PROFILE
1995年長野県生まれ。クライマー、佐久平ロッククライミングセンター所属。2019年より〈カリマー〉のアンバサダーを務めるほか、現代のクライミングにふさわしい究極の装備を追求する同ブランドのスペシャルライン『ultimate』の商品開発にも携わる。

潔くんがアンバサダーとして製品づくりをサポートする「ultimate」。アルパインクライミングやロッククライミングといった過酷な環境でこそ機能するテクニカルライン。〈カリマー〉の「コジー PG フーディ」¥18,000+TAX、「クエスト ソフトシェル パンツ」¥18,000+TAX(すべてカリマーインターナショナル)
最初は全然登れなかった。
それが悔しくて悔しくて……。
ー 潔くんは今季から〈カリマー〉のアンバサダーを務めているわけですが、ご自身にとって〈カリマー〉はどんなブランドですか?
長い歴史を持つ老舗でありながら、柔軟さを併せ持つブランドだと思います。クライマー向けのバックパックにルーツを持ち、その世界では確固たる地位を築いているにもかかわらず、そこに安住することなく、新しい挑戦を絶えず続けている。そのスタンスに共感しますし、特に最近は勢いを感じます。
また、本格的なクライミング用のアイテムだけでなく、カジュアルなデイリーウェアも着心地が良くて快適。ぼくの日常にとって欠かせないものとなっています。
ー 潔くんがクライミングを始めたきっかけを教えてもらえますか。
長野県の浅間山の麓で生まれ育ったぼくにとって、子供の頃から山が遊び場。家族も山好きで、キャンプやハイキングによく連れて行かれました。小学校3年生のときには蓼科山に登山へ。それくらいの年齢になったら蓼科山に登るのが、船山家では慣例になっていて。
初めてクライミングを体験したのは高校生のとき。参加した自然教室のプログラムとして用意されていて。運動神経は良いほうだったので、「やればできるだろう」と気軽な気持ちで挑戦してみたのですが、全然登れなかった。それが悔しくて悔しくて……。
そこで、クライミングジムに通い始めて、必至に練習しました。しばらく通っているうちに、ある程度のレベルまで登れるようになった。でも、難易度を上げていくと、壁にぶつかって、また登れなくなる。なにくそと思ってまた死ぬ気で練習したら、ようやく登れるようになって……そんなことを繰り返しているうちに、どんどんハマっていきました。

2019年秋冬から4つのラインにカテゴライズして展開される〈カリマー〉。その詳細はコチラ。
ー 難しいことに挑戦し続けることが、クライミングのモチベーションになってきた、と。
めちゃくちゃ負けず嫌いなんだと思います。でも、自分は人と競ったり比べられたりすることに興味はなくて。クライミングはぼくにとってあくまでも“遊び”。自己満足の部分が大きいです。危ないことをしたいわけではないので、命知らずなこともやりません。
ぼくがクライミングをやるうえでいちばんのモチベーションになっているのは、自分との勝負、自分に向き合えることにあります。世界のトップレベルで活躍するスキーヤー、スノーボーダーの友人に刺激を受けることもありますが、あくまでも僕の場合は自分と向き合いながら、アクティビティに没頭して、厳しさを乗り越えたときの達成感こそ、新しいモチベーションに繋がるんです。もっと山と向き合ってみたくなる、というか。そんな思いでぼくはクライミングをはじめとするアクティビティに取り組んでいます。

山岳ガイドを目指して、
単身フランスへ。
ー 高校在学中にクライミングに出会って、その後は何をしていたんですか?
大学受験を試みたものの、思うようにいかなかったんですよね。だったら思い切って単身フランスに渡ってしまおうかと。

トレッキング、ハイク、ファストパッキングにウィンタースポーツまで、幅広いアウトドアアクティビティに対応する「explorer」。〈カリマー〉の「リッジ 40」¥22,500+TAX、「サミット ストレッチ ジャケット」¥32,000+TAX、「サミット ストレッチ パンツ」¥20,000+TAX(すべてカリマーインターナショナル)
ー なぜフランスへ?
ぼくにとって恩師である国際山岳ガイドの方に「自分も山岳ガイドになりたい」と相談したところ、「それなら本場のフランスに行ったほうがいい」とアドバイスを受けて。フランスでは語学学校に通いながら1年ほど滞在しました。向こうでも暇を見つけてはクライミングに行ったり、冬はスノーボードに行ったり、現地の山を楽しみました。
フランスから帰国後は本格的にアルパインクライミングを始めて、それから約2年間、アルバイトでお金を貯めては海外へクライミングに行くという生活を続けました。

