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FEATURE
スケートボーダー・上野伸平物語。
15th Anniv. of TIGHTBOOTH PRODUCTION with WHIMSY

スケートボーダー・上野伸平物語。

いまや、スケートボードとは無縁の人でも上野伸平の名を耳にすることは珍しくありません。2019年に大阪から東京へ拠点を移した頃から、ストリートシーンだけでなくファッション業界でも、彼の存在感は増す一方です。ソーシャルメディアに現れるのは、ロールキャップにコード付きのサングラスでスケートボードに乗る姿、愛娘を抱きながらKiller Bongのハンドサインをする姿、仲間や家族とピザを頬張る姿などなど。キャラが立っているのは一目瞭然ですが、一体、彼の何が他のスケーターと違うんでしょう? なぜジェームス・ジェビア(James Jabbia)から直々に〈シュプリーム(SUPREME)〉のデザインを依頼され、藤原ヒロシや〈モンクレール(MONCLER)〉、〈グッチ(GUCCI)〉などにまで注目されているんだ? そもそも何を考えているんだ? なんてふざけた髪型なんだ?! と思っている人も少なくないはず(ホントに)。

一方、中井宗太といえば〈ウィムジー(WHIMSY)〉を手掛けるスケーターであり、上野とは旧知の仲。大阪の〈シュプリーム〉でも上野と一緒に働いていた中井は、後輩として上野のありとあらゆる歴史を目にしてきた仲間の1人。上野の〈タイトブースプロダクション(TIGHTBOOTH PRODUCTION)〉15年周年を祝し、〈ウィムジー〉でもシュータンやソックスといったアイテムを展開しました。今回はそんな中井がインタビュアーとなり、上野の心情やヒストリーを振り返ります。中井とだからこその会話から、上野伸平のなんたるかが少し見えてきた⁈

  • Interview_Sota Nakai(WHIMSY)
  • Photo_Masahiro Yoshimoto
  • Text_Saori Ohara
  • Edit_Yosuke Ishii

上野伸平
1983年大阪府生まれ。〈タイトブースプロダクション(TIGHTBOOTH PRODUCTION)〉を主宰しながら〈エヴィセン スケートボード(EVISEN SKATEBOARDS)〉、〈コンバーススケートボーディング(CONVERSE SKATEBOARDING)〉のプロライダーとして活動。数多くのスケート映像作品を発表し、代表作である『LENZ Ⅱ』は国内外から高い評価を受ける。プロデュースワークはスケートショップやグローバルファッションブランド、飲食店など多岐にわたる。
Instagram:@shinpei_ueno

中井宗太
1986年大阪府生まれ。ソックスを中心に展開するブランド〈ウィムジー〉を手掛けるスケーター。ブランド旗艦店となる大阪・堀江の「COFLO(コーフロー)」も主宰。各地で開催するポップアップなども毎回話題に。これまで〈TIGHTBOOTH〉、〈ヴァンズ(VANS)〉、KYNE、〈ブラックアイパッチ(BLACKEYEPATCH)〉ほか多数のコラボレーションも展開。
Instagram:@sotanakai

ーおいおい伸平君のハーフキャブえらいもっこりしてんなーって。正に俺が求めてたキャブやんってなったんですよ(中井)ー

中井宗太(以下、中井):まずは15周年おめでとうございます!

上野伸平(以下、上野):ありがとうございます!

中井:はじめて伸平君と会ったのはカッパ(梅田にあるスケートスポット)でしたよね。すごく覚えている事があって、〈コス(KOSS)〉のヘッドフォンつけてたの覚えてます? 当時地元の先輩が同じの探してたんですけど、もしかしたら伸平君の見て欲しくなってたのかも。

上野:けど俺も、確か塁さん(荒木 塁)の影響やったんちゃうかな? あれちっちゃく折り畳めたりしてなんか近未来感があって良かってんな。

中井:スケートの大会でもそれをつけて滑ってませんでした?

上野:つけてたつけてた。俺あの頃、スケート中は誰とも会話をしないっていうスタイルを貫いてた時期があったからな(笑)

中井:あったあった!何かトリックやって話かけてもヘッドフォン取って「えっ? 何て?」みたいな。会話が出来なかった(笑)

上野:頭の中で自分のスケートパートを創り上げてたなー。好きな曲でバッチリ乗って気持ちーみたいな。自分の世界以外いらんって感じで、いま思うとめっちゃ嫌なやつやな(笑)。黙々と自分の世界に没頭してた時期がその〈コス〉のヘッドフォン期ちゃうかなー。

中井:なるほど。その〈コス〉のヘッドフォンにはやられたわけなんですが、後日シュータンの話をした時も、伸平君は最初から最後までツンとしてたなー(笑)

上野:まぁあん時はまた生意気なそうなクソガキがいるなーぐらいしか思って無かった(笑)。あの時のカッパ横丁って完全に俺らの縄張りやったからな、でも嫌な感じはもちろんなかったで、ムカつくとかそんな感情も無かったし、何ていうかその……。

中井:眼中に無かったって感じですね(笑)

上野:そうそう(笑)。けどローカルスポットってそんなもんやん。そこには番張っている奴らがいて、みたいな。話戻るんやけど、シュータンの話を宗太にされたのって〈シュプリーム(SUPREME)〉の時やんな?

中井:そう、そうなんです。カッパでは聞けなかったんですよね。おいおい伸平君のハーフキャブえらいもっこりしてんなーって思ってて。COFLOのブログでも書きましたけど、正に俺が求めてたキャブやんってなったんですよ。あれってクライド・シングルトンはじめ、海外でもその習慣(分厚いシュータンを挟み込む)ってあったんですかね?

上野:あったあった。そもそも俺も、竜さん(田中竜一:STRUSH WHEEL)のハーフキャブがもっこりしてんなーって思って聞いたら、シュータン入れてるって聞いてからはじまりちゃうかな? やっぱりこれって世代から世代に引き継がれていってるもんやねんな(笑)

中井:最初は衝撃でしたね。もっこり=カッコイイまでは辿り着いてましたけど、まさか既存のタンを切って入れてたとは!って感じでした。ストリートでスケートするときに鉄板を上げてデッキを挟んでバンクつくっちゃうみたいな事と通じるというか。

上野:とにかくあのタンを入れたシルエットが渋いからな。

INFORMATION

TIGHTBOOTH PRODUCTION

shop.tightbooth.com

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