PROFILE
シンガーソングライターのJQを中心に結成されたバンド・Nulbarichのプロデューサー/ボーカルを務める。ソウル、ファンク、アシッドジャズなどをベースにした音楽性で、メンバーを固定せず、演奏形態はそのときどきに応じて変化する。2019年12月には、バンド史上最大規模となる、さいたまスーパーアリーナでのワンマンライブ「Nulbarich ONE MAN LIVE -A STORY-」を成功させた。現在は制作の拠点をLAに移し、今年4月には約2年ぶりのニューアルバム『NEW GRAVITY』をリリース。オリジナル作品と豪華アーティストを迎えたコラボ作品の2枚組でリリースされ、大きな話題を呼んでいる。
PROFILE
ラッパー/プロデューサー。1989年に宇多丸と出会いヒップホップグループ・RHYMESTERを結成し、1993年にアルバム『俺に言わせりゃ』でインディーズデビューを果たす。メンバー交代を経て1994年にDJ JINが加入し、現在の編成に。近年はドラマ、CM、舞台などに出演する役者業やナレーター業などにも活動の場を広げている。RHYMESTERとしては2020年12月に書籍『KING OF STAGE ~ライムスターのライブ哲学~』を発売。2021年4月にはMTVのアコースティックライブ企画「MTV Unplugged: RHYMESTER」の模様をパッケージ化したライブアルバム/映像作品『MTV Unplugged: RHYMESTER』が好評発売中。
ナルバリ星から東京にライブを観に行ったのが10年以上前。そしたら、トイレでDさんにバッタリ遭遇!
ー 『Be Alright』での共演は、そもそもどういった経緯から実現したものなんですか?
JQ: 単純にぼくがRHYMESTERのファンだったっていう。アルバムでいったら3rdの『リスペクト』の頃ですかね。ヤバイ!という噂がナルバリ星まで届いてきて…。
Mummy-D(以下、D): えっ、そういう設定なの!?
JQ: はい(照れ)。一応、プロフィール非公開なので“こりん星”があった場所の横に故郷があるということで。
D: 「急に何を言い出すんだコイツは!」ってビックリしたわ(笑)
ー (笑)。遠く離れた惑星にまで、RHYMESTERの名は鳴り響いていたと。
JQ: はい! そのアルバムにみんな衝撃を受けて、もう仲間内で回してCDに落とし込んで…「いや、買えよ!」っていう話なんですけど(苦笑)。そうしたら池袋にあったクラブ「bed」の人気イベント「DYNAMITE」にあのRHYMESTERが出るぞ! と。いてもたってもいられず、ナルバリ星から東京にライブを観に行ったのが10年以上前。そうしたら、トイレでDさんにバッタリ遭遇! あの憧れの神様が小を…いや、聖水を出されていて。
D: 聖水って(苦笑)
JQ: 緊張しながらも長めの手洗いしつつ待って、「大ファンです!」と握手をお願いしまして。コッチは大興奮だけど、Dさんからしたらどこの誰とも知れないクソガキじゃないですか。それを受けてDさんも「とりあえず手だけ洗っていい?」って。その一挙手一投足にいちいち「カッケー!」とシビレちゃって(笑)。それがぼくの中でのファーストコンタクトです。
D: そうらしいんだよね。その後、同じレーベルメイトとしてJQを紹介してもらった際にその話を聞いて、「あ〜はいはい!あの時の!」っていう誠意のかけらもないようなリアクション。全然覚えてなかったんだけどね。ウソつけー!ってやつ(笑)
JQ: 相方の宇多丸さんにも「絶対お前覚えてないだろう!」ってツッコまれていましたよね(笑)。それまでぼくの一方的な片思いで、どうにかして繋がれないかなぁって。もう、憧れの女の子とどうにかしてお近づきになりたいっていうのと同じ思考ですね。そんな中で、アルバム制作が決まって。コロナ禍でライブも出来ないし、だったらコラボレーションも面白いかもねとなった時に、「絶対にやりたい!」ってお願いしました。
D: こっちにもボンヤリと色んな情報は耳に入ってきていたんだよね。「バリバリのヘッズらしいよ」とか「パーマネントのユニットとしてやっているっぽい」とか。それで興味もあってセッティングしてもらったんだよね、お見合いを(笑)
JQ: そうですね。コロナ禍でリモートでの制作がメインになっていたとはいえ、コラボレーションの話が現実味を帯びてきたら、やっぱり「Dさんに会いたいぞ」と。“Mummy-Dと一緒に食事をした”って自分の歴史に刻み込みたいじゃないですか。なので「一度合ってみないと分からないかもしれないです」なんてイキッたこと言って、セッティングしてもらいました(笑)。で、その会で気に入ってもらえるように沢山話をして、その後にはしっかり杯も交わしていただいて。
D: そこでJQのこれまでの歴史も聞いたし、色んなことを話したよね。というか、むしろその時しかほぼ話してない位。もちろんZOOMミーティングなんかはあったけど、レコーディング自体はキャッチボールの応酬って感じで。