PROFILE
流行りモノではなく、自分らしい生き方をスタイルとして提案するライフスタイルブランド〈クローバル〉のファウンダー。ペン、シルクスクリーン、油絵、コラージュなど様々な技法による作品を手掛けるアーティストでもある。そして、スケートやスノーボードも楽しみながら、生粋のサーファーとして自然をこよなく愛す。
Instagram : @cloveru_japan
作品作りに欠かせないサーフィン。



ー 今日の波はどうでしたか?
Sho:あまり良くなかったかな。でも、それも来てみないとわからない。メジャーポイントであれば波情報も出ているところもあるけど、ここは知られていない、僕らの大事なスポットなので。
ー どういう人たちが集まっているんですか?
Sho:ここを紹介してくれた仲間内のひとりが繋いでくれた人たちだね。みんな職業もバラバラで。サーフィンを介して、毎週末ここで顔を会わせるようになって仲良くなった人もいるし、もともとの友達も。
ー サーフィンが繋いだ縁ですね。
Sho:サーフィンは沖だけで会う人というのもザラにいるんだけど、ここの仲間はそうじゃなくて。あと、このあたりには猫がいるんだけど、キャットフードを持ってきてあげたり、家主の方には自分のブランドであげられるものを渡したりしています。それもまた縁であり、できる限りこの場所にも恩返しをしたいなと。

仲間を陸に呼び寄せるShoさん。合図は手笛とジェスチャーで。
ー サーフィン好きの方は毎日でも海に入りたいと聞きますが、サーフィンの面白さはどこにあるんでしょう?
Sho:スポーツとして波に乗ることが好きな人もいると思うけど、サーフィン特有のコミュニケーションや“抜けていく”感じが好きな人も多い。抜けていくというのは、例えばあまり寝てなくて、眠くてあちこちが痛くても、海に入ると放電されて浄化される感覚というのかな。


海からあがってきた仲間に、今回のコラボTシャツを渡すShoさん。


陸にあがってからは、仲間と談笑するのがいつもの決まり。
ー 確かに、サーフィン終わりの人たちはみんな気持ち良さそうな顔をしていますね。
Sho:浄化されるし、体にもいいと思う。波を見極めようとすれば洞察力が養われるし、僕は目が悪いんだけど、遠くを見るから、眼精疲労が取れていく感じがするんだよね。
ー なるほど。とはいえ、波に乗ること自体ももちろん楽しいと?
Sho:僕は、スケートもスノーボードもやるんだけど、サーフィンだけは別物。例えば、スケートはコンクリ、スノーボードはパイプとか動かないものを滑るけど、サーフィンで乗るのは、波という動く自然物。通算で30年くらいサーフィンをやっているけど、波というものはふたつとして同じものがない。自分が自然に合わせないと、乗れない。同じ波は二度とこないから、今日みたいに良くない波でも、バカみたいになって乗ろうとするんですよ。いい時も悪い時もある、それがサーフィンかなと。
ー サーフィンカルチャーでよく聞く、“いい時も悪い時もある”というのは自然相手だからなんですね。
Sho:自然の中で遊ばせてもらっているからこそ、感謝もする。ここではゴミ箱が置いてあって、海から上がってくるときに、ゴミをひとつ持ってくるというのが暗黙のルールになっているんだよね。
ー サーフィンをすることで、仕事やアーティスト活動にいい影響はありますか?
Sho:極論、サーフィンのためにこういう仕事をしているとも言えるくらいで、海にいつでも入れるように、自分のリズムでできる仕事を選んだんです。サーフィン中は、サーフィンのことしか考えないのでリフレッシュになるし、道中のクルマの中で、友達とブランドのことを話してたりしていると、アイデアが思い浮かぶことも多い。インスピレーションがよく湧くのは、サーフィンをした夜に、お酒を飲んでリラックスしているとき。そういう意味では、作品作りにも仕事にも欠かせないものだね。波に飲まれて、自力でもがいて、というのも人生の教訓じみているなと。