170年を迎える歴史を前に、フルーツオブザルームが出した“いま”の答え。
ー 現行の〈フルーツオブザルーム〉のパックTを手に取った感想はどうですか?
栗原:まず、生地の質感が非常にシルキーで着心地が良さそうですね。手に取ってパッと見たときに「ハイブランドのTシャツかな」って思うぐらい、タッチ感が洗練されています。7ozと一般的なTシャツのなかでもヘビーウェイトな生地厚なのですが、それを感じさせないような仕上がりになっているように思います。トップスとして着られるように透けにくい厚みを確保しつつ、アンダーウェアとして着た時も快適な絶妙な生地感ではないでしょうか。
ー 今回のリブランディングにあたって、ソックスもかなりこだわってつくったようです。
栗原:一般的なアメリカのソックスって独特の風合いですよね。安くつくって気軽に履き替えるというスタイルなのでしょうし、きっと向こうの人たちは靴をずっと履いたまま過ごすので、なるべく締め付け感のないものを好むからという理由もあるんでしょう。このソックスも甘めの編み立てやフワッとした手触りは、現地のソックスをよく再現していると思います。もし、この質感や履き心地で日本のソックスと同等の耐久性があるなら、すごく良いのではないでしょうか。
ー アメリカで売られてるソックスは一気に大量に編み上げる関係で伸びやすいらしいのですが、そのズルズルっとなった質感やざっくりとした風合いを再現しつつ、日本の品質基準にも適合する耐久性を確保したそうです。最後に、栗原さんが考える、〈フルーツオブザルーム〉の最大の魅力はどういったところだと思いますか?
栗原:1800年代からいまでも残っているアメリカンブランドは非常に希少ですし、いまでもアンダーウェアやTシャツの市場で大きなシェアを占めているのは驚異的です。それだけモノとしての完成度も高い証拠ですし、デイリーウェアとして確かな地位を築いているブランドなのだと思っています。ある意味で、本当の普段着といえる服なのではないでしょうか。
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