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ギンザ シックスでその全貌をあらわしたラグ & ボーンのスーツ。

ギンザ シックスでその全貌をあらわしたラグ & ボーンのスーツ。

〈ラグ & ボーン(rag & bone)〉が話題の商業施設「ギンザ シックス」出店のタイミングでスーツのコレクションをローンチした。クラシックをこよなく愛し、タイムレスな世界観を構築、アメリカ最高峰のファッション・アワードを手に入れた〈ラグ & ボーン〉が満を持して完成させたスーツは、オンオフというシーンさえも超える。

  • Photo_Masaki Sato(Still Life)
  • Text_Kei Takegawa
  • Edit_Ryo Muramatsu
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カミソリで削ぎ落としたスーツ。

〈ラグ & ボーン〉が4月20日、日本で7店舗目となる直営店をオープンした。無垢のウォールナットと真鍮が縁取る、コンクリートを敷いたフロア ── 鳴り物入りで登場した「ギンザ シックス」にお目見えしたその店はニューヨークに構えるフラッグシップストア同様、インダストリアルなタッチをたくみに洗練させている。

メンズ、レディースのフルラインナップが揃うおよそ60平方メートルの店内の目玉は2016年秋に始動した、日本初上陸となるテイラリング プログラム。イギリスへのオマージュを具現したセットアップのスーツと周辺アイテムに特化したコレクションだ。

デニムなどカジュアルウェアを主軸に据える〈ラグ & ボーン〉だが、じつはスーツの世界にも造詣が深い。アメリカ本国のみの展開ながら老舗ファクトリー「マーティン・グリーンフィールド」でつくり込んだラインをリリースしたこともある。

クラフツマンシップが息づくファクトリーの地力がうかがえる丁寧な仕立てもさることながら、見逃せないのがモダンな顔つきだ。構築的なショルダーラインやノッチドラペルからはたしかにイギリスの影響が感じられるけれど、深く、ナローなVゾーンに象徴されるコンパクトにまとまったシルエットはモダンの一言。コネチカット州西部にある真鍮の街、ウォーターベリーのボタン、表情豊かなバスケット織りのイタリア製ウールもそんなスーツの巧妙な隠し味になっている。

デザイナーのマーカス・ウェインライトは「レーザー スーツ」と命名した。レーザー(razor)=カミソリであり、その名のとおり鋭利な刃で削ぎ落とされたようなミニマルな佇まいはインダストリアルな店に溶け込む。

古くて新しいスーツのカタチ。

マーカスはなぜ、ここにきてスーツに本腰を入れたのか。それは〈ラグ & ボーン〉のこれまでを振り返れば明らかだ。マーカスはケンタッキーに拠点を定め、オーセンティシティ ── 大量生産の対極にあるプロダクト ── を追求すべく生活に不可欠な存在ととらえるデニムづくりからキャリアをスタート。そうしてデビュー8年目の年にCDFAメンズウェア部門のグランプリを受賞した。次のステージとしてメンズウェアの源流であり、自身の生まれ故郷でもあるイギリスのヘリテージに目を向けるのはとても自然な流れだった。

そしてここが肝心なところだけれど、高度経済成長のなかで働く男の記号になってしまったスーツは本来、ドレスアップするための服だった。マーカスは埋もれかけていたこの価値を掘り起こそうとした。それにはビジネスウェアの役割から解放されつつあるいまが好機だったのだ。

タイレスで第一ボタンまで締めたシャツ、あるいはスウェットをインするスタイリングからもマーカスの狙いはくっきりと浮かび上がる。かれはぼくらにこういっているのである ── 週末こそスーツで洒落込もうよ、と。

RAZOR SUITアメリカでは2016-’17年秋冬コレクションから展開されているスーツ。日本での発売は、4月20日にオープンした「ギンザ シックス」の店舗が初めて。写真上はコットン製のカジュアルな印象のモデル。下はイタリア製のウールを使ったモデル。スリムフィットの美しいラインを描く。2色展開。ジャケット 各¥93,000+TAX、パンツ 各¥47,000+TAX

CHARLES SHIRTヴィンテージ風のオリジナルボタンがアクセントになったブロード地のシャツ。柔らかな肌触りが心地よく、洗いざらしでラフに着たい一枚に仕上がっている。¥31,000+TAX

SKINNY DRESS BELTオーセンティックなイギリス製のレザーベルト。シンプルなデザインのため、スーツなどのフォーマルなスタイルからジーンズを使ったカジュアルなスタイルまで幅広い格好に合わせることができる。ブラックとエスプレッソの2色展開。各¥24,000+TAX

rag & bone Ginza Six

住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 3F
電話:03-3572-1125
www.rag-bone.com
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