そこまで明確にコンセプトと機能をリンクさせるのは難しくなかったですか?
佐野実は、”GEARED”に関してはどの企画にも実在する対象者がいるんですよ。もちろん表に出てはこないんですけど、例えば出張や旅行が多い知人とか、すごくストイックにマウンテンバイクを乗り込んでる友人とか。もちろんある程度はこちら側でイメージを形にしつつ、彼らとの会話の中でそうした細かな機能面をデザインにフィードバッグしていくんです。なので、ほぼ全モデルに対象者がいて生の声がプロダクトに活かせているんです。
想定するライフスタイルを体現している人達がいて、彼らのためのバッグを作り、それを購入したユーザーがそこからまた理想のライフスタイルを広げていくっていう循環は、面白いアプローチですよね。
佐野それはブランドを始めた頃からずっと意識していることなんです。自分が作ったバッグをきっかけにして、「せっかくだからちょっと自転車にも乗ってみようかな」っていう人が1人でも2人でも増えてくれれば、僕らとしてはすごく嬉しい。そのためにも当時当たり前だった自転車用バッグ=スポーツバッグっていう概念を壊したかったし、いかに普通の人が普段着で持ちやすいお洒落なバッグを作れるかっていうことを目指してブランドを続けてきました部分もありますね。
見た目のデザインやコンセプトは変えつつも、そういう根っこの部分はずっと一貫しているんですね。
佐野本当の専門道具を作っているっていう意識は未だに全くないんですよ。あくまでも日常の延長線上にある、でも自分のマインドを変えて手にしてみたら世界が広がっていく。そういう体験ってやっぱりきっかけがないとなかなかできないと思うんです。なので〈ベルーフバゲージ〉が、そういうきっかけの1つになってくれれば、それが1番嬉しいですね。
(左):「brf-GR05-DR」価格:¥32,000+TAX、サイズ:幅30cm, 高さ45cm, 奥行14cm、容量:19L、重量:950g、素材:DURON™ ポリウレタン
(右):「brf-GR05」価格: ¥34,000+TAX、サイズ:幅300cm, 高さ45cm, 奥行14cm、容量:19L、重量:800g、素材:X-PAC™ ナイロン