
PROFILE
1976年生まれ。東京・上野のスニーカーショップ「ミタスニーカーズ」のクリエイティブディレクターとして、別注やコラボレーションを数多く手掛ける。

PROFILE
1981年生まれ。2000年、テクストトレーディング入社。現在は「アトモス」のディレクターとして同ショップの運営統括やバイイングを手掛ける。
最高の機能を備えた最上位ラインとして誕生。
ー 〈アディダス〉のEQTはスニーカーマニアには知られた存在ですが、あまりスニーカーに詳しくない人には馴染みが薄いかもしれません。EQTとはどういったものなのか教えてもらえますか?

国井:EQTはアディダスの各カテゴリーにおける最高の機能を備えた最上位ラインとして1991年に誕生しました。テニス、サッカー、ゴルフ、アウトドアなどあらゆるスポーツを網羅していましたが、もっともメジャーなのはランニングです。走り方のタイプ別に「クッション」「サポート」「ガイダンス」の3つのモデルがリリースされ、当時のランナーから人気を博しました。



1991年当時のEQTのポスター。

1992年に発売された「EQT RUNNING SUPPORT」のオリジナル。
小島:昔のEQT、いま見てもかっこいいですよね。むしろ、いまこそかっこよく見える。実はぼく自身、EQTにはあまり馴染みがなく、履いたこともほとんどありません。だから逆にフレッシュなものとしてEQTを捉えています。2021年のいま見ると、すごく新鮮でかっこいいなと。


国井:いま見ると、すごくかっこいい。まったく同感です。現代の時流にあっていますよね。そしてEQTはデザイン面ではロゴとカラーが特徴的です。EQTのために制作されたロゴは〈アディダス〉が「バッジオブスポーツ」と呼ぶ現在のパフォーマンスロゴの原型になっています。個人的にはアディダス オリジナルスのトレフォイルよりもこちらのロゴのほうにリアリティを感じます。また、EQTに採用された独特のグリーンは「サブグリーン」と呼ばれ、EQTを象徴するカラーとして知られています。

小島:このグリーンの色合い、とても印象深いです。個人的にはスケートシューズの「アディマティック」やトレイルランニングシューズの「シーユーレイター」が思い起こされます。
〈アディダス〉といえば、多くのスニーカー好きがそうだと思いますが、「スタンスミス」「スーパースター」「キャンパス」といったコート系のイメージが強い。ぼく自身、ランニング系はZXシリーズが好きでよく履いていますが、EQTは正直言ってノーマークでした。EQTのストーリーをお客さんにきちんと伝えるためにも、歴史やルーツなどを改めて調べながら勉強しているところです。

国井:「スタンスミス」「スーパースター」「キャンパス」といったコート系のイメージが強いのは、ぼくも同じです。ちなみにそれらはバスケット、スケート、ヒップホップとともにアメリカから日本に入ってきたカルチャー。〈アディダス〉のお膝元であるドイツやヨーロッパでは、ZXやEQTをはじめとするランニングシューズのブランドとしての認知度が高い。そのことは以前〈アディダス〉のドイツ本社を訪問したときに強く感じました。