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蕎麦をずずっと。2020年を振り返る。トリプルファイヤー 吉田靖直

蕎麦をずずっと。2020年を振り返る。
トリプルファイヤー 吉田靖直

ぷつりと切れやすい蕎麦よろしく、旧年の労苦や災厄を翌年に持ち越さずばっさり切り捨てられるよう願いながら食べる。江戸時代から続くという「年越し蕎麦」には、そんな由来があるそう(諸説あり)。今年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行によって未曾有の1年となりましたが、みなさんにとってはどんな年になりました? ばっさり忘れたい出来事はありますか? 過去には「タモリ倶楽部」で適正バイトを探すための特集が組まれるなど、つかみどころのないキャラクターで大喜利番組や映画、CMに出演し、今年も活動の場をどんどん広げているトリプルファイヤー・吉田靖直さんをゲストに迎え、蕎麦をずずっとすすりながら1年を振り返ってもらいました。

  • Photo_Isamu Sakamoto
  • Text_Jun Asami
  • Edit_Yuri Sudo

「なにもしなくても、世の中に認められている気がする」

ー 「トリプルファイヤー」は、現体制になってから今年で10年目でしたが、新型コロナウイルス感染症対策の影響でイベント中止が相次いで演奏の機会もいくつか失われました。

吉田:そうですね、僕らのバンドにとっても非日常でした。この10年はほぼ毎週スタジオで会っていたのですが、今年は3ヶ月くらいスタジオに入ってない時期もあるくらいで。

ー そんななかミュージシャンに限らずいろんな人が、オンライン上で曲や作品を発表していましたが、吉田さんはどう過ごしていましたか?

吉田:星野源さんの「うちで踊ろう」とか、ああいったのを聞いて、ちょっと暗い気持ちになっていました……。

ー (笑)。それは、なぜ?

吉田:こんなときにも、なにか活動に結びつけている人たちがいて、自分もやんなきゃいけないのかなって……。

ー なるほど……。曲づくりの作業には、コロナ禍の影響はありませんでしたか?

吉田:ここ数年は、メンバーの鳥居くん(ギター)がつくってきた曲に歌詞をつけるっていう感じなので、来なければなんにもしません。なので、スタジオ入ってなかったら、何もしないですよね。自粛期間中は、自炊とかちょっとやってました。あと、音楽の理論を学ぼうとして本を買い込んだりとかしたんですけど……。まあ、すぐにあんまりやらなくなりますよね。それでも、家にただいるだけで世の中から認められている気がして居心地が良かったですね。こんなに、なんにもしなくていいんだって。

INFORMATION

蕎麦を食べたお店はこちら!

福招庵(ふくしょうあん)

〒150-0034 東京都渋谷区代官山町15-7
営業時間:11:30~15:45、17:00~21:00
定休日:土曜

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