これまでもこれからも、フィールドファースト。
ー 最近はファッションの廃棄の問題などが浮き彫りになってきましたが、環境への取り組みも行なっているんでしょうか?
高木:まずは我々、2022年のSSから、カラーのサンプルを作るのやめたんです。
ー といいますと?
高木:例えば、ひとつのアイテムで6色のカラーを作るとなったら、6つのサンプルが必要になる。それはやめて、サンプルはすべてグレー一色にしたんです。それにより、サンプルの数は激減しましたね。だから、実際に製品が届くまで、カラーはPC上でしか確認できないので、アイテムが届いて驚くなんてこともあります(笑)。


オープン当日に開催されていたイベント「CIRCULAR BY DESIGN WITH MORI YUMI」。廃棄予定のサンプルを使用して製品を作るというサーキュラーエコノミーな取り組み。
高木:それと、やっぱり購入いただいたアイテムは長く使ってもらいたいので、リペアサービスも充実させて、洗濯や手入れの仕方などのエデュケーションも、しっかりフォローしていく体制になっていますね。
ー いまは街着としての需要も多い中で、実際はどんなお客さんが多いんでしょうか?
高木:街着として使われる方も多いですし、やっぱりハードユースの方も多いです。幅広いユーザーさんがいる印象ですね。フィールドに行かないユーザーの方にも、デザインだけでなく、防水や防風、着心地など、機能性を感じていただけたらうれしいなと思います。デザイン・クラフトマンシップ・パフォーマンスの3つが我々のものづくりのキーワードなので。
ー 〈アークテリクス〉は、どれだけアウトドアブームになろうとも、デザインが一貫しているなと。

高木:例えば、ポケットをたくさん付けたら売れるかもしれないけれど、その発想は我々にはありません。ポケットが必要であれば付ける。あくまで、フィールドでいかに快適に過ごせるかなんです。
ー 究極の機能美を求めてるという感じですね。今後は日本で、どういうブランドにしていきたいと思いますか?
高木:認知度はまだまだ低いし、決して安いものではない。けれど、自信をもって価値あるブランドだと思っているし、その価値をより多くの方に知ってもらえたらうれしいです。ぜひ、二子玉川のお店にも遊びにきてください。