祝60周年! テーマは「それがどうした」。
1959年の発足以来、つねに我々の生活と向き合い、そこに笑いを届けてきた吉本新喜劇。長い歴史のなかで数々のギャグを生み、そのひとつひとつを大事にしながら真剣に笑いを研究してきた彼ら。もはや伝統芸能のひとつといっても過言ではないでしょう。
そんな吉本新喜劇が今年で創立60周年を迎えました。アニバーサリーイヤーのテーマはズバリ「それがどうした」。力の抜けたテーマに思わず腰を抜かしそうになりますが、裏を返せば「まだまだこれから」という気概の現れとも捉えることができます。
そんなユーモアのあるテーマを元に「ジャーナル スタンダード」がコラボレートグッズを制作しました。
〈吉本新喜劇 × JOURNAL STANDARD〉Tシャツ 各¥3,800+TAX、ロングスリーブTシャツ ¥4,500+TAX
〈吉本新喜劇 × JOURNAL STANDARD〉トートバック 各¥3,500+TAX、キャップ 各¥3,000+TAX、バンダナ 各¥1,500+TAX
〈吉本新喜劇 × JOURNAL STANDARD〉マグカップ 各¥1,600+TAX、ステッカー 各¥300+TAX、クリアファイル 各¥600+TAX
各アイテムには吉本新喜劇の座長を務める4人の芸人のイラストをプリント。“お笑い”と“アート”を上手に混ぜ合わせて、日常的に使いたくなるポップなアイテムに仕上げています。このイラストを制作したのがアーティストであるAYAKA FUKANO。子育てをする一方で積極的にアート活動も行う彼女に、今回のコラボレートに関する話題や、制作におけるこだわりなどについて語ってもらいました。
アート好きに認められた作品。
AYAKA FUKANO / アーティスト
思春期の多感な時期にドイツの田舎町で過ごし、そこで初めてアートに触れる。最愛の祖父が認知症になったことをきっかけに、「今ある愛は今伝えなくてはいけない」と世のなかにあふれても困ることのない“愛”をテーマに2014年より本格的にアーティストとしての活動をスタート。「モンゴル800」の『宝物』のカバージャケットや、湘南乃風のグッズ用イラストを制作するなど、著名アーティストとの交流もあり。
アーティストとして活動をはじめたのが2015年ということで、その前は何をされていたんですか?
FUKANO普通に会社員として働いていました。その当時から絵は描いていたんですけど、アーティストとは名乗っていなくて。趣味の範囲で描く程度でした。
そこからどうしてアーティストとして活動していこうと思ったんですか?
FUKANO自分で描いた絵がたまってきたときに、思い立って最初で最後の個展を開こうと実費で開催したんです。友人のギャラリーにお願いして一ヶ月弱くらいやってたんですけど、すごくたくさんの人がきてくれて。疎遠だった友達からも連絡が来たりして、思わぬ反響があったんです。それで「このまま続けるのもいいんじゃないかな?」という気持ちが芽生えたのがきっかけです。
FUKANOそれがまったしていなくて(笑)。小さい頃にノートの端っこに落書きしていたくらい。その延長なんです。でも、当時からこういう絵が好きで、雑貨とかも手に取るのはなぜか変わったデザインのものばかりでした。
FUKANO上手な絵は私描けないんです。似顔絵も下手で、みんなおなじ顔になっちゃいます(笑)。
自力で個展を開催して、そこからいろんなクライアントから仕事の依頼がくるわけですよね。そこに至るまでの道をどうやって切り拓いていったんですか?
FUKANO個展を見に来てくれた方がお仕事をくれたりとか、友人が知り合いを紹介してくれたり、あとはインスタグラムを通じてメッセージをくれた方もいますね。本当にSNSさまさまというか(笑)。
モンゴル800のアートワークも手がけたんですよね。
FUKANOそれもメンバーの(上江洌)清作さんがインスタグラムにメッセージをくれたのがきっかけです。
FUKANOあのジャケットのもとになる絵を作品として描いていたんです。それをSNSを通じて購入してくれて。清作さんはアート好きでいろいろとコレクションしているそうで、そういうひとに買ってもらえてすごくうれしかったですね。それであとから「『宝島』っていう曲を出そうと思っていて、あの絵をジャケットとして使いたい」と仰ってくれたんですよ。
有名なひとだからというよりも、アート好きから認められるというのはアーティスト冥利に尽きますね。
FUKANOそうですね。さっきも話したように私は絵の勉強をしていたわけでもないので、いまだに不安はあるんです。でもいろんなひとに見てもらえるようになって、徐々に自信を獲得していってます。
未来を少しでも明るく平和な世の中にしたい。
作品のインスピレーションはどんなところから生まれるのか教えてください。
FUKANOインスピレーションというよりも、自分のなかに「ああいう絵を描きたい」というのが常にあるんです。映画のシーンとか、好きな写真を自分流に表現したりとか。でも、画力がそこに追いついていなくて(笑)。だからいまは地道にたくさん絵を描いて、表現力をつけてます。描いてみたいモチーフはたくさんあるんです。だからアイデアのストックはまだまだありますね。
FUKANOさんはどんなカルチャーに影響を受けて来たんですか?
