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現代に蘇るスミス アメリカンの骨太な美しさ。

How to making your style with SMITH’S AMERICAN.

現代に蘇るスミス アメリカンの骨太な美しさ。

1906年にブルックリンオーバーオール社のプライベートレーベルとしてスタートしたワークウェアブランド〈スミス アメリカン(SMITH’S AMERICAN)〉。ヘビーオンスのデニムやダッククロスを使用したアイテムの数々は、その機能性と耐久性から当時のリアルワーカーたちに愛されてきました。そんな同レーベルが、改めてMADE IN NYにこだわった骨太なコレクションを発表。1stシーズンは、時代ごとのオーセンティックな要素の取り入れ方に定評のあるセレクトショップ「シップス」のみで展開されます。ここでは、そのコレクションの魅力を、年代や性別、スタイルが異なる3名の男女による着こなし、そして「シップス」バイヤー、田中さんの言葉とともに紹介します。

  • Photo_Shin Hamada
  • Text_Maruro Yamashita
  • Edit_Jun Nakada
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スタイリスト

小林新さん

〈スミス アメリカン〉の服をご覧になってみて、どのような印象を持たれましたか?

元々ブランドのことは知っていましたし、この手の復刻系のブランドって割と多いじゃないですか。ただ、このカバーオールはカッティングや縫製もすごく綺麗だし、リローンチするにあたって、余計なことをしてないなっていう感じが良いですよね。もちろん当時のものなんて形が良いとか悪いとかないから、縫製やシルエットの綺麗さは多かれ少なかれ意識はしているんでしょうけど、基本的には当時のものを踏襲しているんだろうなと。

なるほど。余計なギミックを施さずに、本質的な部分を大切にしているという印象を抱かれたんですね。

そうですね。創業当時のブランド感ていうのを損なわないように意識しているんだなっていう感じがしました。リアルに欲しいなってやつです。それに、丁寧に作られているからこそ、上品に着れるワークウェアなんですよね。今日みたいにスラックスに合わせたり。この生成りの雰囲気も良いですよね。

こういうド直球なワークウェアを、今スタイリングするにあたって、気をつけたいことや心がけたいことはありますか?

着る人の世代感によって変わってくるのかなと。例えば女の子だったらオーバーサイズに着るのも可愛いなって思うし、僕らみたいな世代だったら、タイドアップしてみてもいいし、もっと男っぽく着たいなっていう時はセットアップで着てもいいなって思うし。その時に気をつけないといけないのは、こと僕らの世代で言うと上品さ。やっぱりこういうアイテムをファッションに取り入れるのであれば、丈感やインナーに合わせるもの、例えば今日みたいにボタンは全部閉めるとか、そういうちょっとしたことを気をつけたほうがいいのかなって感じはしますね。

パープルシングス デザイナー

菊乃さん

菊乃さんのワークウェアやヴィンテージアイテムへの印象を教えて頂けますか?

古着は個人的にあまり得意じゃないんですけど、元々ワークウェアはすごい好きで、特にオーバーオールやツナギはめっちゃいっぱい持ってます。

この〈スミス アメリカン〉のように、歴史あるブランドが改めてリスタートすることに抵抗はないですか?

ないですね。逆に私にとってはすごく手に取りやすいというか、ありがたいというか。メンズは特にですけど、やっぱりワークウェアは歴史だったり、このアイテムがどうだとか、あれがああだとか(笑)。背景やディテールにこだわる部分があるから、間違ってるのを着ると皆からそれ違うでしょ! ってなりがちなんですけど、私はそういうのあんまり分からないから、新品だけど歴史のあるものを着られるっていうのは単純に嬉しいし、女の子も取り入れやすいんじゃないかなって思います。

たしかにメンズは歴史やディテールについて言及しがちですよね。そういう類の付加価値についてはどう思いますか?

良いことだと思います。女の子はそういうのあんまり気にしないじゃないですか。基本気分重視というか、今自分が着たいものとか今何が流行ってるとか、そういうことで決めがちですし。だから見た目だけじゃなくて、ブランドの背景や歴史とか、その服を作っている人が何をやってたかとか、そういうのを気にしながらモノを買うのは素晴らしいことだと思います。

〈スミス アメリカン〉のようなワークウェアをどういう風に着こなしたいですか?

ちょっとストリートっぽい感じに合わせるのも好きですし、古着っぽくアメリカンな感じで着るのも可愛いと思います。生成りのカバーオールも可愛かったですね。使えそうだなって思いました。

シュガーヒル デザイナー

林陸也さん

〈シュガーヒル〉はいつスタートしたんですか?

