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ジャケットスタイルの新潮流。Tジャケットと4人のスタイルサンプル。

Style Sample Wearing T-JACKET

ジャケットスタイルの新潮流。Tジャケットと4人のスタイルサンプル。

ジャケットスタイルのカジュアル化が顕著です。型にはまらない、ラフで自由な着こなしは、今後新たなジャケットスタイルのベーシックとなっていくことでしょう。そして、その潮流を見事にと体現しているのが、“Tシャツ感覚で気軽に羽織れるジャケット”をテーマに掲げたイタリアブランド〈Tジャケット(T-JACKET)〉です。今回は、主要取扱店を代表する4店から、それぞれ〈Tジャケット〉を知り尽くす4人のキーマンにお話を伺いました。彼らの着こなしとともにその魅力に迫ります。

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T-JACKET With BEAMS

BEAMS プレス

小林順平さん

紳士服店を経て「ビームス(BEAMS)」に入社。当初はカジュアルセクションの販売員として勤務し、関西地区の旗艦店がオープンするタイミングでドレスセクションに。同店でしばらくスーツスタイルの基礎を学び、2014年にプレスに就任。「BEAMS F」や「International Gallery BEAMS」などを中心にPR業務を行う。個性豊かなスタッフが揃う「BEAMS」のなかで、カジュアルからクラシックまで幅広く精通する人物として、プレス内のバランサーとしての役割を担う。

カジュアルとドレス、両端にある分野にそれぞれ精通している小林さんにとって、〈Tジャケット〉はどんなブランドですか?

小林ぼくらの所属するドレスセクションでも数年くらい前からカジュアル化のムードが高まっていって、ドレススタイルにも脱ネクタイだったり、スニーカーを合わせる人が増えてきました。そんな中で注目を集めたのがまさに〈Tジャケット〉だったんです。シャツジャケットや気軽に着られるジャージ素材というのは以前からも存在はしましたが、テーラードを基盤としているブランドという意味では、〈Tジャケット〉は希少な存在だったんですよね。ぼく個人としても普段の趣向にも合いますし、時代のムードを先導するという意味でも、重宝したいブランドのひとつですね。

今回選んでいただいたジャケットの特徴はどんなところにありますか?

小林通常ブラックのジャケットってツヤ感があったり、どうしても重たさを感じてしまう傾向が強いのですが、こちらのジャケットの場合は目の細かい編み込みのストレッチウール製なので、素材特有の柔らかさがありますよね。

紳士服店とセレクトショップそれぞれ経験されている小林さんの強みは何でしょうか?

小林前職では主に接客業務。お客様に対して最適な商品・サービスを提供することやどんなものを求めてお店に足を運んでいるかというユーザーの理解を学べた気がします。また現在の「ビームス」では、服やブランドが持つ背景、あるいはスーツの文化や歴史を知ることで、提案できる内容が広がったかなと感じています。またそうした経験は、いまのプレスという立場を通して活かせているかなと思っています。

となるとこの日の着こなしは、まさに小林さんにとっては普段着に近い感覚の着こなしになるのでしょうか?

小林そうですね。あとはドレスの世界でも他テイストのアイテムを取り入れる、所謂ミックス感の着こなしというのは主流になりつつあって、例えばイタリアンクラシコなジャケットにアメカジのアイテムを取り入れたり、イギリスのムードを感じるアイテムを取り入れることが普通になりました。だから今回はいままでならあまり合わせることのなかったオリーブカラーの軍パンを合わせたり、薄手のニットをあえてTシャツ感覚でインナーに合わせています。ただジャケットとレザーシューズできっちりと引き締めることで、クラシックさもキープしています。 ポイントは、カジュアルに着崩しすぎないバランスです。

〈Tジャケット〉を手に取るお客様がいた際には、小林さんならどんな提案をされますか?

