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ワイルドターキーとアヤメ今泉悠。そして熟成する時間。
Tell me the time.

ワイルドターキーとアヤメ今泉悠。そして熟成する時間。

上質な時間をともにする、大人の嗜み。バーボンと聞けば、そんな印象を抱く人も多いのではないでしょうか。“キング・オブ・バーボン”と称される〈ワイルドターキー(WILD TURKEY)〉には、そのイメージを具現化したかのような極上の1本があります。それは、毎年異なるテーマを掲げ、少量限定生産している最上級のマスターズキープシリーズ。今年は、17年も長期熟成を施した「ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド(以下、BIB)」が発売されました。そんなぜいたくな一杯を飲みながら、アイウェアブランド〈アヤメ(ayame)〉のデザイナー今泉さんに、熟成やモノの選び方についてお話を伺います。すると、〈アヤメ〉のプロダクトは、バーボンと共通する部分があることが分かりました。

  • Photo_Masaru Katou
  • Text_Shogo Komatsu
  • Edit_Shun Koda

PROFILE

今泉悠

1983年生まれ。茨城県出身。2010年にアイウェアブランド〈アヤメ〉を設立。“温故知新”をブランドのコンセプトに掲げ、自由な発想から生み出されるプロダクトは、時代に左右されないデザインで人気に。自社ブランド以外に、国内外のアイウェアデザインやディレクションも行っている。昨年、念願の旗艦店を千駄ヶ谷にオープンし、地域に密着したお店を目指す。趣味はサーフィン。
www.ayame-id.jp

ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド デザインにも熟成期間を。

ー 今年〈アヤメ〉は10周年を迎えました。率直な感想はいかがですか?

今泉:がむしゃらにやってきましたが、こうして振り返ってみると、10年ってあっという間で早かったですね。すべてを全力でやりきりながら走り抜けてきたので、後悔はないです。

ー 節目の年に、なにやらすごいモデルをリリースするそうですね。

今泉:18金のモデルをリリースします。金のメガネって、創業100年のメーカーさんが作るような一本ですけど、僕らくらいの規模のブランドはどこもやっていないし、常に挑戦し続けるのが〈アヤメ〉なので、思い切って作ってみることにしました。金を扱う職人さんと2年ほど打ち合わせを重ねて、ようやく完成したんですよ。

10周年を記念して製作した「ジパングK18(ZIPANGU K18)」。パッドからネジまで、すべてシルバーゴールドを採用した渾身作だ。ホーウィン社製のコードバンのケースが付属して、木工職人に作ってもらったクヌギの箱入りで販売される。現在、実際の掛け心地を確認しているそうだ。

ー そんな今泉さんですが、メガネ作りは未経験からスタートしたんですよね?

今泉:はい。当初はなにも分からなかったけど、ただ自分に似合うかっこいいメガネが欲しかったので、独学でスタートしました。毎日デザインをするようになって、挑戦と失敗を繰り返し、職人さんの協力もあって、形になっていきました。〈アヤメ〉は、ほかのブランドさんより小規模なので、失敗を重ねた上にプロダクトがあると思っています。

ー デザインしていくなかで、大事にしていることはありますか?

今泉:ひとつのプロダクトが完成するまで、たっぷりと時間を使っています。デザインが完成したら、短くても3ヶ月は眺め続けて、それでも飽きないものだけをピックアップしてリリースしています。

ー デザインを熟成させるということですね。

今泉:そうですね。熟成させたお肉やお魚がおいしくなるように、デザインを寝かせることで、本当の良さを見つけ出すような感覚です。10年前、〈アヤメ〉が最初にリリースしたモデル「ニューオールド(NEWOLD)」は、完成まで2年も掛けました。その甲斐あってか、この前の展示会でも、かなり人気だったんですよ。〈アヤメ〉には定番モデルが多いんですけど、そこには不変的な良さがあると思っています。

ー じっくりと時間を掛けることで、デザインにどんな影響を及ぼすと考えますか?

