
PROFILE
1986年大阪府生まれ。ソックスを中心に展開するブランド〈ウィムジー〉と、大阪・堀江にブランド旗艦店「COFLO(コーフロー)」を主宰するスケーター。各地で開催するポップアップなども毎回話題に。これまでに、〈ヴァンズ〉や〈ブラックアイパッチ〉、KYNEやGEZANなど、多数のコラボレーションを行っている。
Instagram:@sotanakai
コメダのクリームソーダはウィムジー!?

ー 宗太くん、最近はどんな感じですか?
最近もなんだかんだ、展示会なんかで東京に行ったりして忙しくしていましたね。
ー 今回の「珈琲所コメダ珈琲店(以下、コメダ)」とのコラボレーションの話を宗太くんから初めて聞いたのって、結構前だったような記憶があるんですが。
そうですね、かなり前にスタートしました。多分2年くらい前ですかね? 「コメダ」で、クリームソーダを頼むと、ブーツ型のグラスで出てくるんですよ。それがうちのお客さんたちの間で、〈ウィムジー〉のロゴっぽいって話題になっていたんです。それが3年くらい前ですかね。「コメダ」に行って、クリームソーダを頼んで、うちのタグを付けてSNSのストーリーにあげるみたいなことが流行ったんですよ。

今回発売されるアイテムには、クリームソーダをプリントしたTシャツも。
ー へー! 面白い(笑)。
僕らも、確かに似てるね! と思って。だったらこれをプロダクトにしたらお客さんも楽しいだろうし、「コメダ」さん側にも「若いお客さんの層が来てますよ〜」って伝えれるし、楽しいんじゃないかなと思って。でも、自分らから言い出してもなかなか難しそうだなと思ったんで、以前から付き合いのある〈ビームスT〉に一度事情を説明して、交渉のテーブルまで連れて来てくださいとお願いしたんです。
ー 大手かつ異業種となると、なかなか難しいですよね。発売までに2年かかったっていうのは、やはりコロナなどが関係しているんですか?
そうですね。昨年のこの時期には全部完成していたくらいの感じだったんですけど。その間も「コメダ」さん側も、あまりテンションを下げずに取り組んでくださっていて。彼ら自体も50年の歴史で他者にロゴを渡すっていうのが初めてのことだったみたいなので、なかなか大変な作業でもあって。でも、面倒くさい作業はほとんど〈ビームスT〉にお任せして(笑)。
「珈琲所コメダ珈琲店」の店内で撮影が行われたルック。
ー では、〈ウィムジー〉的にはどういうところに難しさを感じましたか?
やっぱりあれだけの大手なので、一つひとつの部署の承認を得るっていうのが大変でしたね。幸い、プロダクトとしてやりたかったことは全部通ったんですが。
ー 過去に「コメダ」がアパレルブランドとコラボしたり、マーチャンダイズをつくったりっていうことはあったんですか?
多分初めてなんじゃないかな。店舗でブーツグラスが実際に買えたりして、「コメダ」さん側でオリジナルのマーチャンダイズはつくられているんですけど。ブーツグラスをきっかけに彼らのことを知ったんですが、すごくこと細かにブランディングされていて。しかも、ブランディングの随所にいたるまでが“for お客さん”の姿勢なんですよ。それには感動しましたね。

ー 押し付ける感じでなく、向き合う姿勢というか。
これは話がそれるかもしれないんですけど、〈ウィムジー〉として生地や靴下をつくってもらっている、いろんな工場が岐阜の美濃地区にあるんです。「コメダ」は昔から、その街の職人さんたちが朝イチの仕事を終えて、10時とかにコーヒーを飲みに行く場所でもあるらしいんですよ。
ー それは初耳でした。
コーヒーを飲んでると同業他社のひとたちと会うから、そこでだべりながらそのままミーティングになって、そのままメシでも食うかみたいな感じで一服もして、じゃあ午後も頑張ろう! みたいな。そうやって2〜3時間ぐらい長居するみたいなお店だったんだよねっていうのを、僕は岐阜の工場のひとたちに教えてもらったんですよ。

ー へー! 憩いの場になっていると。
それと、いま「コメダ」さんのメニューでご飯が充実していたりするのは、50年もやっている間に外資の回転系のコーヒーとかも流行って来たけど、彼らは反対の純喫茶って方向に振った結果なんだなっていうことが分かってきて。
ー なるほど、たしかにそうですね。長居していいという。
それってすごくお客さんありきで考えられているからだと思うし、そのスタイルで戦ってビジネスが成り立っているっていうこと自体が、すごいことだなって思うんですよね。時代と逆行することになっても、お客さんの居心地を優先した結果「コメダ」らしいビジネスモデルが生まれたっていうことだから。
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