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定番だけをつくるブランド、スタジオオリべの生まれ変わった最強定番。

Feautring STUDIO ORIBE

定番だけをつくるブランド、スタジオオリべの生まれ変わった最強定番。

あなたは「定番」という言葉にどんなイメージを抱くだろう。それは故意に生み出すことができず、積み重ねられた年月があり、ずっと愛され続けた証があって、初めてなりうるもの。〈スタジオオリベ(STUDIO ORIBE)〉は、定番のみを扱うブランドだ。いろいろと流行が変わりゆくなかで、パンツを中心とした5型を2009年から10年間絶えずつくり、売り続けてきた。そして2019年、元の型を生かしながらマイナーチェンジをし、新たに2型を加えたパンツ5型を「オリベのあたらしい定番」として再スタートさせることになったという。ここに至るまでの経緯、定番の持つ魅力について、オリベを知るゆかりのひとたちに話を聞いた。

  • Direction&Text&Photo_ Mitsuharu Yamamura(BOOKLUCK)
  • Product photo_ Kazumasa Harada
  • Produce_JAMES&CO.
  • Special Thanks_DAIICHI HIFUKU / JAMES NIIGATA / GOOD LUCK COFFEE / BALLISTICS
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あたらしいものを作る努力より 
つくったものを伝える努力を。

「極端な話、鈴木さんの工場を動かすために始めたところもあるからね」と、冗談まじりに言うのは〈スタジオオリベ〉の代表であり、企画を担当する塩谷雅芳さん(写真左)。それを聞いて人懐っこく目を細めるのが、もうひとりのパートナーであり、生産を請け負う鈴木輝永さんだ(写真右)。「そう、あのときは親父がやってる縫製工場の取引先が倒産して。自分たちもつくりたいものとか、やりたいアイデアもあった。ま、タイミングが合ったんですよね」

〈スタジオオリベ〉がデイリーウェアブランドとしてスタートしたのは、1999年のこと。毎シーズンがむしゃらに、追われることも楽しむように、たくさんのアイテムを企画し、生産していた。

そこから時代は流れ、彼らの考えも徐々に変わっていく。ちょうど10年後にあたる2009年。「あたらしいものを生み出していく努力より、つくったものをさんざん着て、履いてもらえるように伝えていく努力のほうを大事にしたい」と、パンツ4型、ジャケット1型の定番5型だけ残すことを決めたのだ。

どこか遠くの誰かとではなく 
近い身内と行う、ものづくりの質。

鈴木さんの実家は、パンツ専門の縫製工場。身内ゆえの気がねなさで、自分たちのこだわりをじゃんじゃんぶつける。そこに持ち前の技とアイデア、そしてどんどん増えていくミシンで応じるのが、鈴木さんの父親、庸夫さん(そう、氏は業界でも有名なミシンおたくなのだ)。「同じ型紙を出しても、工夫して考えて縫ってるかどうかで、だいぶ違いますよね。実際親父はどうやったら早くて楽に、見た目もきれいに、丈夫に仕上がるか。いまだに考えてますから」

どこか遠くの誰かではなく、「いまここ」であまた交わされる、直で密なやりとり。いくつもの問題を乗り越え続けてきたからこそ、クオリティは確保される。どんなときもお互いが理解し、協力しあえたからこそ、いまがある。「よそだと断られていたかもしれないよね」という塩谷さんに、鈴木さんはぽつりと言った。「こういうのってお金じゃ買えないですからね」

ずっと同じパンツを何本も買うひとたちの 
信用の積み上がり方。

塩谷さんが〈スタジオオリベ〉をはじめる前から、故郷である新潟で営むセレクトショップ「ジェームス(JAMES)」。ここの店長である丸山正博さんは、これまで数えきれないほど〈スタジオオリベ〉のパンツを売ってきた。「とにかくみんな数を買っていくんですよ。色違い全部とか、最高だと7本とか。お店に来て在庫がないときの落胆の仕方がすごい。信用が積み上がっているんです」

面白かったのは、同じひとでもサイズを変えて履き続けているお客さんがいること。「服も10年経つと変わるじゃないですか。時代によってバランスも、同じパンツでも違って見える。なるほどなと。僕らも『このひとはこのサイズ』と決め込んじゃいかんなって」

長岡市にある「ジェームス」の隣、「グッドラック コーヒー(GOODLUCK COFFEE)」の店主青柳さんも、〈スタジオオリベ〉のパンツを長年愛するコアなファンのひとり。「きれいめでシンプルだけど、カチッとしすぎず、遊び心もある。ストレッチが効いているので動きやすくて、作業していてもまったくストレスがないのが最高です。あと、かしこまった席だけどスーツでもない、というときにも履いていけるので、登場回数はかなり多いです」

