KEYWORD 03:Craftsman 長年の経験で培われてきた“職人”の技術と感覚。

佐野さんが「職人たちの頭脳と手仕事があるからこそ」と話していたように、設備が充実している一方で、現場で手を動かす職人たちの技術もこの工場の大きな魅力のひとつです。すべてを機械に頼るのではなく、人の手で作業するからこそなし得る仕上がりがあります。

「金具をかしめたり、革を薄く削ったり、仕上がりを検品したりという作業は全部人の手によっておこなわれます。すべて全自動で生産するとかえって効率が悪かったり、仕上がりに納得できない部分もあるんです。それに裁断や縫製といった作業も、それぞれ専門の職人たちが担当していて、設備を扱う技術も日々向上しています。たとえば、縫製の際に生地にかかる負荷などは、生地によって変化しますし、すべて同じように扱えばいいというわけではありません。やはり職人たちの経験によって培われた技術や感覚があってこそ、納得のいくものづくりが成立するんです」