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大きな主義に負けないために小さな想像力を。メルヴィータとコムアイが考えるSDGsのこと。
CARE GLOBE THROUGH COSMETICS

大きな主義に負けないために小さな想像力を。メルヴィータとコムアイが考えるSDGsのこと。

遠くの国の人々や、未来に住む人々を想像しなければ、SDGsはあくまで人ごとのままなのかもしれません。フランスのコスメブランド〈メルヴィータ(Melvita)〉は、製品をはじまりから終わりまで、サステナビリティに注力してきました。でも、まだまだその声や影響力は小さいものです。そこで、環境問題に高い関心を持ち、自らの声で発信するアーティスト・コムアイとともに、地球の未来、スキンケア製品の未来について考えます。

  • Photo_Tohru Yuasa
  • Hair_Hide Suzuki
  • Text_Shinri Kobayashi
  • Edit_Ryo Muramatsu

PROFILE

コムアイ

2012年頃から「水曜日のカンパネラ」のメンバーとして活動をはじめ、近年はオオルタイチとのユニットで「YAKUSHIMA TREASURE」を発表し、紀伊半島の熊野でフィールドワークを進めている。また、OLAibiとのユニットでもライブ活動中。曲もさることながら、ステージで鹿の解体を行うなど、社会に対する問題提起を孕んだパフォーマンスや活動も注目される。ソロ活動の他、役者、モデル、タレントなど多岐にわたる表現活動を展開。社会問題にまつわる情報も積極的に発信している。
Instagram:@kom_i_jp Twitter:@KOM_I

私はお手本になるような人間じゃありません。でも…。

ー コムアイさんは、ご自宅の電気を再生可能エネルギーに変更されたりと、SDGsの活動を主体的に行われています。どういう思いからなんでしょうか?

コムアイ: SDGsについての活動をしよう!と思ったことはないのですが、世のなかにあふれる問題をみんなで考えることには、楽しさややりがいを感じています。環境負荷が少ないエネルギーに乗り換えるパワーシフトは、個人ができることのなかでもとても簡単で効果が大きいと思うので、呼び掛けをしています。SDGsで掲げられているゴールは多種多様なようにも見えますが、結局のところ、資本主義からどう脱却するか、なんですよね。現代社会の病気の根本を考えると、野放しの資本主義に行き当たるんです。

例えば、経済成長のスピードが速いままだったり、ごく一部のひとたちに富が集中するようなシステムのままでは、環境問題も人権問題も悪化する一方です。資本主義に任せていると資源を食い尽くしてしまいそうだということはみんな分かっていて、でも立ち止まれない、何から手をつけたらいいか、という気持ちでしょうか。

ー 分かってはいるけど、問題が大きくてなかなか動けないというのはありますよね。

コムアイ: でもおもしろい動きもいろいろあるみたいですね。パリでも市民投票によって、民営化していた水道事業をもう一度公営化して、誰もがちゃんとしたクオリティの水を飲めるようにしたという事例があります。しかも炭酸水が出る蛇口もあるんだそうです! これは公園をみんなが使えるように、公共でシェアすることによって水を過度な競争から解放した例ですね。日本の水も美味しいのに、フットプリントが大きいヨーロッパの水をわざわざボトリングして運んできて飲むのはどうなの?という疑問があり、去年から「Hype Free Water」という部活動のようなプロジェクトを友人たちとやっています。

ー 完全にではなくても、ちょっとずつでもいいから変えていこうという考え方は確かに重要です。

コムアイ: 私も鶏肉は食べるし、使い捨てプラスチックのものも身の回りにたくさんあります。だから、お手本になるような人間じゃありません。でも、もっと環境負荷を減らした生活をしたいとは思っています。何を変えたら大きなインパクトで環境負荷を減らせるだろう? と。実は家庭の二酸化炭素の総排出量の半分はエネルギー由来なんです。だから家の電力を再生可能エネルギーに変えるのをおすすめします。パワーシフトって検索すれば電力会社の一覧が出てきます。実際に、ウェブを通じて時間も手間もかからずに簡単に変えられたし、価格も(私の場合は)変わりませんでした。

ー まずやってみるのは、とても大事なんですね。

コムアイ: いまの都市生活では、完璧に持続可能な暮らしをするのは難しいですよね。でも、そこで自分を責めるのではなく、こうだったらできるのに、ということを考えるようにするといいのかなと思います。持続可能な選択肢が選びやすくなるように政府に意見したり、非人道的な生産の仕方をしている企業に文句を言ったり、メールやツイートすることは、ポジティブな変化を後押しすると思います。例えば、企業の社内で、環境負荷が少ないパッケージに変えることを呼びかけているひとがいて、「そんなの誰も求めてないし不利益になるだけだ!」と上司に言われていたとしたら(笑)、メールや問い合わせの内容が背中を押すこともあると思います。

INFORMATION

メルヴィータジャポン カスタマーサービス

電話:03-5210-5723
オフィシャルサイト

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