Which shoes to choose?
Style01 木下 誉 いろんな服にセレクトしたい鮮やかな一足。
PROFILE
都内屈指のセレクトショップ1LDKでショップマネージャー、バイヤーを務めた後、今年3月より〈カンタータ(cantate)〉の松島紳氏と共に、セレクトショップ「クリシェ(cliché)」をオープン。現在先行してオンラインストアを運営している。近々、都内に実店舗を構える予定で、現在はその準備を進めているところ。
Instagram:@kinopikp
ー 先日「1LDK」を卒業され、次のステップとしてセレクトショップをオープンするそうですね。
はい、いま実店舗のオープン準備をしています。ブランドをブランドと思わずに、全体的にジャンルレスなラインナップにしようと思っていて。型にはまらないセレクトをしたいです。
ー どんなお店を目指しますか?
オーセンティックで上質な〈カンタータ〉を軸にして、それに合わせられるぼくの好きな色や柄のアイテムを並べるイメージです。幅広い年齢のひとたちにアプローチしていきたいですね。
ー 今日のコーディネートのポイントは?
シューズの配色にブルーが入っていたので、それに合わせてネイビーを基調にコーディネートして、ほかの色は極力使わないようにしました。とはいえ、若干寂しかったので、インナーにオレンジのタートルネックを差し込んでアクセントを。スニーカーを際立たせたかったので、裾の短いパンツを選んで、大きいトップスでバランスを取っています。
ー この「FUSION2.0」を選ばれた理由はなんだったんですか?
やっぱりこのブルーですね。アクセントになっているけど、全体がニュアンスカラーだったので、いろんな着こなしに合わせやすいと思いました。パーツが多いぶん、色も拾いやすい。シンプルなトップスにもなじむので、コーディネートに迷ったときに助かると思います。これまで革靴ばかり履いていましたが、最近自転車に乗ることが増えてよくスニーカーを履いているから、いまの気分にぴったりです。
ー 粘り強さや意志の強さを表すフィンランドの言葉 “SISU(シス)”が、〈カルフ〉の軸となっています。木下さんにとっての“SISU”とは何ですか?
「クリシェ」での肩書きはショップマネージャーとバイヤーですが、販売員から離れるつもりはありません。お客さんと接するのがやっぱり好きですし、粘り強く、知識豊富な販売員を目指したいです。それと、生地や縫製といった造形のことについてまったく知らなかったので、その勉強もこれから粘り強くやっていきたいですね。
Style02 百々 南 細部にまで行き届いたデザイン性。
PROFILE
〈ピルグリム サーフ+サプライ(Pilgrim Surf+Supply)〉や「ビームス 新宿」でのショップスタッフを経て、2020年4月からプレスに就任し、現在は複数のレーベルを担当。スキーをはじめとしたアウトドアや自転車を趣味に持つアクティブ派。
Instagram:@minami_dodo
ー 今日のコーディネートについて教えてください
個人的に〈カルフ〉に対してカラフルなイメージをもっていたので、春らしく明るいオレンジを取り入れて、コーディネート全体で〈カルフ〉らしさを表現しました。
ー 選んでいただいた「LEGACY」は、〈カルフ〉では珍しいワントーンです。
クリーンな色合いなので遊びやすいですね。それにデザインが洗練されていて、無駄がない。だけど、シューレースに黒のステッチが入っていたり、トーン違いのグレーを使っていたりして、細かいところまで洒落ていると思います。そして何より、軽くて履きやすいのがいい。ぼくは外回りや立ち仕事が多いので、これくらいクッション性があると助かります。
ー 春夏はどんなファッションに注目していますか?
メンズカジュアルレーベル〈ビームス〉の今季のテーマは“SPORTS UNIVERSITY OF TOKYO”。アメカジスタイルに、スポーツとカレッジテイストを加えアップデートしたアイテムを展開しています。個人的にはビッグシルエットの反動で、そろそろタイトシルエットも人気が出てくると予想していて。大きめのトップスとタイトなパンツ、みたいなメリハリのあるコーデにも注目しています。そういうスタイルに、このスニーカーを合わせるのも良さそうですね。
ー プレスのお仕事は、どんな部分にやりがいを感じていますか?
リースの対応や取材、制作物のビジュアルをつくったりしていて、それが世の中に広まっていくのがうれしいです。やってよかったという実感があります。いままではがむしゃらにやってきたけど、しっかりと考えながらやることが多くなりました。
ー 百々さんにとって、強い意志を持って取り組んでいることはありますか?
