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クレッタルムーセンが機能美を追求する、真の意味。
about KLATTERMUSEN with CEO.

クレッタルムーセンが機能美を追求する、真の意味。

北欧は知られざるアウトドア大国だ。アウトドアブランドも数多く、そのシンプルかつスタイリッシュな北欧デザインは、感度の高い人たちから熱い視線を集めている。なかでも、圧倒的な機能美と、自然環境へとことん配慮した素材使いで、独自のポジションを築いているのが〈クレッタルムーセン〉だ。創業45年を目前にして新たなフェーズを迎えた〈クレッタルムーセン〉はこれからどこへ向かっていくのか。代表であるゴンツ氏に話を聞いた。

  • Photo_Keta Tamamura
  • Text_Shinsuke Isomura
  • Edit_Keisuke Kimura

新しいモデルをリリースすることは稀。既存のモデルをバージョンアップさせていくのが常。

ー デザイン的に優れているアイテムが多いという印象がありますが、とりわけこだわっている点はありますか?

ゴンツ:アウトドアギアのデザインは機能とイコールです。そして機能は、現場からのフィードバックで決まっていくもの。いつ、どこで、どんな用途で使いたいのか。なのであくまで機能ありきで、私たちのプロダクトはデザインされていっているわけです。

〈クレッタルムーセン〉の代表作「アトレ」。現行モデルは2.0で、この数字がアップデートされた回数の目印になる。

ゴンツ:たとえばこの「アトレジャケット」。800フィルパワーのダウンを封入した保温のためのインサレーションウェアです。2005年が初登場で、2015年に2.0をリリースしました。変更したのは素材で、言い換えればそのあいだはずっと素材の開発に取り組んでいたんです。

「アトレ1.0」は単なるリサイクルナイロンを使用していたが、現行モデルの「アトレ2.0」では
おもに「AURA BIO」というバイオナイロンが採用されている。

ゴンツ:リサイクルナイロンやリサイクルポリエステルは、リサイクルしているぶん資源を有効活用してはいますが、その過程で環境に負荷のかかるオイルを使うことがあります。一方で「アトレ2.0」で採用した「AURA BIO」は、おもに大豆から抽出したオイルを使用します。そのため自然への影響がほぼありません。このようなバイオナイロンをアウトドアウェアに使ったのは私たちが始めてでした。コストが高く、仕入れのミニマム量も多かったので、2.0をリリースするまでに時間がかってしまったのですけれど。

デザイン面では、とにかくパッカブル仕様にしたかった。だからまずは軽量に。あと縫い目をボックスにして風を通りにくくして、内側にはゴムを忍ばせています。アジャスターが長めなのも特徴。これは万が一破損したときでも、自身で修理できる余裕を持たせておくためです。安全のためのリフレクターはどの製品にも設けています。このように、常に用途や役割を先に考えて、それからデザイン、つまり機能を決めています。

日本で最も有名な〈クレッタルムーセン〉のバッグ「ギノア」。

ー 日本ではバッグ類がとくに人気があるように思いますが、代表作というと、どのモデルになりますか?

ゴンツ:現行のギアでもっとも長く継続展開しているバックパックが「ギノア」です。ショルダーハーネス部にV字型の小さなアルミパーツを設けているのが特徴で、私たちはバタフライブリッジと呼んでます。

左肩上部のハーネス部分に見えるのが、バタフライブリッジ。

ゴンツ:通常、バックパックを背負うときは肩に荷重がかかります。ただしこの「ギノア」は、バタフライブリッジが筋肉だけでなく肩甲骨などの骨、骨格へと重さを分散してくれる。だから長時間背負っていても苦じゃないんです。バッグってとにかく背負い心地が大事だと思うんですが、バッグ単体の重さであったりデザインに、とらわれすぎれいるブランドが多いように感じます。

縫い目に沿って取り付けられたループは〈クレッタルムーセン〉の代名詞だ。

ゴンツ:もともとはクライミング用として開発されましたが、他にもさまざまな用途で使って欲しいので、アクセサリー類をアタッチさせるためのウェビングループをパック全体に張り巡らせています。使い手によって成長させられるパックと言えるかもしれません。アクセサリー類をどれだけアタッチしても、メイン荷室のジッパーには干渉しません。スウェーデンでは高い山がないので、これくらいのパックで10日間くらいのスルーハイクに出かけるんですよ。ゆっくりと時間をかけてね。

ー それでは最後に今後のビジョンを教えてください。

ゴンツ:これまでと変わらずにいること、これに尽きますね。今後も厳選されたラインナップだけを販売し続けたいと思っています。並行して素材の開発にも真摯に取り組み、新しいカスタマーに対してはそのニーズを追求していきたいです。

日本のマーケットにおいても、しかるべき消費者に、しかるべき時間をかけて認知していってもらいたいです。スピードは求めていないんです。そしていつの日か、日本からは遠いですけれど、スウェーデンにも遊びに来てほしいですね。

INFORMATION

INS CO.,LTD.

電話:0120-900-736

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