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ニューエラが深めたMLBとの関係。vol.02 Stylist 竹崎久貴

Authentic Baseball Cap by New Era®

ニューエラが深めたMLBとの関係。vol.02 Stylist 竹崎久貴

世界最大級のヘッドウェアブランドとしてその名を轟かせる〈ニューエラ(New Era®)〉。「MLB(メジャーリーグ・ベースボール)」唯一の公式選手用キャップオフィシャルサプライヤーとしても知られているが、今シーズンより、実際にゲームで全選手が着用する「59FIFTY®」の左サイドに〈ニューエラ〉のフラッグロゴが入れられることになった。この偉大なる一歩を、野球好きのあの人たちはどう捉えるのか? 当企画では4週に渡ってその証言をお届けする。2週目はスタイリストの竹崎久貴さんが登場。MLBに関するおもしろい知識を披露してくれた。

  • Photo_Naoto Hayasaka (Y`s C)
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Jun Nakada
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〈ニューエラ〉は影響力のある人が被るブランド。

ー竹崎さんは普段から帽子を被っているイメージがあります。

「野球少年だったので、小さい頃からキャップというアイテムは身近でしたね。はじめはユニフォームとして被っていて、それがだんだんとファッションアイテムへと自分のなかで変化していきました」

ーユニフォームからファッションへと変わったのはいつ頃のことなんですか?

「高校生のときですね。当時は雑誌の『BOON』を読んでいて、アメカジや古着、あとは裏原のスタイルが流行っていました。雑誌のなかにスナップの企画があったんですけど、そこで〈ニューエラ〉のベースボールキャップを上手に被っている人が載ってて。それを見て『あぁ、おしゃれだな』って思ったんです」

ーそれは90年代の頃ですよね。当時から〈ニューエラ〉はファッションアイテムとして取り入れられていたんですね。

「そうですね。その後ファッションの勉強をするために東京の学校へ進んだんですが、当時は野球やアイスホッケー、サッカーなどのゲームシャツやキャップを自分のスタイルのなかに組み込むのがマイブームでした。だからMLBのオフィシャルグッズなんかは結構なじみ深いんですよ」

竹崎久貴 / スタイリスト
1981年生まれ、高知県出身。スタイリスト・梶雄太氏に師事。独立後、ファッション誌を中心に活躍するほか、ミュージシャンのスタイリングも手掛ける。根っからの野球好きで、現在は草野球チームにも所属している。

ー〈ニューエラ〉というブランドに対してはどんなイメージを抱いていますか?

「スポーツ選手やダンサー、そしてヒップホップアーティストなんかが被っているイメージが圧倒的に強いです。その人たちに共通することといえば、自分の体を使ってなにかを表現して、なおかつ色んな人に影響を与えているということですかね。スポーツとの関係が深いっていうイメージは昔からありましたけど、ストリートカルチャーとの結びつきも強いですよね」

ー竹崎さんのスタイルからもストリート色を感じます。

「ぼくもストリートカルチャーを通過していまに至るので。そこでは被りかたひとつ取っても、人によって個性がありました。衝撃を受けたのは、シールを貼ったまま被るというスタイル。新しい価値観を植え付けられましたね、『そんな被りかたもアリなんだ!』って」

ーちなみに竹崎さんは普段どんな被りかたをしていますか?

「できる限り顔が小さく見えるようにツバを折り曲げて被ってます(笑)小学校、中学校で野球をやっていたときからこのスタイルは変わりません」

世界中の人が〈ニューエラ〉のロゴに注目する。

ー今シーズンからMLBの選手が試合中に被る公式選手用キャップに〈ニューエラ〉のフラッグロゴが入れられることになったんです。

「それは本当にすごいことですよね。MLBって世界でいちばんのプロ野球リーグじゃないですか。世界中の人が注目しているし、みんなが〈ニューエラ〉のロゴを目にするってことですから。これまでもMLBのキャップといえば〈ニューエラ〉っていう認識はあったと思うんですけど、それがさらに強調されるようになりますね」

―実は、ぼくたちがお店で購入できるものと選手たちがゲームで被る公式選手用キャップは、まったく同じものなんです。

「そうなんだ! それはなんか夢があるなー! 自分が手にしているキャップが、もしかしたら好きな選手とおなじロットでつくられたアイテムかもしれないってことですもんね」

ーちなみに竹崎さんはMLBで好きなチームや選手はいますか?