プレスに就いて3年目を迎え、後輩もでき、これまでと立場が変わります。いままでは教わる側でしたがこれからは教える側になるので、強い意志を持って後輩と一緒に成長していきたいです。あと、プライベートもアクティブに動いて、リフレッシュしながらインプットしていこうと思っています。仕事もプライベートも熱意を持って貪欲な姿勢であり続けたいです。
Style03 熊木健二 着こなしに花を添える配色と軽快さ。
PROFILE
フリーランスのフローリストとして活動。さまざまなお店でのポップアップ開催や展示会の装飾などを幅広く手掛けている。無店舗型のフラワーショップ「BROWNSEA」を運営し、ブーケ製作や植え込みなど、花にまつわるさまざまな依頼を請け負う。
Instagram:@kuma_ken
ー コーディネートのポイントは?
ぼくがやっているフラワーショップの「ブラウンシー(BROWNSEA)」という名前は、イギリスをルーツにしています。ですので、その世界観を大事に、イギリスやヨーロッパのスタイルを意識して、チェック柄やシックなカラーを取り入れました。
ー お花のどんなところに魅力を感じていますか?
生花ですと、おおよそ7日間ぐらいの短い命。生花を飾るということは、その時間を大切にすることにつながると思っています。誰かと過ごしたときにきれいな花があるだけで、思い出になりますし、花がきれいに咲いている時間は戻ってきません。改めて、時間の大切さを実感できるのが魅力に感じています。お花って誰がもらってもうれしいじゃないですか。この仕事を始めてから、なんでもない日でも花を渡すようになりました。
ー そう聞くと、この「MESTARI」も花のような色使いに思えてきました。
ヒールのオレンジがアクセントになっていて、絶妙なカラーリングですよね。アースカラーやニュアンスカラーの服が好きなので、合わせやすいと思いました。それにランニングシューズをベースにしているだけあって、軽くて動きやすい。早朝の仕入れからずっと立ちっぱなしの日もあるので、クッション性が高いのは助かりますね。
ー さすが、フローリストならではの視点ですね。そんな熊木さんにとって活動の軸となっていることはなんですか?
物心ついたころから大学生までボーイスカウトに所属していて、そこで学んだ精神がぼくの礎になっています。それは礼儀や感謝の心などあたり前のことですが強い意志で心に留めていて、その姿勢がお花にアウトプットされていると思っています。
Style04 Wez Atlas ビートに乗る足元を支えてくれる機能美。
PROFILE
日本とアメリカをルーツに持つヒップホップアーティスト。2019年5月にEP『Saturday』でデビューし、2021年にはSpotify公式プレイリスト「Next Up」のカバーアーティストに選出された。3月にニューシングル『(Da Da Da) Day Ones feat. Sagiri Sól』をリリース。
Instagram:@wezzyatlas
ー 普段はどのようにリリックを書いているんですか?
家でつくることもあれば、今日みたいに散歩中にぶつぶつ言いながら考えることもあって。環境を変えつつ、ビートを聴きながら書くことが多いです。あと、最近は自分でビートをつくっています。まだ全然完成度は高くないですけどね。
ー ビートメイクもできるようになると、制作の考え方が変わるのでは?
そうですね。ゆくゆくは自分好みのビートをつくれるようになりたいです。実際は、周りに天才的なビートメイカーがたくさんいるから、自分でつくる必要性はあまりないんですよ。でも、制作のロジックを理解しておきたいから勉強しています。そうすればもっといい音楽をつくれるし、ディレクションがうまくできるはずなので。
ー リリースした新曲『(Da Da Da) Day Ones』は、高校生のころからの友人と制作されたそうですね。
はい。プロデューサーのVivaOlaの家に集まって制作する予定だったんですけど、実はその日寝坊しちゃって、到着したときにはビートが完成していたんですよ(笑)。それでぼくがリリックを書いて、コンセプトは“幼馴染”に決まりました。今年もそういう感じで、楽しみながらセッションして生まれる曲が多いと思います。
ー ちなみにライブのときは、どんなシューズを履いていますか?
シンプルで動きやすい、ホワイト系のスニーカーが多いです。これもライブで履きたいですね。〈カルフ〉は海外のアーティストも履いているみたいですし、いいパフォーマンスができる気がします。
ー ステージ映えもしそうです。「SYNCHRON CLASSIC」の履き心地はいかがですか?
クッション性が高くて快適です。長時間歩いていても疲れなさそう。つま先にまでシューレースが通っているから、しっかりとホールド感もありますね。このシューレースのデザインははじめて見ました。機能美って感じがします。
ー ウェズさんはアーティストとして、粘り強く取り組んでいることはありますか?
