
かつてBLANKEY JET CITY時代に「バンドを色に喩えると?」という質問に対して「ブラウン」と答えた浅井氏。インタビュー後の撮影の際にそのことを思い出して「いまの浅井さんを色で表現すると?」と尋ねてみたところ、返ってきた答えは……「うっっすいブルー」。
きっと画集に描かれた空を思わせる、限りなく透明な青なのでしょう。
複数のバンドのフロントマンとして楽曲を生み出し、画集や絵本、執筆、たまに料理と、創作欲の趣くままに作品を発表する浅井氏ですが、いずれの作品もあくまで澄み切った色を湛えています。それはきっと、浅井氏のピュアネスそのものが作品に表われているからこその鮮やかさではないでしょうか。気持ちの塞ぐ情報が溢れ、材料の多いスムージーのように心が濁りがちな時こそ、空を見上げて深呼吸をしたい。浅井氏が生み出す青く澄み切った作品は、きっと、空を見上げるのと同じようにぼくたちの心をほどいてくれるでしょう。