フィールドを選ばない、 
家でも外でも着られる二面性。

もとはアパレルの企画販売から、個人でオリジナルのバックを製作。現在はキャンプ用のギアやグッズまで手を広げる「バリスティクス(BALLISTICS)」の塚原さんは、〈スタジオオリベ〉の「クライミングパンツ」を試着し、キャンプやアウトドアユースとしての可能性を見出す。

「これってキャンプだと、それこそ寝るときも履けますよね。だけどシャツを着て食事に行くときも違和感がない。フィールドを選ばない、家でも外でも着られる二面性というか、いま、得な感じのするものをひとは求めていると思うんです」。流行に目移りして買うのも楽しいけれど、疲れてしまうこともある。「それよりこれと決めたものをいつでも着て、買い足していくほうが精神衛生上いい。あとはそこにちゃんとしたものづくりの裏付けがあれば」

まず楽しむための目的があって 
洋服を買うということ。

「洋服を目的なく買うより、キャンプ行くとか、自転車に乗るとか、何かを楽しむための目的がちゃんとあって揃える洋服のほうがリアリティがあるし、〈スタジオオリベ〉には合っている気がする」。と気づいた塩谷さんは、そのひとつの答えとして、新しくデニムパンツを定番に仲間入りさせた。

「休みの日にピクニック行くときはデニムって気分になるし、きれいな靴さえ合わせれば、大事な席やパーティーにも出られる。ドレスカジュアルっぽいカッコが、意外と一番できるんです」

実はこのデニムパンツ、以前より塩谷さんがオリベと並行して手がける別ブランド〈デリシャス(delicous)〉では扱っていたアイテム。ただ「このひとはいいけど、別のひとが履くとうまくスッキリ見えない」という問題がつねに立ちはだかっていた。本当のことを言えば、体型も好みも人それぞれ。〝みんなにとっての定番〞をつくるのは、ことのほか難しい。「さんざん改良を繰り返して、ようやく自信を持てるものができたんです」

シルエットは、細身だけどぴたぴたじゃなく、ゆったりテーパードの効いた感じと、まさに王道。「あえていまの感じじゃなくていい。時代を超えて誰が履いてもいいような、うちらしい、きれいなデニムになったと思います」

この日は、家族みんなでデニムを身に付け、近くの海の見える公園に出かけた。コーヒーを淹れて飲んだり、全力でおてんばの娘さんを相手したり。どのときにも見せたことのない、柔らかな丸い笑顔を浮かべる塩谷さん。「うちら的にも楽しいことを提案しながら、そのためにこれ履いてよと言えるような定番にしたい」それはあたらしい定番の、あたらしい始まりだった。

CLIMBING PANTS

生地は2WAYストレッチ素材。ウエスト仕様はイージーながらシルエットバランスが良く、アウトドアから街まで合わせられるオールラウンドパンツ。¥16000+TAX(色展開:IND.KHK.BLK)

FRENCH CARGO PANTS

素材はバックサテンで6ポケットのカーゴパンツ。腰回りや渡り幅にゆとりを持たせ、細身のシルエットでありながら、リラックス感も出して。¥16000+TAX(色展開:WHT.KHK.NVY)

L-POCKET PANTS

ハリ・コシのあるストレッチ素材で、控えめなディテールと、美しいライン。コーディネート次第で、仕事にも遊びにも使える「究極の定番パンツ」。¥15000+TAX(カラー展開;WHT.BEG.GRY.KHK.NVY.BLK)

RIB PANTS

家でも履けるリラックス感と、街履きの実用性を考えた洗練されたシルエットが特徴のリブ付きパンツ。硬さとしなやかさを併せ持つストレッチ素材。¥16000+TAX(カラー展開:BEG.KHK.NVY.IND)

RIDE ON DENIM

力織機で作られた12.5oz 耳付きのストレッチデニムを使用。細身のシルエットに適度なゆとりを加え、大人が綺麗に履ける5ポケットデニム。¥16000+TAX(カラー展開:IND)

STUDIO ORIBE

STUDIO ORIBE POP UP FAIR

会期:3月20日(水)~4月7日(日)
会場:SHIPS 池袋パルコ店
住所:東京都豊島区南池袋1-28-2 池袋パルコ 4F
電話:03-3985-3105
営業:10:00~21:00

※商品をお買い上げのお客様にオリジナルエコバッグ、オリジナルコーヒードリップバッグをプレゼントいたします。

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