着たときに重さを感じない服をつくっていきたかった。
その〈ザ・コンスパイアーズ〉では、「ネペンテス」の代表である清水慶三さん、〈エンジニアド ガーメンツ〉の鈴木大器さんがデザインを担当。中平さんがプロデュースする新しいブランドです。

「ニューヨークで『バッテリー SR』というショールームをやっているジョンという仲間がいて、彼と一緒に新しいブランドをスタートしよう、ということで始めたんです。日本とアメリカの両方で売れる服がいいね、と。その話を清水さんと大器さんに相談したら、デザインをやってくれることになったんです」
中平さんと清水さん、鈴木さんは30年以上の付き合いで、もともと「ユニオンスクエア」という老舗のインポートカンパニーで先輩後輩の関係にあったのだとか。仕事の付き合いというよりも、プライベートでの親交が深いのだそうです。
「ニューヨークにいるジョンも大器さんと親しいし、一緒にハワイへ波乗りへいくほどの仲なんです。もちろん清水さんとも仲がいいですし、四人とも切っても切れない関係ですね」

ブランドをスタートするときに、中平さんがデザイナーのふたりにオーダーしたのが“大人のためのリラックスウェア”でした。
「着たときに重さを感じない服をつくっていきたかったんです。時代の流れもあると思いますが、ぼく自身、最近は襟のついたシャツを着なくなりました。ウールのニットやメルトンの重たいコートも着ていてゴワついたりするじゃないですか。そういう気分を反映させて、見た目的にも重苦しくなくて、なおかつ実際に着たときも軽いものがよかった。清水さんもそうですけど、最近ジャージを履いていたりとか、いまは軽い服をサラッと着たいんです。とはいえ、どうでもいいってならない服。きちんとデザインされている服をつくりたかったんです」

〈the conspires〉リバーシブルコート 各¥98,000+TAX

〈the conspires〉ベスト 各¥48,000+TAX
鈴木さんらしさが溢れる、精悍な佇まいが魅力的なリバーシブルのコートとベスト。ミリタリーウェアからヒントを得てデザインされている。それぞれのウェアにはベルトがついていて、襟裏にあるベルトループに通すことで脱いだときに背負える仕様。

左から〈the conspires〉ボアジャケット ¥42,000+TAX、ボアコート ¥45,000+TAX
見るからに暖かそうなボアのジャケットとコートは、ゆったりとしたシルエットが特徴。野暮ったくなりがちなアイテムも、ソリッドなデザインにすることで着やすくアレンジしている。こちらのデザインは清水さんが担当。

〈the conspires〉ジャケット ¥24,000+TAX、パンツ ¥20,000+TAX
ストライプのシャツとパンツのセットアップは清水さんによるデザイン。ストライプの生地を用いた上品なアイテムながら、ドローコードで絞るウエストの仕様など、どこかリラックスした佇まいもポイント。
そのコンセプトをベースに、デザインはほぼお任せでやってもらったという中平さん。「細かなところを口出しするとデザイナーの良さが消えてしまう」とのこと。
「お二人のつくるものは間違いないというのは初めからわかってましたから。だから上がってくるものを見るのが楽しみでした。それでいざ見てみると、やっぱりかっこいい。清水さんらしさ、大器さんらしさがありつつも、シンプルで着やすい服になっていると思います」