フイナムをもっと面白くするためにはどうすればいいか。企画をお願いします!

ー あの…ちょっとイイ感じに締めの空気感になってしまったところで申し訳ないのですが、まだここから先がありまして…。
D&JQ: (食い気味に)ありがとうございましたー!!
ー 一同(笑)
ー いやいやいや、先ほどDさんから“面白いかどうかが大事”とのお言葉をいただきました。そこで「『フイナム』をもっと面白くするためにはどうすればいいか」のアドバイスを、プロデューサー体質のお2人からいただければと!
JQ: かなりハードル高いですね。
D: 取材にかこつけてアイデアを出させるって、なかなかでしょ(笑)
JQ: まぁ、そのネタをシレッとやっていたら、追い込んでアイデア使用料をもらいましょ!(笑)

ー (笑)。ちなみに『フイナム』に対しては、どんなイメージをお持ちですか?
JQ: ファッション系のウェブメディアって色々ありますが、個人的に『フイナム』はハズせないですね。ここに上がっている記事はとりあえずチェックしとけ! みたいな。
D: へ〜そうなんだ。そこがJQと世代が違うんだな。俺らの世代はファッションをウェブでチェックするっていう感覚が無かったので。そもそも『フイナム』はお城の取材(※『フイナム・アンプラグド VOL.6 ヒップな趣味』にて)しか受けたことがなかったので、てっきり『大人の週末』みたいな感じだとばかり思っていて。で、この取材の前に改めてサイトをチェックしたら「えっ、ファッションなの!?」って(笑)

ー そうなんです。ファッションをメインに、音楽や映画などのカルチャーや様々なアクティビティを取り上げ、我われの考える”ヒップ=イケている”を提案するウェブメディアになります。ちなみにどういう企画なら読んでみたいと思っていただけますか?
JQ: 以前から感じていたんですが、ファッションと音楽のリンクが、日本は海外に比べて圧倒的に遅れているんですよね。極論ですが、ファッション界隈の人って邦楽をそんなに聴かないじゃないですか…。
ー そうですかねぇ!?(苦笑)
JQ: (笑)。でも、ぼくもなんとなく気持ちは分かるんです。これはファッションだけでなく音楽にも言えるんですが、海外の最先端っぽいコトをやるんだったら、もうソッチ(海外)を聴けば良くない? って。だからこそ日本の良さを海外に発信するような企画が必要だなって感じました。例えば、色んなアーティストのステージ衣装を紹介するような記事とか。それもタイムラグなしに。海外だとよくあるじゃないですか。Kanye Westがどこそこの服を着てショーをやったみたいな。リアルタイムでライブレポートと一緒にファッションレポートを発信するんです。
D: なるほど。ライブを音楽ライターだけでなくファッションライターも評価するってことね。それは面白そうだね。

JQ: ぼくもさいたまスーパーアリーナでライブした際の衣装を、無理して〈グッチ〉で用意してもらい、ファッション雑誌にも取材をしてもらったら、〈グッチ〉とお付き合いできるようになったなんてこともあって。スタイリングをお願いしている(高橋)ラムダさんとも常々、「ファッションカルチャーとミュージックカルチャーが、リアルタイムで連動する何かがあった方がイイよね」と話していたんですよ。それと同時に、ライブに遊びに来ているアーティストたちのファッションスナップもやれば、そちらも需要がありそうですし。
ー 面白そう! 確かにいままでそういった目線でのライブリポート記事はなかったですし、音楽ファンにも読んでもらえるとなれば、完全にアリですね。
D: それが実現すれば、JQの〈グッチ〉の話のようにブランドとの関係値も変わるしね。すげぇ良いアイデアだと思うので、すぐにでも実行した方がイイよ!
JQ: 単純にアーティスト側も美意識が上がりますよね。音楽性とファッションの関連性という角度で読み解くって。いまは有観客ライブができなかったりする状況もあり、みんな発信出来る情報が少ないので、こういった企画は音楽シーンを盛り上げることにも繋がるかなと。

ー Dさんはいかがですか?
D: (真剣な表情で)いやぁ〜偶然にも俺もJQとまったく同じことを考えていたね。
ー えっ…!?(笑)
JQ: ですよね! ぼくたちニコイチなんで。RHYMESTERでの相方は宇多丸さんですが、振り返ったら、必ずぼくもいるっていう(笑)
ー いつの間にそんな深い仲に…(笑)
D: 俺はねぇ、もうちょい”食”の要素が欲しいかな。例えば、ブランドのディレクターが紹介する街中華、スタイリストが通う立ち食いそば屋、ショップスタッフの集まる一杯飲み屋とかさ。全体がファッショナブルなだけに、そういうちょっと下世話な部分が入ることで、より深みが増す気がする。
ー たしかにそこは未開拓のジャンルです。ファッションクラスタだからといって、普段からオシャレなカフェ飯しか食べないかといったら、そんなことは無いですし。
JQ: (食い気味に)ですよね!食やライフスタイルまでオシャレだったらかないませんよ!
D: JQはファッション業界との間でなんかあったの?(笑)。アパレルの事務所や会社が多くある千駄ヶ谷なんかにも美味しい店とかあるだろうし、そういう普段使いというかオフの部分を教えてもらうっていうね。
JQ: 祐天寺あたりの飲み屋なんかも、オシャレなファッション業界の人がいますもんね。そういった人間くささや、身近に感じられるような部分が垣間見えるとイイですね。自分たちにとってはそんなの面白くないと思うかもしれないけど、読んでいる読者には興味深いと思いますし。

ー さすがのプロデュース力です。では早速、両方ともパクらせてもらうということで…!(笑)
JQ: ヤバイでしょ。目の前で、堂々とパクるって公言しちゃった(笑)
D: 別に全然やっちゃってイイよ(笑)
ー となると残る問題は、いかにして取材のOKをもらうか。飲食系ではないメディアの取材は断られたりもするらしく、そこさえクリア出来ればすごく面白い企画になりそうです。
JQ: (真剣な表情で)そうかぁ…じゃあ取材の撮影場所として借りる形で、取材対象者の行きつけのお店に当たってみればイケそうですよね。もしくは…。
D: JQさぁ…、ちょっと真面目に考えてあげすぎだよ(笑)
ー 一同(笑)
JQ: あ〜いつもこんな感じなんですよ。どうすればさらに良くなるかって、求められている以上の結果を出そうとしてしまうっていう(苦笑)
ー クリエイションの裏側がなんだか垣間見えた気がします(笑)。お二人とも、今日はありがとうございました!
