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独立独歩のあの人と、無印良品の何気ないTシャツ。
That person with T-shirts.

独立独歩のあの人と、無印良品の何気ないTシャツ。

部屋でも、外でも。晴れでも、雨でも。山でも、谷でも。どんな日常であろうと、(ほぼ)毎日着るTシャツ。特に、春夏は1枚で着る、重要なアイテムです。大げさにいえば人生の伴走者として、リアルに言えばデイリーウェアとして、賴もしい相棒になる〈無印良品〉のTシャツを、オリジナリティあふれる4人の活動とともに紹介します。

  • Photo_Yuko Yasukawa
  • Styling_Takeshi Toyoshima
  • Hair&Make_Amano(Yoshiaki Takahashi)
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Keisuke Kimura

02 阿部成美さん/TUMMY代表

PROFILE

2014年京都大学農学部卒業し、畑や農産物の埋もれる魅力を発信できる人になりたいと考え、修行のため株式会社博報堂に入社し、2018年に退社。人材系スタートアップのSHE株式会社で5ヶ月間所属の末、TUMMYを設立。仕事と別に全国の食農系学生団体OB•OGネットワーク「GOBO」に所属。畑を会議室として捉える「竹林アイデアソン」など独自の視点でプロジェクトを主導するなど、社外での活躍も。
Instagram:@narumi_bee

農家さんは自然と対峙しているから強い。

ー 食のなかでも、食のシステムなどに興味を持ったのは、どうしてですか?

山口県育ちなんですが、「地産地消」という号令がかけられていたのに、実際スーパーに行くと他県の野菜ばかり。遠くからじゃなくて、県内から持ってきた方が近くて早いのにと思いました。それに、日本は食料をたくさん輸入しているのに、その1/3を捨てていると聞いて、どうしてこういうことになっているのだろう?と疑問を持つようになったんです。

ー その後、京都大学の農学部に入られますよね。

大学に入るまでは、農業には接点がありませんでした。ただ農家さんを訪ねるようになり、その畑で食べた野菜がとてもおいしくて、食よりも農業が好きになったんです。あと、農家さんは自然と対峙されている方が多いので、強いという表現が合っているのかはわからないですが、その知恵や言葉に「なるほどね」と感心することもよくあります。だから、そういった魅力がちゃんと伝わっていないのはもったいないなと。

ー 大学卒業後、博報堂に入ったのは?

大学生の時点で、農業のブランディング化を志していましたが、当初はブランディングというやり方どころか言葉も知りませんでした。とにかく、そういうことが学べる会社だろうと入社し4年半働きました。農業との接点をなくさないように、「GOBO」という社会人農業サークルで、勉強会や畑への訪問は続けていて。

ー 退社後に現在代表を務めている「TUMMY」を起業されましたが、具体的にどんなことをされていますか?

食と農業にまつわるブランディングをサポートする会社として、愛を持って一次産品を育てている生産者さんと消費者を繋げるお手伝いをしています。あとは「ハタケト」という農のある暮らしにまつわるメディアを通じて情報を発信したり。

ー 農業にはブランディングが足りていないということでしょうか?

「胃袋をただ支える」という意味での農業には特に必要ないと思っています。ただ、愛をもってこだわって育てたのに、行き場を失ってしまっている一次産品は確かにあって。デザインやコミュニケーションをちゃんとして、消費者さんにも知ってもらうことができれば、もっと双方が幸せになってくと考えています。

あと、「農」に関わる人を増やしたいですね。ブランディングのためにフリーランスの方と組むことも多いんですが、農業に触れると、楽しさに目覚める方も少なくないんです。農業に興味はあるけど、まだという人を引っ張り込んでいくと(笑)、規模は小さいけど、暮らしに農業を取り入れる人が増えるかもしれませんよね。

エサか、グルメか。

ー 最近の食のシーンに対して感じることはありますか?

食シーンは二極化していますよね。言い方は悪いですけど、まず一方はエサのような栄養摂取。もう一方が外食などのグルメ化。そのどちらでもない、地味に豊かなと食事、例えばご飯と味噌汁だけのような、(ハレとケの)ケの日のご飯をちゃんと食べる人が増えたらいいなと。食事を通じて、季節や命を感じて、いたただきます、ごちそうさまと言うようなご飯ですね。

ー 最近は、シェア農地なども増えているとはいえ、都市に住みつつ、農業をやるというのは難しいですよね。

たぶんみなさん、ご自分でハードルを上げている気がします。農地に行くことももちろんそうなんですが、ベランダ菜園だって農業です。まずはそこからでも、全然いいと思うんですよね。

命をありがたいと思っていただくことと、丁寧な暮らし。

ー 農業と真剣に向き合っている阿部さんの目から見て、〈無印良品〉はどんなブランドでしょうか?

悪かろう安かろうじゃなくて、いいものをちゃんと作って、売っているのがいいですね。確か、〈無印良品〉の会長さんが、「農的な暮らしが一番である」というようなことをどこかで発言されていて、感動しました。

例えば、〈無印良品〉の世界観として、丁寧に暮らすという価値観があると思うんですが、食べるときに、ここにある命をありがたいと思っていただくというマインドと、丁寧に暮らすことはつながっていると思うんです。農に近いと、普段は忘れがちな「命をいただいている」ということを思い出しやすい。そんな考え方だと勝手に捉えてますけど…。

ー 食と同じように、Tシャツも毎日の中にあるものですよね。どんなものを選びますか?

無地のものが多いですね。あとは、大量生産じゃないものを選んだり、いま持っているものを染め直して長く着たり。そのためにも、変わらないデザインのものを選ぶようにしています。〈無印良品〉もそういうものが多いので、好きなブランドのひとつです。

太番手天竺編みガゼット付Tシャツ 990円
環境に優しいオーガニックコットンを使い、太番手の糸を使用ししっかり編み立てることで、一枚で活躍してくれる。胸元のガゼットや洗いをかけ着慣れた風合いに仕上げることで、スウェットにも似たファッションアイテムとして、楽しむことができる。

INFORMATION

無印良品 銀座

住所:東京都中央区銀座3丁目3-5
電話: 03-3538-1311
www.muji.com

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