PROFILE
SEVEN BY SEVENデザイナー。1978年生まれ。1998年より渡米。帰国後「7×7」および〈SEVEN BY SEVEN〉をスタート。2020AWシーズンにて、アーティスト下田昌克と念願のコラボレーションを実現。
PROFILE
アーティスト。1967年生まれ。1994年から2年間、中国、チベット、ネパール、インド、そしてヨーロッパを旅行。その2年間に会った人々のポートレイトを描き続け、1997年、日本に持ち帰った絵で週刊誌での連載を開始し、 本格的に絵の仕事を始め、現在に至る。
ぼくの好みは80年代のモノで、できあがっている。
ー 川上さんと下田さんが初めて会ったのは、雑誌『SWITCH』でスタイリストの北村道子さんの特集号だったそうですね。

アーティスト下田昌克
下田:北村さんがモンスターをテーマにファッションページをつくっていて。そこで声をかけてもらって、デニムのマスクと洋服をつくってほしいと頼まれたんですよ。パタンナーから洋服のパターンが届いたけど、ぼくは恐竜のマスクをつくれても洋服はつくれないから、「え?」となってしまって(笑)。それで、北村さんに川上くんを紹介してもらいました。

SEVEN BY SEVEN デザイナー 川上淳也
川上:突然、北村さんから連絡があったんです。そのときの電話では内容がよくわからなかったけど、おもしろいことには間違いないから協力したかったんですね。それから後日、下田さんのアトリエに伺ったら、入口に入った瞬間に「あれ?」と驚いて。〈コム デ ギャルソン〉のコレクションで見覚えのある恐竜のマスクが置いてあったんですよね。下田さんのお名前まではわからなかったけど、あのマスクは鮮明に覚えていたので。
ー そこですべてが繋がったわけですね。
川上:はい。下田さんの人柄にも惹かれてしまって、どこかで仕事をご一緒したいなと思ったんです。この空間に来ると、いつも刺激をいただいていて。
ー 下田さんのアトリエは情報量がすごいですね。


下田:集中できるわけがないよね。毎日掃除しようと思っているのに後回しにしていたら、こうなってしまって。ぼくはモノを整理する能力が結構低いみたいで、掃除しているとモノがどこにいったのかわからなくなるんですよ。奥さんからは「ここにあるモノは持って帰ってこないで」と言われているんだけど(笑)。
川上:ぼくも部屋はモノだらけで洋服ばかりですよ。特に古着が山のようにあります。下田さんがおっしゃったように、モノを触ることで刺激を受けるというか。洋服の場合は生地に触れてアイデアが浮かぶことが多いので。
ー モノに囲まれていると安心しますか?
下田:もう少し片付いているほうがいいね(笑)。ここにあるモノは80年代に偏っていて、ぼくが好きなものは高校生くらいから変わっていないんだよ。アニメやSF映画の影響を大きく受けていて、音楽の好みもその頃に聴いていたもので出来上がっているから。今の音楽も好きだけど、今でもデヴィッド・ボウイやジュリー(沢田研二)を聴いているからね。

川上:ぼくの場合、一番刺激を受けたのは90年代と2000年代初頭くらいですかね。高校を卒業してサンフランシスコで暮らしていた頃は現地のすべてから刺激を受けていました。
ー 川上さんは初めての海外がサンフランシスコでの生活だったそうですが、それが〈セブンバイセブン〉に繋がっていくと。下田さんの初めての海外は確か北京ダックを食べるために行った中国なんですよね。
下田:そうなの。ぼくの初海外旅行は北京ダックを食べに行ったんだけど、そのまま2年も旅行してしまって(笑)。
ー サンフランシスコも行ったことがありますか?
下田:ないんですよ。でもビートニクの空気は好きだったので、20代の頃はジャック・ケルアックの『路上』の文庫本を持って旅行していたりして。実はいま売っている本の表紙の絵はぼくが描いていて、不思議なことが起こるもんだなぁと。ポール・ボウルズとか、あの時代の文学は結構好きですね。アメリカはいつでも行けると思っていたけど、意外と行けていないんだよね。ニューヨークと、ギャルソンのコレクション発表で行けたL.A.くらいで。