「なにもしなくても、世の中に認められている気がする」
ー 「トリプルファイヤー」は、現体制になってから今年で10年目でしたが、新型コロナウイルス感染症対策の影響でイベント中止が相次いで演奏の機会もいくつか失われました。
吉田:そうですね、僕らのバンドにとっても非日常でした。この10年はほぼ毎週スタジオで会っていたのですが、今年は3ヶ月くらいスタジオに入ってない時期もあるくらいで。
ー そんななかミュージシャンに限らずいろんな人が、オンライン上で曲や作品を発表していましたが、吉田さんはどう過ごしていましたか?
吉田:星野源さんの「うちで踊ろう」とか、ああいったのを聞いて、ちょっと暗い気持ちになっていました……。
ー (笑)。それは、なぜ?
吉田:こんなときにも、なにか活動に結びつけている人たちがいて、自分もやんなきゃいけないのかなって……。
ー なるほど……。曲づくりの作業には、コロナ禍の影響はありませんでしたか?
吉田:ここ数年は、メンバーの鳥居くん(ギター)がつくってきた曲に歌詞をつけるっていう感じなので、来なければなんにもしません。なので、スタジオ入ってなかったら、何もしないですよね。自粛期間中は、自炊とかちょっとやってました。あと、音楽の理論を学ぼうとして本を買い込んだりとかしたんですけど……。まあ、すぐにあんまりやらなくなりますよね。それでも、家にただいるだけで世の中から認められている気がして居心地が良かったですね。こんなに、なんにもしなくていいんだって。