、昼休みにグラウンドにローラーをかけるという伝統があるという話をしたら、友人のひとりが「ああ、コンダラね」というのであった。
コンドラ? なんだそれ?
他の友人たちも話に入りようやくわかったのはコンドラ男が間違っていたということである。巨人の星のオープリングで主人公の星飛雄馬がローラーを弾く姿を見て「重いコンダラ~」と誤解していたのである。
こういう間違いは誰にでもある。自分もずいぶん年を取るまでに、人間ドッグだと思ってたし、アボガドと口にしていた。
バックパックのこともデイバッグだとばかり思っていた。なるほど一日分の荷物を運ぶからデイバッグなんだと、意外と間違っていないような誤解をしていた。正しくはデイパックですね。
デイパック、若い頃は仕事に行くときによく使ってた。スケジュール帳やノート、筆記用具、カメラ、ウォークマンに財布、そして雑誌や文庫本。いまではそれらすべて携帯ひとつで事足りるというのもすごい。
昨年、サンフランシスコのサーフショップで〈パタゴニア〉のデイパックを買った。これなら最近増えている1~2泊の国内出張にぴったりだ。
帰りの飛行機に搭乗するとき、パソコンや身の回りのものを詰めるのにもすごく役立った。
しかしよく考えると出張で使うには不便な点も多い。収容室がひとつしかないから、パソコンから着替えから書類やらすべてそこに入る。人前で開けられないという問題。
要するに使い物にならない。やはりそれ用に作られたバッグというものが必要だった。
この〈ザ・ノース・フェイス パープルレーベル〉のバッグは非常によくできている。痒いところに手が届くというか、ここが痒かったんだというところまで気づかせてくれた。しかも軽いしね。
自分で持つバッグを選ぶ基準はデザインや色もあるけれど、実はいちばん重視しているのが重さ。軽いに越したことはない。
しかしいまさらこうした3ウェイのバッグの良さに気づくというのも、どうかと思う。世間で活躍されているビジネスマンの皆さんは先刻承知。まだまだ青いということです。
アボガド、もといアボカド。いまだに誤解している言い間違い、まだまだありそうだ。