小林ラフに扱えるからこそ、暑い季節など着脱の多い時期には重宝すると思います。また移動の多いお仕事の方や海外などへ旅行に行く際には、これ一着カバンに忍ばせておけば便利ですよね。あとは、やっぱりぼくにとってはスーツやジャケットって気分を高めてくれるアイテムなので、女の子とのデートなんかにいつもとは違う雰囲気を演出するのにもってこいかなと。気張りすぎず、それでいて様になる。そういったシーンに〈Tジャケット〉はちょうど良いかと(笑)

素材には通気性とストレッチ性に優れたサマーウールを採用。柔らかな雰囲気とクラシック感が相まったブラックジャケットです。シンボリックなディテールである袖周りや背面のハンガーループ、一枚仕立てのカジュアルな仕様により、気兼ねなく着られる一着に。¥59,000+TAX

BEAMS F

東京都渋谷区神宮前3-25-14 1F・2F
03-3470-3946

02
T-JACKET With ESTNATION

ESTNATION プレス

佐藤浩貴さん

前職は大手アパレルブランドのレディース部門にてVMDとして活躍。5年前にメンズのPRに興味を持ち始め、「エストネーション(ESTNATION)」に転職。配属された六本木ヒルズ店では数年間ドレスセクションのスタッフとして勤務し、一昨年プレスに就任。現在は日々のPR業務に加え、自社のカタログ制作やブランディングにまつわるコンテンツ運営にも携わる。また学生時代から無類の服好きで、特に男臭い古着が最近の気分なのだそう。

「エストネーション」にとって〈Tジャケット〉はどんな立ち位置のブランドですか?

佐藤所謂テーラードブランドでありながら、ドレススタイルに限らず幅広い格好にフィットするジャケットブランド。それこそ感覚でいうとニットやカットソー、カーディガンといったアイテムのように、合わせられるアイテムが多い印象です。特別なシーンのために着用するというよりも、普段着の延長で着てもらいたいですね。

実際に「エストネーション」ではどんなお客様が手に取られることが多いですか?

佐藤「エストネーション」には幅広い年齢層と職種のお客様がいらっしゃいますが、普段からスーツではなくジャケットスタイルでお仕事をされている方が多いんですよね。そういった方々に、オン・オフ問わず着用できる〈Tジャケット〉はとても需要があります。また物のクオリティの割に比較的お値段もリーズナブルなので、ジャケットの複数購入を検討されている方の二着目、あるいはヤング層の方の一着目として人気がありますね。

この日の着こなしのポイントを教えてください。

佐藤普段ジャケットを合わせる際に、あまりカチッとした着こなしをすることが少ないので、基本的にはデニムやスニーカー、インナーにはTシャツなどカジュアルなアイテムを合わせることが多いんですよね。今日はいつも履いている古着のデニムを合わせてみました。とくに気負いせず、さらっと羽織るのが〈Tジャケット〉の魅力を一番引き出せる着こなしだと思います。

チェック柄のジャケットを着用していますが、柄物のジャケットを合わせる際に気をつけていることなどはありますか?

佐藤ジャケット以外ではあまり色の主張が強いアイテムや柄物を取り入れないことですね。また、チェック柄のジャケットは主役になり得る存在感を十分に持っているので、その他は極力シンプルに合わせることでトータルのバランスを保っています。あと個人的には、ブルーのカラーが好きなので、チェック柄も今日のようにブルーやネイビーといった色味を選ぶことが多いかもしれません。デニムパンツとも好相性です。

素材やディテールはいかがでしょう?