アーティストとして、自分自身のビジョンを信じなければいけません、だから、自分の考えを貫くことを大事にしています。ぼくが音楽をつくっている理由は、勇気が出るメッセージを伝えるため。その気持ちを胸に、曲をつくり続けていきたいです。
Style05 中島和弥 カラーリングも接客も素直がいちばん。
PROFILE
南青山に店を構えるサロン「RUNO」で店長を務める。もともとレディース中心のサロンだったが、バーバースタイルや束感とは異なる、品のあるメンズスタイルを提案し、それ以来多くのファッション関係者も通う。趣味はアルペンスキーと軟式テニス。
Instagram:@nku_ka
ー 今日のスタイリングのポイントは?
普段からシューズと色合わせをする着こなしが多くて、今日はアウターと足元の色を合わせています。このスニーカーは、ボリューム感のあるフォルムなので、パンツは太めを選んでみました。
ー この「FUSION 2.0」は、スプレイグリーン/ペールバナナというカラーリングだそうです。
トーン違いのニュアンスカラーを使っていて、気持ちいい配色だと思いました。洗練されていて、大人っぽい爽やかさを感じます。ぼくは足の形が合わない靴が多いんですけど、これは幅が合っていて全然痛くないです。ソールのクッション性も高くて、その厚みもいやらしくない。さりげなく身長が盛れそうです(笑)。
ー 日々のお仕事で、大事にしていることはありますか?
はじめて行く美容室って緊張するじゃないですか。だからラフな雰囲気を大事にしています。メンズだと月に1回くらいはカットに来てくれるんですけど、すこし仲良い友達と同じくらいの頻度で会っていることになります。ですので、意外と友達にも話していないことを相談してくれるひともいるんですよ。その距離感も大事にしています。
ー 中島さんの親しみやすさの理由がわかったように思えました。中島さんは、これからも強い意志を持って続けていきたいことはありますか?
毎日コツコツと、ひとりひとりに対して丁寧に施術してきた結果がいまにつながっていると思うんですよね。お店全体としても日々を大切にする方針を掲げているので、小さなことでも粘り強く積み重ねていきたいです。
Style06 石黒晴輝 365日のスタイリングを支える縁の下の力持ち。
PROFILE
2020年にベイクルーズへ入社し、「レショップ」に配属。販売員を経て、バイヤーアシスタントに就任した。古着が好きで、「レショップ」のアイテムとミックスしたコーディネートを楽しむ。休日は、学生時代から続けている野球で汗を流しているそう。
Instagram:@isgrrr__
ー まずはコーディネートのポイントを教えてください。
「レショップ」ではジャケットにスニーカーを合わせるのが定番で、色のバランスや上品な見せ方を意識しています。カジュアルさを全体になじませるようにしていて、今日はスニーカーのカラーリングをTシャツとリンクさせました。
ー シューレースを結ばないんですね。
そうですね。ほとんどのスニーカーを緩めて履いています。家では吊り下げて収納していたり、展示会に行くと着替えるたびに靴を脱いだりするので、結ばない方がラクっていう理由です(笑)。
ー カラーリングは、フィンランドならではのセンスですね。
シューズ単体で見るとグリーンとオレンジの組み合わせは、少し派手かなって思ったんですが、履いてみたらコーディネートにすんなり溶け込みました。パンツの裾がかかったときとそうじゃないときで、印象がガラッと変わりますね。他のラインナップも、合わせやすいカラーリングが多くて、“縁の下の力持ち”って感じがします。なんだかその姿勢に憧れます。
ー 仕事で充実感があるのは、どんなときですか?
今年の春夏シーズンから、ぼくがバイイングしたアイテムが入荷しています。自分がいいと思って、みんなも気に入ってくれるだろうとオーダーしたアイテムが、すぐに売り切れたのはうれしかったです。ぼくがバイイングしたとは知らないお客さんに、“これ欲しいんだよね”って言われるのもうれしいです。
ー 石黒さんにとって“SISU”と呼べる、粘り強く続けていることはありますか?
入社以来、粘り強く取り組んでいることは、毎日違うコーディネートをすること。服を着るのが好きでアパレル業界に入ったので、制服みたいに毎日同じ格好で出勤するのが嫌なんです。バイヤーアシスタントになってから、お客さんの前に立つ機会はあまりありませんが、毎日違う格好をして、自分なりにファッションを楽しみ続けたいと思っています。