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インディアンジュエリーの後にやってくるシルバージュエリーの時代。

LONE ONES with Leonard Kamhout

インディアンジュエリーの後にやってくるシルバージュエリーの時代。

1996年、〈クロムハーツ〉創立メンバーのひとりであるレナード・カムフォートによって設立されたジュエリーブランド〈ロンワンズ(LONE ONES)〉。眩しいほどの輝きを放つシルバージュエリーは職人たちの卓越された技術により磨き上げられ、他ブランドとは異なる思想的なモチーフをデザインとして使っている。この度、創立間もない頃につくられていた“LEONARD KAMHOUT”の刻印が入ったアイテムが復刻。セレクトショップ「ESTNATION」の六本木ヒルズ店と神戸店ではポップアップ・イベントも開催している。インディアンジュエリー・ブームが落ち着きを見せるなか、どうしていま〈ロンワンズ〉を身につけるべきなのか? 同店のバイヤーである田中成美氏の証言も加え、その魅力を掘り下げてみよう。

  • Photo_Kazunobu Yamada
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Shinri Kobayashi
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シルバージュエリーに“品”をもたらした〈ロンワンズ〉。

ここ数年のファッションシーンを振り返ったとき、トレンドのアイテムとしてインディアンジュエリーは欠かすことができない。その一方で、その次のステージへそろそろ行きたいと考えている人も少なくないはず。そこで提案したいのが、シルバージュエリーだ。思えば90年代でも、インディアンジュエリーに次ぐアイテムとしてシルバージュエリーの人気がジワジワと上がっていった記憶がある。

画像はルックブックより抜粋。

90年代後半、裏原ブームが隆盛を極める日本のファッションシーンのなかでひと際注目を集めるジュエリーブランドがあった。ショップの什器のなかを贅沢に陣取り、商品といういうよりはまるでアート作品のように並べられたシルバージュエリーを手にしようと、当時のファッション・アディクトたちはこぞってお店へと駆け込んでいた。そのお目当てが〈ロンワンズ〉。かの〈クロムハーツ〉創立メンバーのひとり、レナード・カムフォートによってつくられたブランドだ。

〈クロムハーツ〉や〈ビル・ウォールレザー〉と並び、“三大シルバージュエリーブランド”として称されることも多い〈ロンワンズ〉。前者の2つのブランドとの違いは、アイテムに刻まれたモチーフと、マテリアルへのこだわりの強さにある。


一般的にシルバージュエリーに用いられるモチーフはドクロなどのハードな世界観のものが多いが、このブランドでは鳥や鐘など自由で飛翔的な観念をモチーフにしている。“男くささ”を感じない、洗練されたデザインは多くの人にとって身近で取り入れやすいだろう、特に現代では。

マテリアルに使用されているのは、スターリングシルバー(SV925)や22kのゴールド。これを確かな技術を持つ限られた職人が磨き上げることによって艶やかな美しい輝きを放つアイテムへと昇華している。そのためアイテムは大量生産できず、世の中に出回っている数量も非常に限られたものになっている。

甦る“LEONARD KAMHOUT”の刻印。

レナード・カムフォートはもともと彫金師で、人一倍こだわりが強く、職人気質な人物だったという。だからこそ良質な素材を使用し、デザイン性の高いアイテムを生み出そうと〈クロムハーツ〉を離れ、1996年に自身のブランドをつくったのだ。

彼自身は2000年に一線を退き、もともと〈レナード・カムフォート(LEONARD KAMHOUT)〉と冠していたブランド名もそのタイミングでいまの〈ロンワンズ〉へと変更。現在は彼の義息であるデボン氏が経営を引き継いでいる。

ここで気になるのがアイテムに記された刻印だ。デボン氏がブランドを継承後、アイテムには“LONEONES”の文字が刻まれるようになった。しかし、創立者であるレナードがブランドの舵取りを行なっていた4年間はすべて“LEONARD KAMHOUT”という刻印を入れてアイテムのリリースを行なっていた。レナードとデボン、両者がつくるアイテムはどちらも非常に高い完成度を誇ることは誰もが認める事実ではあるけれど、90年代のカルチャーの洗礼を浴びた人々にとって“LEONARD KAMHOUT”の刻印こそが憧れの印であることは否定できない事実でもある。

今回、そんな“LEONARD KAMHOUT”の刻印が入ったアイテムが待望の復刻を遂げた。しかも、いぶしが濃く武骨な仕上がりになる当時の鋳造型を使用してつくられているため、正真正銘、レナードがわずか4年のあいだにつくっていたアイテムがそのまま甦ったといえる。