カテゴリーの枠を越えて、
あらゆるアクティビティを縦横無尽に楽しむ。
ー 潔くんはクライミング以外にも様々なアクティビティに取り組んでいますよね。
フリークライミングやアルパインクライミングのほか、スノーボード、スケートボード、サーフィンもやるし、登山やキャンプも大好きです。日本ではアクティビティごとにカテゴリーがはっきり分かれていますが、ヨーロッパではそのあたりの境界がほとんどなく、みんな自由に楽しんでいる印象です。

アクティビティ後のチルアウトにだって活用できる「explorer」。〈カリマー〉の「コーデュロイ ロゴ キャップ」¥4,600+TAX、「アセント ジャケット 2」¥20,000+TAX、「サミット ストレッチ パンツ」¥20,000+TAX(すべてカリマーインターナショナル)
ー 潔くん自身もそうありたい、と。
はい。カテゴリーに縛られることなく、様々なアクティビティを縦横無尽にミックスしながら楽しみたいですね。たとえば、アルパインクライミングができないとたどりつけない場所まで行って、誰も滑ったことがない斜面を滑ってみる、とか。そんな遊び方をしている人はあまりいません。


2018年の大晦日、長野県の雨飾山にて。スノーボードやテント泊装備一式を携えてハイクアップし、雪上キャンプを楽しんだ後、翌朝は新年一発目のバックカントリースノーボードを満喫!
ー ちなみに、オフの日は何をしているんですか?
オフ……ないですね。自分にとって土日は関係ないですし、家でボーッとしている時間は一切ありません。朝から番まで一日中何もしないというのは、ぼくにとってはあり得ないこと。常になにかしらやっていないと気が済まないんです。やりたいことがありすぎて、どんなに時間があっても足りません(笑)。


その名の通り、日常を豊かに、快適に過ごすための「life」。ビジネスからトラベルまで、幅広いシーンをカバーするデザイン、機能性を備えています。〈カリマー〉の「コーデュロイ ロゴ キャップ」¥4,600+TAX、「イーデイ ダウン パーカー」¥33,000+TAX、「コットン トート」¥4,900+TAX(すべてカリマーインターナショナル)
自身が手掛けた〈カリマー〉の
プロダクトに込めた思い。


〈カリマー〉の魅力を「歴史と柔軟性」と語る潔くん。〈カリマー〉の詳しい歴史はコチラから確認できます。
ー 『ultimate』を手掛けるうえで、どのようなことを意識しましたか?
アルパインクライミングはシビアな世界。ウェアやバッグのちょっとした違和感が大きなストレスになり、パフォーマンスの低下につながりかねません。
ぼくが商品開発において意識したのは、マイナスを減らすこと。いわば“引き算”の考え方です。モノづくりって機能を追い求めると“足し算”になりがちですが、何でもかんでも機能を追加していけばいいってものではないと思います。たとえば、「ここにポケットがあればいいのに」とぼくが思ったとしても、それが万人に当てはまるとは限りません。
残すべきところは残して、削るべきところは削る。そうすることでより良いものができあがる、というのがぼくのモノづくりに対する基本的な考え方です。

左から〈カリマー〉の「アルティメイト 35」¥28,000+TAX、「アルティメイト 60」¥33,000+TAX(すべてカリマーインターナショナル)

左から〈カリマー〉の「コジー PG フーディ」¥18,000+TAX、「エピック インシュレーション パーカー」¥40,000+TAX(すべてカリマーインターナショナル)
ー 今季の活動ではどんなアクティビティを中心に据えようと考えていますか?
今季は自分が開発に携わった『ultimate』が発売になったこともあり、アルパインクライミングを積極的にやりたいと思っています。あとは、先シーズンからバックカントリーの面白さに改めて目覚めたので、こちらも並行して楽しみたいですね。そういった活動内容を〈カリマー〉にフィードバックすることで、より良い製品、モノづくりに繋げていきたいですね。ぜひ今後の〈カリマー〉に期待をしてください。