スタートしたときはニューヨークにいて、この春夏で4シーズン目になります。ニューヨークでは元々ファッションデザイナー志望で勉強していたんですが、ある時インターン先だった〈ランドロード〉デザイナーの遼平さんから「もうインターン来なくていいから学んできたことを形にしろ」って言われて、「じゃあやります!」っていう流れで始まりました。

ブランド名の〈シュガーヒル〉は、ニューヨークのハーレムエリアにある小さくてローカルな街の名前です。地域に根付いていて、昔から住んでいるおじいちゃんやおばあちゃんもいれば、何十年も前に移民として入ってきた人たちもいて。そういう飾らないクラシックな雰囲気の中で生活していると、ファッションではなくスタイルのある人っているんですよね。そういう人たちを見ていて、空気感が自分にはしっくり来たんです。それこそ最初はテーマでした。そこが自分のルーツだったり、自分の好きなもの、興味があるものと繋がっているっていうのが大きく引っかかっていて、そのままブランド名になりました。

服を好きになった入り口が、モードよりも古着だったりヴィンテージのものだったり、昔の服を見て、なんでこういうディテールになっているのか? どうしてここが汚れているのか? って考えて、そのストーリーを解釈するのが好きだったんです。

モードを追って来たわけではないんですね。

ずっと見てはいるんですけど、同じ額出すなら、たとえ着れないものでも古着を買ったほうが自分にとっては嬉しいことだったんですよね。

〈スミス アメリカン〉のことは知っていましたか?

ブランドのことは知らなかったんですけど、アイテムを見たときに知らずとも感じるブルックリン感というか、あのエリア特有の空気が伝わってきて、とても素敵だなと思いました。普段からあまり白い服を着ないのですが、こういうコテコテで強い服もいいなって、リスペクトが強くて自分で作るのはまだ怖いですけど。でもいつか、直球だけど何かいいよねっていうアイテムを作ってみたいなとも思います。

SHIPS バイヤー 田中楽さんに聞く〈スミス アメリカン〉の魅力。

田中さんは〈スミス アメリカン〉にどのような印象を持っていたんですか?

俗に言うスーパーヴィンテージとかと横並びになるようなレーベルではないですけど、リアルワークウェアとして名前は知られているのかなっていう印象です。

元々持っていたりしましたか?

それが持ってなかったんですよ。

今回展開されるラインナップは、かなり渋めな路線ですよね。バイイングの決め手は何だったんですか?

捻くれ者だからっていうのが一番の理由なのかもしれないですけど、発想としては若い子が逆にガラケーかっこいいっすっていうようなことに近いというか。必要以上のスペックより、生活必要最低限の機能を持っているものってかっこいいじゃないですか。それってワークウェアとかミリタリーウェアにも通ずるものだと思うんですけど、時代に逆行したものがかっこいいっていう感覚は、多分トレンドの中にもどこかあるんじゃないのかなって思っています。

いつの時代にも必ず存在する感覚ですよね。

そうですね。結局皆好きでしょ? みたいな提案てことですかね。時代には媚びてないけど、皆が絶対好きなものってワークウェアじゃないですか。

ワークウェア好きの田中さんから見て、実物はいかがですか?

カバーオールとか、ワークウェアがなんなのか? というのは、諸先輩方がたくさんいるので、自分が語るのは難しいですが、代表的なディテールが分かりやすく入ってるなっていうのが印象的でした。チェンジボタンだったりガチャポケだったり、そういう“ザ・ワークウェア”な要素が入っていて分かりやすいですよね。

路線としては渋いけど、ワークウェアの中ではキャッチーさがあると。

そうですね。直球な要素がてんこ盛りなのかなと思います。すごい詳しくなくても、チェンジボタンてこうだよねとか、ポケットのディテールって分かるところが入っていて。捻くれてないっていうところも良いんじゃないですかね。

今の「シップス」のラインナップの中では、どういう存在になりそうですか?

うちだと滅茶苦茶オーセンティックな、「ミウラ&サンズ」の頃からのお客さんもいれば、〈ヴァイナルアーカイブ〉や〈オーラリー〉のような服を買ってくれる若い層まで、かなり幅広いので、この手のアイテムに関しては、本当に好きに着て欲しいっていうか。インナーに〈ギットマン〉のBDシャツを着ても良いし、発色の良いパーカを着ても良いし、若い女の子がガバッと大きめに着てくれても良いし。

自由にってことですね。こういう服って久々で、逆に新鮮ですよね。

ホントですよね。今のトレンドとは少し違うかもしれないけど、こういうアイコニックなアイテムをあえて置いてみたかったんです。セレクトショップとしてこういう提案がないとなって。みんなかっこいいけど、これもかっこいいっすよっていうことが言いたいというか。うちのスタッフでも若い子がどう着るか楽しみですね。セットアップで着てる姿とかも見てみたいですよね。このど渋ラインナップをどう着こなすのかな? って。楽しみです。

COVERALL

1930年代当時のものをイメージしてつくられたカバーオール。袖付けはセットイン付けで古いカバーオール等に見られる身幅が広いシルエット。デニム素材も当時のデニムに近づけるためにオリジナルで製作しています。¥36,000+TAX

OVERALL

カバーオール同様、1930年代のものをイメージして製作したオリジナルファブリックのオーバーオール。ポケットのディテールは、ヴィンテージに見られるワンポケをソースに、あえて簡素な作りにしています。¥32,000+TAX

PAINTER PANTS

〈スミス アメリカン〉の代表作とも言えるペインターパンツ。現存するものに比べて、シンプルな作りが逆に当時の雰囲気を纏っています。カバーオール、オーバーオールすべて、デニムと生成りのツイル素材の2色展開。¥30,000+TAX

SMITH‘S AMERICAN  
Launch in SHIPS SHIBUYA

日程:2019年3月15日~
場所:SHIPS渋谷店(B1F)
住所:東京都渋谷区神南1-18-1
電話:03-3496-0481
www.shipsltd.co.jp/type/men/

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