アートピースのような異彩を放つ〈ロンワンズ〉のコレクション。

さて、そんな〈ロンワンズ〉の復刻したアイテムをすこしだけ紹介しよう。まずは、ブランドの顔ともいうべきベルをモチーフにしたペンダントだ。

「クレーンベルペンダント(M)」 左からゴールド ¥1,575,000、ダイヤ ¥195,000、通常品 ¥90,000(ALL+TAX)

左は22kのゴールド、中と右はシルバーを使用。中のアイテムにはダイヤが埋め込まれている。ベルのなかには鳥が描かれ、揺れるたびに優しい音色を響かせる。使用しているマテリアルや大きさによってその音色が変わるのも特徴。デザインではなく、気に入った音色でモノを選ぶのもいいかもしれない。

手前「シルクリンクブレス(S)」 ¥285,000、中央「シルクリンクブレス(M)」 ¥375,000、奥「シグネットブレス」 ¥225,000(ALL+TAX)

続いて紹介するのはこちらのブレスレット。こちらも留め具の部分に鳥が描かれていて、くちばしになっているフック部分は、上下が絶妙な角度で重なりあうことによって固定される仕組み。なにか特別な仕掛けがあるわけでもないのに固定される設計は、卓越された技術を持つ職人でないとつくることができない。眩い輝きを放つチェーン部分も、職人による研磨の技術があってこそ。

「シルクカフ(バングル)」S、L 各¥150,000、「シルクリング(S)」 ¥53,000、「シルクリング(L)」 ¥60,000(ALL+TAX)

シルバージュエリーを身に着けると、重量感やゴワつきのような違和感を感じるのは避けられないもの。しかし、この“シルク”と呼ばれるコレクションは、表面が滑らかに磨き上げられていて、まさに絹のような着け心地なのだ。上で紹介したペンダントやブレスレットとは異なるプレーンな仕上がりもこのコレクションの魅力のひとつ。

〈ロンワンズ〉は他のブランドと毛色がちがう。

ここまで〈ロンワンズ〉に関するさまざまな魅力を紐解いてきたが、最後にこのブランドに魅了された人物の証言をここに残しておこう。現在、ポップアップ・イベントを開催している「ESTNATION」にてバイヤーを務める田中成美氏に、〈ロンワンズ〉について語ってもらった。

ー〈ロンワンズ〉を取り扱うことになった経緯は?

田中:ここ数年インディアンジュエリーがずっと盛り上がっていて、「ESTNATION」でも取り扱いをしていたんですが、その次の流れとして〈ロンワンズ〉の上品かつ上質なブランドが新鮮に見えるんじゃないかと思って取り扱いを決めました。他のシルバージュエリーブランドとは、ちょっと毛色がちがうと思うんですよ、〈ロンワンズ〉は。ラグジュアリーなニュアンスが少しだけ突出しているように感じるんですよね。

画像はルックブックより抜粋。

ースタイルとしてはどのような着こなしにハマると思いますか?

田中:シルバージュエリーと聞くとどうしてもハードな印象を抱きがちですよね。でもこのブランドは、いま話したようにラグジュアリーな雰囲気があるから現代的でミニマルなスタイルと合わせるのがいいんじゃないかと思ってます。そうすることで〈ロンワンズ〉の個性が活きるし、コーディネートにも程よく重厚感をプラスできるので。

ー田中さんは、90年代に〈ロンワンズ〉に触れる機会はありましたか?

田中:ありましたよ。ただ当時の自分はまだ若かったので、〈ロンワンズ〉はあくまで憧れのブランドでしたけどね。藤原ヒロシさんなど、ファッション業界の著名な方が身につけていてみんな注目していました。年齢を重ねたいま〈ロンワンズ〉のアイテムを見ると、その魅力がより理解できる気がします。

ーやっぱり今回の復刻アイテムも、当時憧れの視線を向けていた人たちに見て欲しいと。

田中:そうですね。90年代のカルチャーを知っている人の心に刺さるアイテムだと思います。実際に店舗でも40代くらいのお客さまの反応がすごくいいので。とはいえ、やっぱり20代、30代の方々にもシルバージュエリーのよさを伝えたいです。いいモノというのは時代に淘汰されず、どんな年代のお客さまにも響くと思うんですよ。なので、幅広いお客さまに見て頂きたいという気持ちが強いですね。

ESTNATION 六本木ヒルズ店
東京都港区六本木6-10-2 六本木ヒルズ
ヒルサイド けやき坂コンプレックス1F・2F
電話:03-5159-7800(受付時間11:00~21:00)
営業時間:11:00~21:00 / 不定休
ESTNATION 神戸店
兵庫県神戸市中央区三宮町3-6-1
神戸BAL ANNEX
電話:078-325-3425
営業時間:11:00~20:00 / 不定休
ESTNATION ZOZO TOWN
zozo.jp/brand/loneones
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