PROFILE

1992年に「SILENT POETS」として音楽活動を始動。これまでに通算8枚のオリジナル・アルバムをリリースした他、多数のコンピレーションにも参加。一方で、2016年に「ジャージースポート」で“POET MEET DUBWISE”とバックにプリントされたTシャツをリリースした事がきっかけとなり、2019年に〈POET MEETS DUBWISE〉を正式にスタートし、アパレルを中心にグッズを展開している。
音楽以外でもメッセージを発信できたら。

ー 下田さんが〈ポエトミーツダブワイズ〉のきっかけとなるTシャツをつくったのが2016年のことで、今年で4年が経過しました。そのあいだに変化などはありましたか?
下田:16年にSILENT POETSで『東京』をリリースしたときに「ジャジースポート」の提案でTシャツを制作しました。そのときにプリントしたのが、後にブランド名となる「POET MEET DUBWISE」だったんです。それまでは音楽活動がずっと停滞していたんですけど、18年に久しぶりにアルバムをリリースしたり、止まっていた活動が少しずつ動き出して、自分の中でいろんなことが広がりを見せた感覚はありますね。
ー 〈ポエトミーツダブワイズ〉は「SILENT POETS」の物販のような感覚でつくられていますか?
下田:ぼくはファッションの人間ではないので、大々的にファッションブランドとして謳うのはちょっとおこがましい感じがして。なので、仰るとおり自分のグッズという感じでつくってます。
ー アイテムの一部には、「If you have any doubts, investigate, learn, think and judge for yourself. Don’t be fooled by fake news and liars(もしあなたが何かに疑問を持ったなら、自分で調べて、学んで、考えて判断しよう。偽のニュースや嘘に惑わされないで)」や、「Protect your precious thing(自分の大切なものを守ろう)」といったメッセージが描かれていますが、それは下田さんからのメッセージのようなものなのでしょうか?

下田:そうですね。音楽以外でもメッセージを発信できたらと思って。そうしたメッセージをきちんと受け止めて着てくれたらすごくうれしいですね。ただ、100%そうであってほしいとは思わなくて、伝えたいことはあるんですけど解釈の方法は着る方に委ねたいと思ってます。
ー インスタグラムで下田さん個人のアカウントを拝見すると、社会に対する発信を積極的におこなわれてますよね。
下田:インスタではもっと具体的で強く発信してますね。〈POET MEETS DUBWISE〉ではその根っこの部分は変わらないけど、より柔らかく伝えることを意識してます。メッセージがあまりにも強すぎると、それはそれで重たくなっちゃいますし。そのあたりのバランスは考えながらつくっています。
ー いま、新型コロナウィルスによって世界中に甚大な影響が出ていますが、先ほどのメッセージはまさにこの状況に通づるものを感じました。
下田:そうかもしれませんね。もともとそういう考えはあったんですが、こうした状況になってよりそれがクローズアップされた感覚はあります。前々からいろんな問題が山積みになっていたんだけど、それがコロナによって可視化された。多くの人が政治や社会問題に関心を持って、いろんなことに気づいたタイミングだったと思います。自分自身も今回の出来事で思っていたことがより明確になりました。