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nonnative meets inov-8. 藤井隆行が語る都会とアウトドア。

nonnative meets inov-8. 藤井隆行が語る都会とアウトドア。

毎シーズン、話題性に富んだ別注アイテムを発表する〈ノンネイティブ(nonnative)〉が、今季も意外性のあるプロダクトをリリースする。アスリートたちからあつい支持を受けるイギリスのシューズブランド〈イノヴェイト(inov-8)〉との共作モデルだ。トレイルランニング用に開発された「ROCLITE 286 GTX」のアッパーにスエードを採用し、革靴のようなアレンジを加えた今作。どうしてこのブランドなのか? どうしてスエードなのか? そんな問いかけをデザイナーの藤井隆行氏に投げかけてみた。

  • Photo_Yousuke Morimoto
  • Text_Yuichiro Tsuji
  • Edit_Ryo Komuta
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ー藤井さんが靴好きというのは有名な話ですが、最近新しい靴を買いましたか?

最近だと〈エルメス〉のスニーカーを買いました。あとは〈コンバース〉とか〈バンズ〉とか。ひとつのブランドやジャンルを攻めるという感じではなくて、いつも通り幅広く試してます。

ー幅広く試すというのは、なにか理由があるんですか?

なにがどうして流行っているのか? みたいなことが気になるんです。だからハイテク系のものを買うことも多いですし。あとはプロダクトとして見てみたいという理由もあります。最先端のテクノロジーに触れる、みたいな。それがデザインに活きることもありますから。

ー今回〈イノヴェイト〉に別注したと聞いて意外性を感じたんですが、このブランドのアイテムも実際に履いていたんですか?

そうですね。これとおなじモデルで、黒を履いています。キャンプやフェス用に使っていて、「ゴアテックス®」だから水も入ってこないし、結構いいんですよ。で、履いているうちに「これがベージュでスエードだったらいいな」という考えが浮かんで。これまで誰もファッションブランドでは〈イノヴェイト〉と別注してなかったし、よさそうだなという漠然とした実感があったので、実行に移しました。

〈nonnative × inov-8〉「ROCLITE 286 GTX」¥23,000+TAX

ーインラインのアイテムはいつ頃から履いていたんですか?

2、3年くらい前かな? アウトドア用のシューズを探していたときに見つけて。マウンテンブーツのようなボリューミーなものだと履くとき面倒だったりするから、キャンプシーンではあまり履かないんですよ。ローカットは水が入ってきたりするから視野には入れてなくて。

ーそういう条件で考えたときに、この「ロックライト 286」を見つけたと。

そうですね。〈イノヴェイト〉のブランドカラーというか、この独特な雰囲気もいいな、と。ファッションに向けられたものじゃないのに、なんか惹きつけらたんです。実際に足を入れてみると、履けば履くほど足になじむし、グリップ力もあるから歩きやすいし走りやすい。あと、靴ひもをギュッと締め付ける必要がないというのも魅力ですね。結んだままで脱ぎ履きができるから、すごいラクです。

ー藤井さん、山で走るんですか?

いや、キャンプ場で子供が急に走り出したときに追いかけたりするじゃないですか。そういうときにすごくいい。トレイルランニングとかはやらないです(笑)。

ーなるほど。今回の別注では、どんなことを意識したんですか?

アウトドアシーンだけじゃなくて、街でも履けるものにしたかったんですよ。インラインではアッパーにメッシュ素材を採用しているんですけど、今回は革靴をイメージしているのでスエードにしました。色味もデザートブーツのような薄いベージュをセレクトしています。絶対に汚れると思うんですけど、それがカッコいいかなと。どんどん汚して味をだしてほしいですね。

ーほかにこだわったポイントはありますか?

ミッドソールを含めて、ソールの色は微調整を重ねて、4回くらいやり直してもらいました。これはなんとなくの感覚で、バランスのいい配色に持っていきたかったのが理由です。あとは靴ひもの仕様も変更してます。もとはもっと細いものを使っていたんですけど、今回はもうすこし太いシューレースを付属させています。

ー本来〈イノヴェイト〉が得意とする機能的なアプローチとはいい意味で逆行して、品のあるプロダクトに生まれ変わりましたね。

スポーツメーカーとやる場合、そのブランドが意識するものとは違う色づけをしていかないと、自分たちがやる意味がないと思うんですよ。

ーそれはつまり、ファッションに寄せるということですか?

そうですね。メーカーが驚くようなものをつくりたいんです。「その発想はなかった」と思わせるものをデザインしないとつまらないし、お客さんにも刺さらないと思うので。

ー提案のハードルが上がらないですか?

うーん…まぁ、そうかもしれません。機能を重視したメーカーにとっては「ノー」と言われるような提案かもしれないんですけど、それをいかにおもしろいと思わせるかが別注をするときの大切なポイントだと思うんです。

ー「別注」というトピックは、いまの時代、とくに珍しいものではないですもんね。そういう意味でも、丁寧に企画しないとダメということですね。

そうですね。とくにこういうスポーツメーカーは、普段大きなロットで生産している分、たかが数百足の別注ってビジネス的にそこまでおいしい話じゃないと思うんですよ。なので、いかに付加価値を与えられるかも重要になる。そこも含めて自分のなかでストーリーを組み立てて、提案を行えるようにしています。

ー今回の反応はどうだったんですか?

〈インヴェイト〉に関しては、もっとファッションゾーンに食い込みたいという思いがあったようで、オーケーをもらいました。今回は自分のなかで、ムービーやポスターをつくるためのアイデアもあったので、よかったと思いますね。





ー制作されたムービーとポスターはどんなところからアイデアが湧いたんですか?

90年代のイギリスの車メーカーの広告です。このメーカーの広告すごく好きなんですよ、都会とアウトドアを結ぶ、みたいな感じで。そうしたイメージをぼくらのポスターやムービーでも表現できたらおもしろそうだな、というアイデアがありました。

ー都会とアウトドアを結ぶという意味では、〈ノンネイティブ〉のクリエーションにも通づるものがありますね。

ぼく自身、もともとアウトドアのギアが好きなので。単純にプロダクトとして惹かれるんです。

ーそれを使ってキャンプやフェスにはよく行くんですか?

家族と楽しむ程度ですね。ガチガチにアウトドアなライフスタイルではないです。とはいえ、もうちょっと自然のある場所に住んで、最近都会をもうちょっと俯瞰して眺めたいなとは思っているんですが。新しい視点をもちたいなぁ、と。

ー都会というのは東京のことですか?

そうですね。“東京らしさ”のようなものがわからなくなってきたんです。「東京ってなんだろう?」って。20年前だったら、クラブへ行ったり、渋谷で遊んだりすることを「東京らしい」と形容することができたかもしれないけど、いまはそんなことないじゃないですか。

ー東京の持つアイデンティティーが薄れてきているように感じると。

〈ノンネイティブ〉を「東京ブランド」って紹介してくれる海外メディアが多いんですけど、仮に「どこらへんが東京なんですか?」って聞かれたとしたら、きっと説明できないんですよね。だから自分の生活を変えて、いまの東京をもうちょっと客観的に見てみたいなと思っています。

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