佐藤ラフに着用できる素材、フォルムもナチュラルな仕上がりを意識していて、なおかつ縫製もシームレスなので徹底してカジュアルを意識したつくりには感服しますね。さらにカフスボタンなくノーベントなので、シャツ感覚で羽織れるジャケットかと。暑いときは袖をまくって着てもいいし、脱いでクラッチバッグのように小脇に抱えても様になりますよね。

これからの時期にちょうどいい爽快感のあるネイビーをベースにしたタータンチェック柄の一着。素材も通気性のよいジャージファブリックを採用、アンコン仕立てのカジュアルなつくりでストレスのない着用感が得られる。カットソーやカーディガン感覚で気軽に羽織りたい。¥64,000+TAX

ESTNATION

東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズ ヒルサイド けやき坂コンプレックス1F・2F
0120-503-971

03
T-JACKET With ISETAN MEN’S

伊勢丹新宿店メンズ館 メンズテーラードクロージング バイヤー

稲葉智大さん

9年前に新卒で「三越伊勢丹」に入社し、販売スタッフやアシスタントバイヤーを経験した後、昨年30歳の若さで「伊勢丹新宿店メンズ館」のメンズテーラードクロージングバイヤーに就任。同セクションのバイイング業務に加え、取扱ブランドとのエクスクルーシブラインやトランクショーの企画などにも携わる。また現在は日本全国を飛び回りながら、年に二度のイタリア・フィレンツェで開催される「PITTI UOMO」にも足を運び、スーツシーンの動向やトレンドを追う。イタリアンクラシコに宿るダンディズムを日々研究中。

「伊勢丹新宿店メンズ館」では、いつ頃から〈Tジャケット〉の取り扱いが始まったのでしょうか?

稲葉2014年のブランド創立時からになります。そのきっかけとなったのが、はじめての内覧会の際に筒状のボックスに入ったシャツジャケットが展示されているコーナーがありまして、当時ぼくらとしてもシャツジャケットが持つ可能性に対して大いに市場価値を見出していたので、そのユニークなプレゼンテーションも相まって、「うちでもやろう!」と決めました。加えてシャツジャケットに特化したブランドということで、良い意味でキャッチーであり、トレンドの打ち出しとして最適だったんですよね。

その後、「伊勢丹新宿店メンズ館」ではレギュラー展開されるようになりました。反響はいかがですか?

稲葉やはり春夏シーズンはシャツジャケットの支持が高まるので、ファーストシーズンから需要がありましたが、顕著に人気が高まったのは昨年頃からでしょうか。普段からスーツを着ない人たちから高い支持を得られるようになったんです。それはきっとスーツ業界で現在巻き起こっているイージーマインドが、ようやく〈Tジャケット〉の表現する世界観に追いついてきたのかなと。また「伊勢丹新宿店メンズ館」で取り扱う他ブランドの価格帯と比べてリーズナブルなため、二着目のジャケットとしても人気がありますね。

稲葉さん自身がカジュアルにジャケットスタイルを楽しむ際に意識されている点などはございますか?

稲葉ぼくの趣向も影響しているのですが、ツヤ感やクラシックな雰囲気は残しつつも、サイズ感や合わせるアイテムを自由に選択することですね。例えばネックチーフを合わせたり、ジャケットのサイズを少し大きくしたり。ルールを守りながら可能な限り着崩すことでカジュアルに見せることを意識しています。そこにジャケット本来の大人の色気やムードが加わったら最高ですよね。

セットアップをカジュアルに着こなすうえでコツなどはございますか?

稲葉スーツスタイルのカジュアル化が進んでいるいまの時代においても、セットアップのスタイルの重要性は欠かせないものだと思っています。そのなかで今日着ているステンカラーデザインのジャケットのセットアップは今季の「伊勢丹新宿店メンズ館」のイチオシです。フロントボタンを開閉だけでも着こなしに幅が持たせられて、セットアップにも関わらずシャツ感覚で羽織れることはもちろん、通常のテーラードジャケットに比べて印象もガラッと変わりますからね。旬な気分を味わえると思います。

また今回の着こなしの中で、こだわったポイントなどはございますか?

