小林陵侑の経歴。
岩手出身の小林さんは、選りすぐりの素質ある子どもをトップアスリートへと育成する「いわてスーパーキッズ」の出身。とはいえ、スキージャンプ一筋だったわけではなく、同プロジェクトを通じて、レスリングやラグビー、ボクシングなどに触れたことも。中学時代には、サッカー部に所属し、活躍。それでも選んだのはスキージャンプだった。
「空を飛ぶことが楽しかったんです。高く、遠くに。踏切がきっちり決まって、スピードを殺さず飛び出していくあの感覚が好き。飛ぶことはいまでも楽しいし、誰かに強要されるものでもない。けど、トレーニングだけは、遠くに飛ぶためにやらなきゃいけないもの、という感じです」
好きこそものの上手なれ、とは使い古された言葉だが、スポーツ界、なかでも世界のトップを獲るようなひとは、圧倒的なまでの情熱が欠かせないのだろう。しかし、小林さんが原動力とするのは、個人的な思いだけではない。日本のスキージャンプ文化という、大きなものを背負って飛んでいる。
「ヨーロッパでは、スキージャンプは生活の一部のようになっていて、すごく人気の競技です。日本とのギャップは大きいですね。そこを埋めたい。だからこそ、例え練習中でもスポーツ選手として、格好よくいることは、大事かなと。そのためには、ファッションにこだわることも重要。もちろん個人的にファッションが好きなのもありますけど(笑)」

「北京2022冬季オリンピック」で小林選手が獲得した、ノーマルヒルの金メダルとラージヒルの銀メダル。
小林さんは、スキージャンプに興味を持ってもらえるなら、アスリートのイケてる服が入口になってもいいと考える。スキージャンプを文化として根付かせ、ファンを増やすためには、もちろんコツコツとした地味な活動も必要だけど、そのジャンルのアイコンは絶対に必要だ。スターがひとり現れるだけで、いきなり世の中の流れは変わったりするのだから。
「この〈ディースクエアード〉のデニムはタイトめでシルエットがきれいだなと。あと、とても穿き心地がいい。例えばパンツは、撮影のときにしゃがんだりしたけど、つっぱらない。実際、ヨーロッパでは〈ディースクエアード〉を着ている選手をよく見ます。あとぼくは、グラフィックものが好きなんですが、〈ディースクエアード〉には気になるものが結構あります。着ているこのシャツは色使いがいいですね」
ビッグジャンプのために繊細な身体感覚を必要とするアスリートに、穿き心地を褒められるのは、〈ディースクエアード〉としても喜ばしいこと。ちなみにスポーツ繋がりで言うと、サッカーと〈ディースクエアード〉の関係は意外に深い。例えば、以前は「バルセロナ」「ユベントス」の選手の移動着は〈ディースクエアード〉で統一されていた。そしていま、その相手は英国の「プレミアリーグ」で今年優勝を決めた「マンチェスター・シティ」だ。提供するのは、スーツではなく、デニムやスエットなど。バスや飛行機などで国境をまたいで移動するのが当たり前の選手たちが、着心地の悪いものを身につけるはずがない。そして、サッカービジネスにとってイメージがどれほど重要かということも。これこそ、〈ディースクエアード〉の機能性とファッション性を表す事実と言えるだろう。