FUKANO特定のカルチャーはないんですけど、強いて挙げればマザー・テレサやジョン・レノン、マーティン・ルーサー・キングですね。
FUKANOそうなんです。そういうひとたちに惹かれるんです。学生の頃の授業の宿題で、歴史上の人物について調べる課題があるじゃないですか。そういうときはいつも、そういった平和主義なひとたちについて調べてました。
FUKANO明確には自分でもわからないんです。むかしから「ひとのためになにかをしたい」という気持ちが漠然とあって、きっとそれが関係しているんだと思います。
FUKANOどの絵にも根底には“愛”というテーマがあります。世の中を愛で埋め尽くしたいという気持ちでやってますね。自分の絵を見てくれたひとが少しでもハッピーになれるように。
お子さんの存在もその気持ちを後押ししているんでしょうか?
FUKANOそうですね。息子が生まれてより一層強くそう思うようになりました。彼が生きる未来を少しでもいいものにしたい。いじめや人種差別がなくて、平和な世界であってほしいなって。お互いのことをもっと尊重できる世の中にしたいです。
作品はすべて手描き。一発勝負の世界。
今回の取り組みで、吉本新喜劇という大衆的なお笑いをイラストで表現するには明るくてポップなアーティストがいい、ということでFUKANOさんに声がかかったそうです。オファーを受けたときに、どんなことを思いましたか?
FUKANOすごくうれしかったですし、すぐに「やります!」ってお返事しました。それと同時に、「まじか」と運命めいたものを感じたんです。実は私、お笑い芸人になりたいと思ったことがあって。
FUKANOひとを笑わせて笑顔にすることで力になりたいなって。映画の『パッチ・アダムス』に感動して、映画館に4回も観に行ったほどなんです。
FUKANO笑っているとき、ひとはイヤなことを忘れられますよね。その力がすごいなって。自分もお笑い芸人になってひとを笑わせて、楽しい時間を増やしたかったんです。漠然とそんな思いがあって。
FUKANOでも、芸人だけじゃなくてダンサーや歌手にも憧れていて。ただ、その道を目指して成功を収められるのってほんの一握りのひとたちだけですよね。自分はそんな風にはなれないって、勝手に諦めていたんです。でもこうしてアーティストとして活動するなかで、「モンゴル800」のジャケットワークに使ってもらったりだとか、今回のように吉本新喜劇のグッズ制作に関われて、間接的にですけど自分の憧れだったひとたちと仕事ができたのがなんだか不思議な気持ちです。
今回の作品を描くにあたってこだわったのはどんなところですか?
FUKANOお客さんが普段使うなかで、持ってても恥ずかしくならないようにするところですね。たとえばTシャツにしても「着たい!」って思うようなデザインにするというか。
普段の作品と比べて、どの辺りにその違いがあるのでしょうか?
FUKANO文字を合わせてポップに仕上げたり、人物の胴体を描かずに、上半身や顔だけにしていたりとか。
FUKANO私自身も、胴体を描くのが得意ではないというのもあるんです。よくも悪くもそれが個性なのかもしれないんですが、それが全面に出すぎてもよくないかなと。今回はより多くのひとに届けるというのが根本のテーマにあるので。
FUKANOさんは普段手書きで描いているんですか?
FUKANO基本は手描きです。そもそも最初はパソコンで絵を描くことができなくて、ペンを使って紙に描いていたんです。はじめは紙で納品もしていたんですが、さすがにこのご時世でそれを貫くことはできないなということでパソコンを勉強しました。でも、「パソコンを覚えて表現の幅を広げるのも大事だけど、手描きでやることもひとつのアイデンティティだから続けたほうがいい」ってメディアクリエイターのハイロックさんに言われたんです。
FUKANOパソコンで色づけするとムラなくできてキレイに仕上がるんですけど、やっぱり紙に描いてペンで色を塗るっていう作業が私は好きですね。失敗することもあるので、そのときは最初から描き直すんですが…。
FUKANO色を塗る段階になれば失敗は少ないんです。最初に線で描きはじめるのは顔の輪郭で、次に髪型、最後に顔のパーツの順で描いていくんですけど、それが気に入らないと全部はじめからやり直しますね。目を描くのがいちばん難しいです。心がこもってないと力のない表情になっちゃう。今回も4人の座長を描くなかで、最初に全員の輪郭と髪を描いて、最後にそれぞれの表情を加えていったんです。
一発勝負。当たり前ですけど、相当な集中力がいる作業ですね。
FUKANOそれぞれ別々に描ければいいんですが、そうすると統一感がなくなっちゃうんです。描きながら呼吸を整えて、4人ともピシッと表情を揃えるところに苦労しました。そこがこだわったポイントですね。
より多くの人の気持ちをポジティブにしたい。
絵を描くという作業がFUKANOさんにもたらすものはどんなことですか?
FUKANO充実感ですね。絵を描くのがすごく楽しいんです。もともとは芸人、ダンサー、歌手に憧れがあって、それはやっぱりアウトプットしたいという気持ちがどこかにあったからだと思うんです。自分にとってどの方法がベストなのかずっとわからないままだったんですけど、最近は私と同じママさんであったり、子育てをしている方々から「共感しました」って言ってもらえることが増えて、ようやく自分にフィットする方法を見つけられました。
FUKANOもっといろんなことにチャレンジしたいです。文章を書いたりもしているので、そうした作業を増やしていきたいと思ってます。あとはいまよりたくさん絵を描いて、より多くのひとに自分の気持ちを届けたいです。それで私の作品を見てくれたひとたちの気持ちをポジティブにできればと思ってます。
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