稲葉インナーを品のあるニットポロでワンランク上の大人を表現しつつ、イタリアンクラシコな雰囲気を加速させるネックチーフ。ラフなセットアップだからこそ他のアイテムは清潔感だったり、上品さを演出しているのがポイントですね。あとは個人的にはインナーはタックインして、フロントは全開で合わせるのが気分ですね。

春夏シーズンにおいて新たな潮流となっているシャツジャケットですが、こちらのジャケットはステンカラーデザイン。テーラードジャケットにはないニュアンスが楽しめます。セットアップのパンツはワイドシルエットで、ウエストはドローコードを配してリラックスした仕上がりに。ジャケット ¥59,000+TAX、パンツ ¥31,000+TAX

伊勢丹新宿店メンズ館

東京都新宿区新宿3-14-1
03-3352-1111 大代表

04
T-JACKET With guji

guji TOKYO スタッフ

尾野 卓さん

大学卒業後、紳士服店に入社。その後3年前にセレクトショップへの転職を志し、現在の職場である「guji tokyo」のスタッフに。タイドアップスタイルの基礎を心得ながらも、普段から歳相応なジャケットスタイルを楽しむのがモットーだという。その恵まれた長身と爽やかなビジュアルから、店頭の宣伝アイテムを着こなすモデルを担うこともしばしば。趣味は学生時代に没頭していたバスケットボールと映画鑑賞。

数あるテーラードジャケットを見てきた尾野さんにとって、〈Tジャケット〉はどんな存在ですか?

尾野スーツのカジュアル化が進むなかで、そのムードを体現するブランドのひとつだと思います。テーラードブランドにも引けを取らないクオリティや、イタリアブランドらしい気質も兼ね備えていて。カジュアルながらもクラシコ本来の魅力も存分に味わえるのが〈Tジャケット〉の良いところですよね。

今日の着こなしのポイントは教えてください。

尾野重さを感じさせない色選びと、今季旬なニットソーをインナーに合わせている点がポイントです。グレンチェックのジャケットはどうしても固く見えてしまうのですが、爽快感のあるブルーや品のあるホワイトを差し色で取り入れることで、休日感のある雰囲気を醸しだせます。肩肘張らずに着こなすのが〈Tジャケット〉を羽織る上では一番大切なんですよね。

普段からジャケットを着こなす際に心掛けていることなどはありますか?

尾野紳士的なマナーを基礎とすることはもちろんですが、ぼくの場合は人より身長が高いこともあって、サイズ感やシルエットは特に意識しています。カジュアルに見せるなら少しくらいオーバーサイズで羽織るのもいまの時代とマッチしているとは思いますが、年齢を重ねていくなかで、その人のジャストサイズにあった着こなしというのはやはり大事かなと。

他のショップとは異なる、「グジ 東京」ならではの提案はどんなことがありますか?

尾野ジャケットの場合、セオリー通りの提案を求められることも多いのですが、その時期にあったトレンドを取り入れることで、より「グジ 東京」らしさであったり、新鮮さが感じられる着こなしになるようお伝えしています。あとはカジュアルシーンでのスタイリングを求められる場合であれば、シャツに変わるインナーをその人のライフスタイルにあった形でご紹介もしています。

尾野さんにとっての「グジ 東京」らしさとは、具体的にどんな部分を指すのでしょうか?

尾野上品さであったり、清潔感ですね。それはあくまでも着飾ることやラグジュアリーに見せることではなく、大人の男性が持つべき色気というか。例えばジャケットスタイルの場合、服だけではなく、小物使いやヘアスタイル、立ち振る舞いなど、大人の同性にも好感を持たれるような空気感というのは大切にしています。

〈Tジャケット〉が得意とするジャージ素材を採用したダブルブレステッドジャケット。近年人気傾向にある英国調のグレンチェック柄を品のあるジャガード織りで仕上げています。ナチュラルな“しなり”を活かしたサルトブランド顔負けのルックスが特徴で、コンフォータブルな着心地を実現しました。¥62,000+TAX

guji TOKYO

東京都港区六本木7-5-6 KCテラス1F
03-6721-0027

三喜商事株式会社

03-3470-8237
www.sanki-brand.com

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