今泉:デザインを描いた直後は、少し硬いので、柔らかくしてあげる必要があるんです。デザインが完成した喜びと感動は大きいですけど、冷静になってからの見え方のほうが大事。かっこいいと思ってデザインしていても、少し間を空けてから見てみると、改善できる部分が見つかりますからね。リリースした後に、もっと良くできたなんて思いたくないですし。

ー ほかに、メガネ作りで大事にしていることはありますか?

今泉:メガネは、人の顔の印象を左右するので、生半可な気持ちじゃ作れません。気に入ったメガネを、リピートしたり、修理して使い続けたりしてくれる人がたくさんいるので、そのモデルを作り続けることを大事にしています。廃盤になってしまうと、パーツがなくなって修理できなくなっちゃいますからね。だから、定番モデルを作り続けることで、顔の印象を変えないことに繋がります。でも、より良い掛け心地のために、定番モデルもミリ単位でアップデートしています。それは、熟成させないと分からないことですよね。

ワイルドターキー マスターズキープ ボトルドインボンド¥20,000+TAX
マスターディスティラーであるエディー・ラッセルが厳選した、17年長期熟成、稀少の100プルーフ・ウルトラプレミアムバーボン。150年以上にわたるバーボン作りの歴史の中で生まれたこの一本は、高品質かつ稀少価値であることを証明するボトルドインボンド法に従って、17年前に樽詰めしたその年の原酒しか使用せず、かつ1つの蒸溜所で製造された原酒から作られているという稀少性あるバーボン。スパイシーでバニラのような香りと甘み、そして上質なまろやかさが口中に広がる。

ー 〈アヤメ〉の代表であり、デザイナーという立場なら、お酒をおいしく感じる瞬間がたくさんありそうですね。

今泉:お酒は好きなので、毎日おいしいですよ(笑)。でもやっぱり、なにか達成したときは、よりおいしさを感じますね。出張から帰ってくると、やりきった感があって特にそう思います。あとは、1年を駆け抜けた年末。仕事が落ち着いてから飲むお酒は、本当に最高です。

ー そんな自分へのご褒美にもぴったりなBIB。こちらは高品質かつ希少であることを証明するボトルドインボンド法にのっとって作られ、17年前に単一の蒸留所で生産され樽詰めされた、その年の原酒のみを使っているそうです。まさに、〈ワイルドターキー〉が持つ、バーボン作りの技術と情熱の粋を集めた奇跡的な一本です。

今泉:こんなに熟成させたバーボンを飲むのは初めてでした。香り高く、味わいは深く、そして余韻が長い。個人的に、仲間と一緒にワイワイ飲むっていうより、ひとりの時間をぜいたくに演出したいですね。

“熟成した愛用品”として挙げてくれたのは、はじめて購入した「ロレックス(ROLEX)」の名品サブマリーナ。「1968年製です。やっぱり「ロレックス」は憧れです。自分に言い訳しながら(笑)、思い切って買っちゃいました」

ー バーボンは、よく飲まれますか?

今泉:ウイスキーが好きなので、バーボンもよく飲みますよ。古いイメージですけど、バーボンって、お金持ちのお家に飾ってある大人の嗜好品って印象です。その憧れがあって、ウイスキーを飲むようになったんですよね(笑)。アメリカに行ったときもバーボンをよく飲んでいましたけど、もっとカジュアルなものだったので、熟成すると、ここまでの深みが出るとは。

ー 芳醇な香りがこちらのほうにまで届いています。

今泉:BIBを飲んでみて、今までおいしいと思っていたお酒は、狭い範囲のなかだったと気づきました。バニラのような甘い味わいがあって、チェリーみたいな香りが鼻から抜けるのが気持ちいい。家にあったら、帰るのが楽しみですね。行きつけのバーで、マスターにこんなお酒を飲んだよって話したくなっちゃいます。来年のマスターズキープシリーズも楽しみですね。

INFORMATION

ワイルドターキー

オフィシャルサイト

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