「いま被っているボストン・レッドソックスは好きですね。ぼく、松坂世代なんですよ。だから『松坂=スーパースター』っていう認識がある。松坂選手はレッドソックスにいたじゃないですか。だから自然と親しみを感じるというか。あと、読売ジャイアンツも好きで、上原投手もレッドソックスにいましたし。両選手ともレッドソックス時代にワールド・シリーズを制覇しているっていうところにも惹かれます。東地区ではニューヨーク・ヤンキースのイメージが強いですけど、やっぱりレッドソックスも負けちゃいないですね」

ー日本人選手が海外で活躍するとうれしいですもんね。

「そうですね。あと、ヤンキースは野球を紳士のスポーツとして捉えているから、選手たちはみんなヒゲを剃っているんですけど、レッドソックスの選手はヒゲを生やしているやつが多いんですよ(笑)。選手ひとり一人の個性が強いところも魅力ですね」

ーキャップのデザインに関してはどうですか?

「ネイビー×レッドという配色がいい。基本的にぼくはネイビーの服が多いので、なにも考えずに合わせられるというか。赤は差し色としての効果があるので、コーディネートのアクセントにもなりますし」

ー他に好きなチームはありますか?

「あとはオークランド・アスレチックスも好きです。『マネーボール』っていう映画、知ってますか? アスレチックスを題材にしていて、ブラッド・ピットが主演を務めているんですけど。この作品から新しい野球の見方を教わったというか」

ーどういうことですか?

「“セイバーメトリクス”という野球の理論があるんですが、『マネーボール』はその理論を取り入れたGM(ゼネラル・マネージャー)のストーリーなんです。選手の能力を数値で分析して、その結果をもとにゲームの采配を決めるっていうもので、簡単に言えば、バッターの出塁率やピッチャーの防御率などをより詳しく分析して、効率的なチーム編成を組もうっていう話なんです」

ーブラッド・ピットは、題材となったアスレチックスのGM役でしたよね。

「そうですね。彼はその方法論に基づいて、有能なのに日の目を見ない低年俸の選手をどんどん起用していくんです。そして落ちこぼれチームを常勝球団へと成長させていく。ぼくはそういう野球の見方を知らなかったので、『そんなやり方あるんだ!?』ってカルチャーショックを受けたのをいまだに覚えています(笑)」

ー選手や監督じゃなくてGMをフィーチャーした映画というのも珍しいですよね。

「そうなんですよ。普通は選手に憧れたりするんですけど、GMもかっこいいんだなと思いましたね。弱小チームが上位に登りつめていく下克上感もたまらないです。あの映画を見て以来、ぼくはアスレチックスが好きになりました」

自分が被っているチームについて知ることがファーストステップ。

ーでは最後に、スタイリスト的見地から、この「59FIFTY®」を上手に被るためにどんなことを意識したらいいかアドバイスをいただけますか。

「テクニックの部分で話すと、服と色を合わせるのが大事です。このアスレチックスのカラーリングもそうですが、色に主張がある場合は、ウェアかシューズで同じカラーを取り入れるとまとまりがよくなると思います」

ーなるほど。テクニック以外にもなにかありますか?

あとは気持ちが大事かな。ぼくはいまでも草野球でプレーしているし、野球に対する愛が昔からあるので、ベースボールキャップを被るのは普通のことなんです。でも、野球にあまり興味ないっていう人も多いと思うんですね。そういう人は、些細なことでもいいから自分の被っているチームのことを知って欲しいですね」

ーアイテムの背景を理解していたほうが、たしかにカッコいいです。

「チームの歴史や、いま所属している選手など、すべてを知る必要はないと思うんですけど、少なくともそのチームについて何か語れるエピソードをひとつは持っていて欲しいですね。『どうしてそのチームのキャップを被ってるの?』と聞かれたときに、『カッコいいから』っていう理由だけだと説得力に欠けるじゃないですか。そういったエピソードを持っているだけで自信が湧いてくるし、それが結果的にカッコよさに繋がりますから」

ーそのチームを被る理由が大事なんですね。

「野球って調べるといろんなうんちくがあるし、そういうのを探っていくうちにチームへの愛が生まれるはずです。何事も愛が大事じゃないですか(笑)」

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